毎週金曜日土曜日は21時まで開館している東京国立博物館。
トーハクばかりではない。ナイトミュージアムな上野恩賜公園。
平成館へ。
特別展「桃山-天下人の100年-」。
会期は10月6日~11月29日。前期は10月6日~11月1日。後期は11月3日~11月29日。前期後期で一部入れ替えあり。
特別企画展会場内の撮影は全て禁止。
このご時勢だから事前予約制の滞在90分以内だけど、90分ではとてもじゃないけど時間が足りない231もの綺羅星のごとくの桃山の至宝。
来館者それぞれにみておきたい作品がある。
私の目当ては永徳と等伯。
精力的に野心的にぐいぐいと狩野派を率いた狩野永徳は自身の画もまた華やかに荒ぶる。「唐獅子図屏風」は圧巻だ。
狩野永徳より数年ほど早く能登に生を受けた長谷川等伯。やはり画業の家ではあったけど、狩野正信のひ孫のある意味中央画壇のエリート中のエリートである狩野永徳とはスタートラインが違った。
中央の華やかで大きな仕事は狩野派で占められて、等伯率いる長谷川派は入り込む余地はほとんどなかった。が、50を過ぎてチャンスがきた。が、その仕事も永徳にとられた。ところがその永徳が47で急逝し突然大黒柱を失った狩野派が混乱に陥るなかで、再び転がり込んできたチャンスを等伯はものにした。
「楓図壁貼付」。「楓図壁貼付」は等伯の凄まじいまでの気迫と野心を感じる華やかな作品だ。
ところが、やがて等伯がたどり着いた境地は国宝にも指定されてる「松林図屏風」。「松林図屏風」はモノクロームの静寂な作品。あまりの画風の違いに「松林図屏風」は等伯ではないとの説まであった。
妖しいまでに謎めいてよけいに私は惹きつけられる。
90分ぎりぎりまで滞在して立冬にしてはなんか暖かい夜風を浴びるのだった。