蔵王連峰は、中央蔵王・北蔵王・南蔵王に分けることが出来る。今回は中央蔵王を取り上げる。
2011年は、後にも先にも登頂数が多い。毎週のように蔵王に行き、体調がすぐれないときは景色を見るだけにしたりして、本当に蔵王は飽きることがなかった。写真を撮るために行っていたのに、いつのまにか登山の方にのめり込んでいた。
2012年になると、登山が体力的に少しきつくなってきたため、きのこの写真にのめり込んだ。小さいながらもユーモアの感じられるきのこたちにたくさんめぐり逢えたが、次の年の2013年は、きのこは不作の年だったのではないかと思う。あまりいい出会いがなかった。私は食べるキノコよりも、ビジュアル系のきのこを探しているので、きのこ採りの方とは競合しないと思うのだが。
きのこに関しては、あとで記事にしようと思うので、本題である2011年の登山活動を振り返る。
私は毎日7時間は歩きまわる仕事をしているので、歩くのには多少自信がある。しかも、登山をする場合は自分のペースで歩くので、仕事よりも楽だと言える。しかし9時間位山で歩き続けていると、だんだん太陽が西へ傾き日没までに帰らなければと焦ったりするので精神的に疲れが出てくる。やはり山では余裕ある行程が理想である。
蔵王で初めに登ったのは、一番とっかかりやすい熊野岳である。蔵王山という山はなく蔵王連峰の中で一番高い山が熊野岳であるが、観光客が押し寄せるお釜のすぐ近くまで車で入れるので、そこから片道1時間ほどで、登れてしまう。簡単に登れそうだが、ガスって視界が無くなると、どっちに進んでよいか分からなくなるほどなので、安易には、登るべきではない。
次の登山には、エコーラインにある大黒天という地点から、刈田岳とお釜を通過して熊野岳に行くコースである。五色岳の荒々しい高山的風景を見ながら短い夏の山を咲きそろう花々に、南の海から渡ってきた蝶がたくさん舞う中を片道2時間ほど歩くだろうか。
その次は、お釜のある刈田岳レストハウスから熊野岳避難小屋を通過し、山形県側の地蔵山から三宝荒神山まで行くコース。地蔵山を過ぎるとロープウェイの地蔵山頂駅があり、観光客とスライドする。トイレもあるし、ソフトクリームを食べてリフレッシュも出来るセレブ?なコースである。冬は、樹氷見物のメッカとなる。
その次は、同じくお釜前の刈田岳レストハウスから、熊野岳避難小屋を通過し、遠くに雁戸山の双耳峰を眺めながら名号峰を目指すコース。アザミの葉っぱが足に刺さって痛かった。こちらは、広々とした北蔵王のすばらしい稜線の景色の中を黙々と一人で歩くので、さみしい様な気もするが、ほかの単独の男性二人に追い抜かされたり(1人の登山者は熊野岳には戻らずガガ温泉まで下るルートだった)、名号峰の頂上では、なんと笹谷峠の雁戸山から縦走してきた人と出会った。それぞれみな登山の出発点やゴールは違うけどそれぞれ山を目指し黙々と歩くなかで偶然出会い、互いにあいさつを交わし、また別れるというのが、人生に何となく似ているような気がする。
別の日は、同じく刈田岳レストハウスから、熊野岳を経由して、山形側の中丸山山頂を目指すコース。こちらのコースでは誰ともすれ違わなかったが、遠くに熊野岳や刈田岳のリフトなど人工物を見ながら歩くので、あまり心細くはなかった。
とまあ、その日の体調や天気で選べる、初心者向けのコースがたくさんあり、上級者の方になると、もっと麓の方から登ってこられるし、北と南の山から縦走も出来る。これらはすべて宮城側を起点としているため、山形県側から登るコースもいろいろあると思われる。
まとめると、
①お釜~熊野岳
②大黒天~刈田岳~お釜~熊野岳
③お釜~熊野岳避難小屋~地蔵山~三宝荒神山
④お釜~熊野岳避難小屋~名号峰
⑤お釜~熊野岳~中丸山
以上が、中央蔵王の2011登山履歴である。