検索ワード: 布団 蒲団 ふとん
ヒットした短歌: 105件
命あれば海のなかなる島の家ふとん暖かに寢らくものか
島木赤彦 『切火』, 1914, 1915
をさな児はたたみし布団越えむとすいくたびにてもころがりながら
斎藤茂吉 『つきかげ』, 1948, 1954
冬の日は短けれども椿の下白き布團のふくらめるかも
島木赤彦 『切火』, 1914, 1915
寂しくて布團ゆ上ゆ仰ぎ見る短日の陽は傾きにけり
島木赤彦 『氷魚』, 1916, 1920
いまだ夏布団の綿は日に干して雲よりも白く光りたりけり
北原白秋 『白南風』, 1926-1933, 1934
うす暗き室のかたへにつまれたる蒲団さびしも日曜の朝
前田夕暮 『歌稿』, 1909, [1909]
山のやどの堅き布団に身をすぼめ朝の空を気にしつつ居り
斎藤茂吉 『たかはら』, 1930, 1950
勤めして宿直かなしもおのもおのもこれの布團をかうむりて寢る
古泉千樫 『靑牛集』, 1920, 1933
しづかなる昼の廓の裏の川あかき蒲団のうつりたる川
与謝野鉄幹 『相聞』, 0000, 1910
相つぎて肺やむひとの出でにけりこれの布團をかづき寢しもの
古泉千樫 『靑牛集』, 1920, 1933
東京の十萬の人ひく感冒ぞ蒲團あたたかく肩つつみ寢む
窪田空穂 『冬日ざし』, 1938, 1941
白雲の蒲團の中につつまれてならんで寐たり女體男體
正岡子規 『竹乃里歌拾遺』, 1889, [1889]
わが寝たる蒲団たちまち石となり無限に広し動くあたはず
石川啄木 『明治四十一年歌稿ノート暇ナ時』, 1908, [1908]
急に涙が流れ落ちたり母上に裾からそっと蒲団をたたかれ
北原白秋 『花樫(雀の卵より)』, 0000, 1928
買ひきたりこよひかく着てぬる布團うりはなつ日はまたいつならむ
若山牧水 『路上』, 1910-1911, 1911
蒲團よりあらはれて見ゆる稻森の浴衣著し肩の寒からずやも
窪田空穂 『靑朽葉』, 1929, 1929
うつし身をいたはり馴れて山寺のかたき蒲團の寂しかりけり
古泉千樫 『靑牛集』, 1926, 1933
稻刈りてあらはになりし土の色蒲團かぶれば思ほゆるかも
島木赤彦 『短歌拾遺』, 1913, [1913]
わが妻がかけし蒲團の裾赤きあたりを輕くふみてみるかな
前田夕暮 『陰影』, 1912, 1912
運命の来て乗れるかと/うたがひぬ――/蒲団の重き夜半の寝覚めに。
石川啄木 『悲しき玩具』, 1909-1911, 1912
隆吉の足に蒲団をのせたまふか勿体なしとははそはの母
北原白秋 『大正5年9月1日「文章世界」11巻9号』, 1916, [1916]
二人ぬる狭き蒲団に一人ねて今宵ぞ彼のわれをまつらむ
前田夕暮 『歌稿』, 1911, [1911]
子がかけし蒲団のうへにはたはたの一疋青し夜があけてゐる
前田夕暮 『虹』, 1923, 1928
秋はあさい――蒲団から少しはみだしたわが子の、しろじろとした足のうら
前田夕暮 『靑樫は歌ふ』, 1936, 1940
ゴツゴツの蒲団かけて貰ひ、おやすみなさいといはれ、素直にねてしまふ
前田夕暮 『烈風』, 1938, 1943
菊の香のこもりてぬくき冬日向蒲団の綿はゆたにうちつつ
北原白秋 『白南風』, 1926-1933, 1934
真夜中にふと目がさめて、/わけもなく泣きたくなりて、/蒲団をかぶれる。
石川啄木 『悲しき玩具』, 1909-1911, 1912
蒲団かぶり涙ながるるくらやみに蝶々がいっぴき翅たたきてゐる
北原白秋 『大正5年9月1日「文章世界」11巻9号』, 1916, [1916]
かなしみの来て乘れるかと/うたがひぬ――/蒲団の重き夜半の寝覚めに。
石川啄木 『精神修養 明治四十四年四月号(第二巻第四号)』, 1911, [1911]
くれなゐの蒲團かさねし山駕籠に母と相乘る朝ざくらかな
与謝野晶子 『戀衣』, 0000, 1904
羽蒲団ふくらに髪もうもれゐぬ鵠の巣ともわかうどは見よ
北原白秋 『明治40年11月1日「明星」未歳11号』, 1907, [1907]
あかりの下で、赤い蒲団に坐つて、近江の人の円い顔をみてゐた
前田夕暮 『烈風』, 1940, 1943
日ぐれ迄はまだわが知れり言ひつけて藥の蒲團を作らしめたる
中村憲吉 『しがらみ』, 1918, 1924
雪の夜に蒲団も無くて我が寝るを荒き板戸ゆ師の見ましけむ
与謝野鉄幹 『相聞』, 0000, 1910
ねんねんよねんねがお守は何処へ行た子供のやうに蒲団をたたかれ
北原白秋 『大正5年5月1日「潮音」2巻5号』, 1916, [1916]
すつぽりと蒲団をかぶり、/足をちぢめ、/舌を出してみぬ、誰にともなしに。
石川啄木 『悲しき玩具』, 1909-1911, 1912
男女のことを題材にしているのは、与謝野鉄幹と正岡子規くらいだろうか。孤独や家族の歌が多い。今年は寒くなりそうで、家人が羽毛布団を買ってくると言っていた。