私は22日のオリックスvsバファローズの試合を見に、大宮県営球場に行きました。
なぜなら、我が会社の社長が始球式で投げるためです。
そのため、会社の社員、パート、アルバイトにチケットを社内販売し、出来るだけ参加をしなさい、という
総務部のお達しもあり、私も例外なく行くことに致しました。
16時半に社員10人くらいで一緒に会社を出る。
私と仲の良いパートのB子も中学生の息子とその友達2人連れて4人で行くと言う。
駅に着くと、「オッス!」突然、後ろからB子に肩を叩かれた。
見るとニコニコとしたB子の4人組がそこにいた。いつの間にいたのかまったく分からなかった。
「このおじちゃん、会社の人よ」
B子が私をガキンチョに紹介する。
その後、B子は大宮球場まで私と横並びでついてくる。おいおい、会社のメンバーもいるのに・・・・。
B子は
「ちょうどよかったよ。道がわからなくて、どうしようかと思ったら来たでしょ。よかったわ、分かる人がいて!」
なんかあやしい。まるで待ち伏せしていたかのよう。
県営球場に着く。B子は私の横に座る。
おいおい、上司が後ろにいるのにちょっとまずいなあ。
ビールの売り子が来る。すかさずB子はビールを注文する。
私は勤務中なので飲めない。うらやましい!
それにしてもビールの売り子はショートパンツをはいたかわいい子ばかり。
B子の前でしゃがんでビールを継ぐさまは、目が釘付けになりそう。いや、なってしまった。
ビール好きのB子はあっという間にビールを飲み干してしまった。しかも2杯も・・・・。
18時前に選手の紹介があり、チアガールがグラウンド内で踊る。これも目が釘付け・・・・。
やがて我が会社の社長は背番号「18」のライオンズのユニフォームを着てマウンドに登場。
内野席の3分の1に陣取った社員が歓声を上げる。
社長が投げた1球はベース手前でワンバウンドしてしまったが無事、始球式終了。
試合開始。
子供たちはゲームに夢中。まったく試合を見ていない。
何のために球場に来たのか・・・・。
今日はB子と野球場でのデートみたいになってしまった。
他の会社の連中は男ばかり固まって見ているのに、私の横にはB子がいる。
打者がヒットを打つたびにB子は手を叩いて喜ぶ。
観客が増えてきて席が詰まってきて、いつの間にかB子と体がくっついていた。
ちょっと腰に手を回してみる。嫌がらなかった。
ちょっと冒険して腰の肉をつまんでみた。嫌がられなかった。
ちょっと腕を絡めてみた。嫌がられなかった。
何もかも自然だったのだ。これは先走るとちょっとやばい。
それにしても、どこが自然じゃ!
アルコールが入っていなくて良かった!
試合は3対3の接戦となり、大いに盛り上がる。
会社の連中は5回くらいで会社に戻っていった。
私は残った。これで完全に二人の世界。しかし私も9時までに会社に戻らなくてはならない。
明日の出勤で会社の鍵をもらわないといけないからだ。
「ええー、会社に戻るの?」
B子は口をとんがらせる。
「ああ、でもぎりぎりまではいるよ」
「ねえ、ここのビアガーデン飲み放題¥3,800なんだよ」
「いいなあ。行きたいなあ」
「残念でしたー!今度、○○サンたちと一緒に行くの!」
さぐりをいれてるな・・・・。
B子は唐突に、「ねえ、A子って付き合ってたの?」
冷静な私は、また、さぐりを入れているな、と思った。
「趣味があうので美術館には一緒言ったことはあるよ」
「ふーん、それだけ?」
「飲みにも行ったなあ。でもそれ以上はないよ」
「そこまで聞いてないよ。怪しーい!」
「本当だって!」
「ほんとに?」
絡んできやがる。明らかにさぐっている。
「ねえ、私のこと好きでしょ!」
「なんで?」
「だって、あたしの持ち物さわってくるでしょ。」
私はよくB子の携帯のくまのアクセサリーをさわっていたりしたのだ。
くまがおもしろい顔をしていたのが理由だ。
「そんなことないよ」
「うそだ。私のこと好きでしょ!」
こんな会話の途中、片岡がヒットを打った!
「ワアー!!!」
会話をよそに盛り上がり、会話がとぎれた。
ほっとした。
じゃあ、私は帰るわ。またな。
B子の肩を叩く。
「じゃね・・・・」
私は会社に戻る。ちょっと後ろ髪ひかれた・・・・・・。
しばらく親しく話していなかったB子だったが、私に好意をもっているんだなあ。
久しぶりに気分がよかった。ビール売りのお姉さんもよかった。
うれしいような複雑・・・・・・。
いかんなあ・・・・。
※この物語はノンフィクションです。