住宅地の上に頭がズンと出ている。ずいぶんとデカいイチョウだと思いながら車を運転していた。
ながの百景一覧を眺めていたら、もしかしてあの大木が「吉田の大イチョウ」なのか。
ストリートビューで見てみたらなんか横に駐車場らしき空き地があったから、行ってみたことがあった。
とにもかくにもドでかい大木。
そしたらその空き地は大イチョウの駐車場というわけではなく、入れないようになっていた。狭い道だからUターンというわけにもいかずに直進したら、中部電力さんの配線?配電?の訓練施設で訓練の真っ最中。更には私有地につき立入禁止の看板もある。内心冷や冷やと通り抜けた。
あの大木が黄葉したらさぞかし見事だなと色付くの楽しみにしていた。
今年の長野盆地の紅葉はたいそうに綺麗だ。
でも紅葉の盛りは短くてあっという間に散り始める。
長野の家の近所の紅葉もほろほろと地に積もる。
あの大イチョウもそろそろかな?
買い物もあったし、しなの鉄道・北長野駅と長野電鉄・信濃吉田駅のはざまにあるながの東急ライフさんの駐車場に車を入れる。いくら買えばサービスになるのかと思ったら、100円でも2時間無料と言われて、おお太っ腹。
しかし・・・
相変らずに青々と吉田の大イチョウ。
でも車置いちゃったし買い物も済ませたし寄って帰ろう。
長野電鉄の踏切を渡る。
この大イチョウの樹齢は約900年とされるが、県の天然記念物に指定されたのが昭和10年で市の天然記念物に指定されたのが昭和42年と書かれている。
もし県の指定時点での推定樹齢とすればミレニアムじゃないか。
イチョウがそびえるあたりは「荘の宮耕地」で皇足穂吉田大御神宮があったとされるという。
荘の宮の荘って荘園のことか?宮ということは荘園の主の館があったということなのか?な?
荘園制は十世紀頃のシステムだったはずだから、お!大イチョウの樹齢が千年余とすれば計算合う。
その後、正保年間(1644年頃)に皇足穂吉田大御神宮は移転し、大イチョウのある場所は明治になって皇足穂吉田大御神宮の社地となったようだ。
社地になる前は誰が保護していたんだろ?
弘法大師の伝説を持ち乳イチョウ信仰がある(実は♂なれど乳頭根を持つ)このイチョウは周囲の人々にとってとりわけ大事なイチョウだったに違いない。
周囲のイチョウは色付き木によっては散り始めてる。
吉田の大イチョウは泰然自若と青々と。
弘法伝説や乳イチョウ信仰もさることながら、もしかしたら、最後に黄葉して冬の到来を告げ暮らしの目安になる役目もあったのかもしれない。
引き続き黄葉を楽しみに待とう。