疫病下にあると過去の疫病下を知りたくなる。
今より衛生状態も医療体制も劣っていた時代にいったいどんな風に生き延びてきたんだ?
疫病下になってから注目された本はカミュのペストとボッカチオのデカメロンという。
ダンテの「神曲」ボッカチオの「人曲」。
なんて言葉は知っていても、実は私は神曲を斜め読みしたことあるだけでデカメロンは読んだことがなかったのだ。
昨日、大倉精神文化研究所附属図書館へいったついでにデカメロンを借りてこようと思った。
デカメロンありますか?
まるで八百屋さんで買い物する感じになってしまうのはこの本のタイトルのせいだ。Decameron。
神曲と人曲が一冊になっている。
でもなぁ・・・
空気通った形跡ないじゃん。
この図書館に来てから14年ほどたつようだけど一度も貸し出されてない。
ま、私だって貸し出し期限内に読めるはずもない。
ぽちらぽちらとデカメロンを読み始めた。
あれ?この物語読んだことあるな。
何かのアンソロジーだったのかな?
貞淑で美貌の人妻に惚れ込んだ男。
気をひこうと働きもせずにせっせと浪費していたらとうとう財産がなくなって、愛禽のタカと田舎の別荘で貧乏暮らし。
一方の人妻の方は、夫が病死して成人してない息子とともに残された。
避暑の季節が来て人妻と息子も別荘へ。
その別荘はたまたま男の別荘のそばで、男と息子はすっかりと仲良く遊ぶようになった。
その息子も病に倒れ、必死に看病する母に男のタカをねだった。
人妻は男のもとを訪れたところ、男はたいそうに喜んで歓迎の食事を供そうとしたが、使用人どころか満足な食材もない状態。仕方なく男はタカを供した。
結局タカも男の子も死んだ。
残された女には美貌の上に多額の遺産があった。
周囲は女との結婚を望む者が押し寄せた。
女の選択は男と結婚することだった。
そうして男は人が変わったようにきちんと財産を管理するようになり、めでたしめでたし。
読んだ時は、なんじゃらほい?と思ったし、やっぱりなんじゃらほいなんだけど、なんだろ?面白いな。
ペスト下での物語となると、更に興味をひかれる。
そうして、訳者の力量によるのかもしれないけど、読みやすい。
デカメロン買ってみようかな。
今日は素敵に秋晴れだ。