東京都現代美術館。
MTOアニュアル2024「こうふくのしま」開催中。
会期は2024年12月14日~2025年3月30日。
「MOTアニュアル」は、1990年に始まり、若手作家の作品を中心に現代美術の一側面をとらえ、問いかけや議論のはじまりを引き出すグループ展のシリーズ。
20回目の今回は「こうふくのしま」。
足元に広がる汲みつくせない世界を個々の視点から見つめ、形を与えようとする4名の作家の試みを紹介する。
「しま」は4名の作家が拠点を置く「日本列島」の地理的条件に対する再定義を含むという。
「しま」を、海に浮かぶ閉じられた地形ではなく、海底では他の大陸や島とつながっている開かれた地形としてとらえ、目に見える世界とその背後にある見えざるつながりを意識させるという。
川田知志。
川田知志(1987~)は大阪府生まれ。京都府在住。京都府立芸術大学大学院芸術研究科絵画専攻油画修了。
川田は大学でフレスコ画を学び、銭湯や市役所など様々な公共空間で制作・発表。
伝統的なフレスコ技法を軸とする壁画の制作・解体・移設を通じて、日本社会の基盤を支える構造や仕組みとその変化を探求する。
今回も、完成した作品を展示しているのではなく、展示室での制作が続く。
作品の撮影は可能だけど、川田が写る撮影は禁止。
フレスコ画は水に溶いただけの顔料を漆喰に閉じ込める。
漆喰は周囲の環境から影響を受ける不安定な画材。
そしてフレスコ画は修正や書き直しができない。
漆喰と向き合うフレスコ画家たちはどこか修道の道を歩む人たちと似ているように私は思う。
川田の作品の行方をみてみたい。
また来月。