私たちはワイン・バーを出た。
外はもうクリスマスのイルミネーションがあざやかにまたたいていた。
「寒くなったね」
「うん」
「もう、そろそろ帰んなくちゃね」
「うん」
いつの間にか繋いでいた手が彼女の腰に回っていた。
イルミネーションの幻想が二人を幻想の世界へまねきねこ。
人通りは誰もいない。
「クリスマスはまた、美術館行くか」
「うん」
腰に回っていた手は彼女の顔を引き寄せる。
彼女は私に身をまかせていた。力がはいっていなかった。
あんなに体を触られるのがイヤ!と言った彼女であるとは思えない。
彼女にチューをした。一瞬、彼女の口から「あっ」と声が出たがそんなの関係ねえ!。
その後は、何事もなかったような、まったく普通の会話をして電車イン!
一瞬のできごと。
もう若くはないので別段、驚かないが、やはりトシをとっても青春はよいものだ。なーんてね!
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