近代短歌データベースを検索するだけのブログ 

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検索ワード「魔」

2022-10-18 23:26:27 | 検索するだけの人
ヒットした短歌: 50件


彼ののこしし魔笛の第一版その他の楽譜免状など見つ
斎藤茂吉 『遠遊』, 1923, 1947


われならぬおのれをあまた持つことも魔の一人なるここちこそすれ
与謝野晶子 『深林の香』, 0000, 1933-1934


騾馬となり美くしき魔に駆られゆくわかき心のいたいたしさよ
北原白秋 『明治40年6月1日「明星」未歳6号』, 1907, [1907]


魔といひ神ともいひて花の如き美容に罪をみとめざる人
前田夕暮 『歌稿 靑あらし』, 1905, [1905]


おそろしき魔遣らふさまに君を云ひさびしき人は笑みてあるかな  
与謝野晶子 『夢之華』, 0000, 1906


消息の墨のしづくの散るものかささやかなれど魔の形して
与謝野晶子 『瑠璃光』, 0000, 1925


青白く霜降る朝に魔の目かとけうときものは何のおち葉ぞ
与謝野晶子 『流星の道』, 0000, 1924


うすぐもる鏡の中の青ざめし若き男をのろふ魔のこゑ
石川啄木 『明星 明治四十一年七月号(申歳第七号)』, 1908, [1908]


魔のささやきそれに似けらし我胸のもだえ心にふるさあるもの
前田夕暮 『はなふぶき』, 1904-1905, [1904-1905]


みいくさの艦の帆づなに錨づなに召せや千すぢの魔もからむ髪
山川登美子 『恋衣』, 0000, 1905  


耶蘇誕生会の宵に こぞり来る魔の声。少くも猫はわが腓吸ふ
釈迢空 『倭をぐな』, 1950, 1955


魔のまへに心くだきしよわき子と友のゆふべをゆびさしますな
与謝野晶子 『みだれ髪』, 0000, 1901


飢ゑていま血なきに筆もちからなし人よ魔と書く文字ををしへね
山川登美子 『恋衣』, 0000, 1905


星の子のあまりによわし袂あげて魔にも鬼にも勝たんと云へな
与謝野晶子 『みだれ髪』, 0000, 1901


魔に落つるこれは人かと神に似し力おほえてわが思ふ時
与謝野晶子 『常夏』, 0000, 1908


かかる世は魔とも生れて来なましをあか弱き子の誰にかよらむ
前田夕暮 『はなふぶき』, 1904-1905, [1904-1905]


百合の花わざと魔の手に折らせおきて拾ひて抱かぬ神のこころか : 与謝野晶子 『みだれ髪』, 0000, 1901

検索ワード「逃げる」

2022-10-18 10:51:51 | 検索するだけの人
検索ワード:  逃げ
ヒットした短歌: 128件


アキリーズ孤独になりて逃げむとす逃げてゆかむと彼おもひきや : 斎藤茂吉 『短歌拾遺』, 1942, [1942]


眼をすゑてひとところのみみつめゐしその間に若さ逃げゆきにけり : 前田夕暮 『歌稿』, 1910, [1910]


ヨウクタウン中心にして白き尾を引き艦隊の逃げゐる写真 : 斎藤茂吉 『短歌拾遺』, 1942, [1942]


思ふことみな逃げ行きしそのあとのわがあきらめの味なきこの頃 : 前田夕暮 『陰影』, 1911, 1912


もの借りて未だ返さぬその人の娘に似たり我は逃げにき : 石川啄木 『明治四十一年歌稿ノート暇ナ時』, 1908, [1908]


花の中に抑へられたり鰻の児命懸けにて逃げにしものを : 北原白秋 『雲母集』, 0000, 1915


逃げざまにけけと羽ばたく唐丸のうしろ寒げやその朱の鶏冠 : 北原白秋 『昭和12年2月1日「日本短歌」6巻2号』, 1937, [1937]


逃げて行く家鴨の如く逃げて行く女を友よ思ひきれよかし : 前田夕暮 『歌稿』, 1911, [1911]


逃げて行くわれが逃げ行く冬の路物に追はれて小さく走れる : 前田夕暮 『歌稿』, 1911, [1911]


笹藪に雀戦ふ日の永さ一羽は逃げて椋のこずゑに : 北原白秋 『大正6年6月1日「文章世界」12巻6号』, 1917, [1917]


脚長蜂わが卓上の白桃に大き穴あけ逃げ去りにけり : 窪田空穂 『木草と共に』, 1960, 1964


東京に逃げて来りしその夜の悲しさ脳を病む少年の : 前田夕暮 『歌稿』, 1910, [1910]


道中に遊びゐる子もしづかにて、問へば逃げ散る 木屋瀬の町 : 釈迢空 『短歌拾遺』, 1945, [1945]


事あらば逃げよただにと公に定められたる老びと我か : 窪田空穂 『明闇』, 1941, 1945


水すまし針のごとくも逃げまはるその水面に涙を落す : 北原白秋 『明治45年1月1日「朱欒」2巻1号』, 1912, [1912]


馬追の逃げし小窓によりそひぬ空をながるる初秋の風 : 前田夕暮 『歌稿』, 1910, [1910]


沢の道に、ここだ逃げ散る蟹のむれ 踏みつぶしつつ、心むなしもよ : 釈迢空 『海やまのあひだ』, 1924, 1925


山ぎはの夕寒庭にのこりしか逃げたつ鳥のおとの大きさ : 中村憲吉 『軽雷集以後』, 1929, 1934


いつの間にわれ阿片をば服しけん雲騷しく山逃げて行く : 与謝野晶子 『草の夢』, 0000, 1922


病院の羊が庭に逃げ入りてとらはれし日の落葉のみだれ : 与謝野晶子 『流星の道』, 0000, 1924


逃げ去りしいくさの跡に亂れたる弓は弱弓矢は細矢にて : 長塚節 『[長塚節全集]』, 1900, [1900]


教室の窓より逃げてただ一人かの城跡に寝にゆきしかな : 石川啄木 『曠野 明治四十三年十一月号(第九号)』, 1910, [1910]


道ゆけば若き女のあとおひて心われより逃げゆく日かな : 石川啄木 『東京毎日新聞明治四十三年三月四日』, 1910, [1910]


餌をやれば親鮒は逃げ子鮒どもわが手の下に群りてをる : 若山牧水 『黑松』, 1927, 1938


「覚めしとき夢は逃げたる」その夢を思ひてひとり長き路行く : 前田夕暮 『歌稿』, 1908, [1908]


固腹をづぶりと刺して逃げのびし男捕はれて来るとふ朝や : 斎藤茂吉 『あらたま』, 1913, 1921


金網のひびききらひて鼠らが逃げゆくなどと誰かいひたる : 斎藤茂吉 『曉紅』, 1936, 1940  


夜もすがらわれの体を襲ふ蚤朝くらがりにはやも逃げゆく : 斎藤茂吉 『小園』, 1945, 1949


宮島の島の浦わに伏す鹿を撫でんとすれば起きて逃げけり : 正岡子規 『竹乃里歌』, 1899, [1904]


われ時に君を殺して国境に逃げなむとしき無事にいかりて : 石川啄木 『明治四十一年歌稿ノート暇ナ時』, 1908, [1908]


寂しさに海を覗けばあはれあはれ章魚逃げてゆく真昼の光 : 北原白秋 『雲母集』, 0000, 1915


空間に魂逃げて去ぬるがにわが児おどろくまはだかなれば : 前田夕暮 『深林』, 1914, 1916


死なんとて蹈切近く來しときに汽車の煙をみて逃げ出しき : 萩原朔太郎 『短歌』, 1910, [1910]


泥鰌つかみ逃げゆく兄に追ひすがり泣聲立ててものいへり妹 : 窪田空穂 『朴の葉』, 0000, 1920


要塞のあやふしと見るや總司令妻子を具して逃げ去りにけり : 窪田空穂 『明闇』, 1942, 1945


街とほく彼のもの音のきこゆるは今追はざれば逃げ行く如し : 中村憲吉 『馬鈴薯の花』, 1913, 1913


蘆山牯嶺の陣も陥ちたり逃げたるは三十二歳の指揮官楊遇春 : 斎藤茂吉 『寒雲』, 1939, 1940


ひらひらと青いなづまの逃げてゆく脚をば見たりそらの片隅 : 太田水穂 『流鶯』, 1944, 1947


みちのくへ逃げてゆくとふ少女子と話なくなり笛きけるかも : 島木赤彦 『切火』, 1913, 1915


日の本のますらたけをのをたけびに仇の砦は逃げて人もなし : 長塚節 『[長塚節全集]』, 1900, [1900]

ゑひどれのわれに恐れて逃げてゆく雪つみわたす村のむく犬 : 若山牧水 『くろ土』, 1918, 1921


逃げぬをば何か親しく見てゐたり寒けき夜半に出でてをる鼠 : 若山牧水 『くろ土』, 1918, 1921


「海へかもはた山へかもとく逃げよ」そくそくとして不安ぞ来たる : 前田夕暮 『歌稿』, 1908, [1908]


汽車に乗りて逃げなむとする何物かわが神経を刺し乱すなり : 前田夕暮 『歌稿』, 1910, [1910]


白萩のしげみに逃げて苑の鹿やさしきまなざしわれにむかはぬ : 窪田空穂 『初期拾遺』, 1902, [1902]


夜逃げせる百姓のあり穫り收れを雨にもやめず急ぎたりと云ふ : 中村憲吉 『軽雷集以後』, 1930, 1934


をさなごは吾が病み臥せる枕ベの蜜柑を持ちて逃げ行かむとす : 斎藤茂吉 『ともしび』, 1927, 1950


アキリーズただひとつにて逃げゆくが蒼うなばらの中に小さし : 斎藤茂吉 『短歌拾遺』, 1942, [1942]


木ずゑあかるく降る日光をみてあればわが幸ひは逃げ行く如し : 前田夕暮 『歌稿』, 1912, [1912]


赤楝蛇みづをわたれるときのまはものより逃げむさまならなくに : 斎藤茂吉 『石泉』, 1931, 1951


世の中の樂しき時は犬もほえずゐのししも突かずねすみも逃げず : 島木赤彦 『短歌拾遺』, 1924, [1924]


まくら辺に子を坐らせて、/まじまじとその顔を見れば、/逃げてゆきしかな。 : 石川啄木 『悲しき玩具』, 1909-1911, 1912


そこ通る女子とらへてはだかにせう、といふたれば皆逃げてけるかも : 北原白秋 『雀の卵』, 0000, 1921


ぬるときにいつもおもひし女の眼いつかいづくに逃げさりにけり : 前田夕暮 『歌稿』, 1911, [1911]


春がきたそこらあたりのものをみなかかへて走れ山を逃げいだせ : 前田夕暮 『歌稿 天然更新歌稿』, 1923, [1923]


架け滔に日がほのめけば刈り田より吹きて逃げゆく狹霧ぞあかるき : 中村憲吉 『補遺』, 1919-, [1919-]


カナリヤのつがひは逃げしとやの内に鶸のつかひを飼へど子生まず : 正岡子規 『竹乃里歌』, 1900, [1904]


思ふことみな逃げゆきしそのあとのわがあきらめのさびしきこの頃 : 前田夕暮 『歌稿』, 1911, [1911]


逃げ行かずや。またしてもかかる疑ひをもて、小さき鳥、かあゆき鳥よ、汝を見まもる : 窪田空穂 『初期拾遺』, 1913, [1913]


大山のかうべを得んといひし九郞鳩、自かかうべ僅にもちて逃げし九郞鳩 : 伊藤左千夫 『[左千夫全集]』, 1905, [1905]


きびしい督戦隊に射すくめられ射すくめられて逃げるすべさへ知らぬ : 前田夕暮 『烈風』, 1938, 1943


いさりするあまの妻子はやせにけりあはれうろくづよ逃げずもあらなん : 正岡子規 『竹乃里歌拾遺』, 1892, [1892]



検索ワード「タヌキ」

2022-10-18 08:36:18 | 検索するだけの人
ヒットした短歌: 44件
検索ワード:  たぬき 狸

夕日照る谷ふところの桃のはな狸のこもり春闌けむとす : 北原白秋 『橡』, 1935-1937, 1943


山里にひとり堪へたる淋しさを夜の狸の礫うつなり : 正岡子規 『竹乃里歌』, 1898, [1904]


餅あげて狸を祭る古根紙の幟に春雨ぞふる : 正岡子規 『竹乃里歌』, 1898, [1904]


あはれとも毛竝艶だつ春いよよ狸の番小舎にくぐむか : 北原白秋 『橡』, 1935-1937, 1943


小丹塗にいかしく浮けどおのづから沈むにつくる狸の泥船 : 中村憲吉 『財界諷詠』, 1922-1923, [1922-1923]


底なしの池に生ふるちふ狸藻は夏花咲けど秋見えずけり : 島木赤彦 『馬鈴薯の花以前』, 1904, [1904]


栖ごもるや疑ひやすくうつくしき春昼の狸ただち出て消ゆ : 北原白秋 『橡』, 1935-1937, 1943


春の午女夫狸の面寄せて金網の戸に食めばけうとさ : 北原白秋 『橡』, 1935-1937, 1943


土筆たんぽぽや春はゆたけき物腰の土に坐りて鼓うつか狸 : 北原白秋 『橡』, 1935-1937, 1943


葉の出でず狸の毛ほど赤ばめる木のつづきたる山にこしかな : 与謝野晶子 『心の遠景』, 0000, 1928