南足柄市に残る高低几号標。
怒田にある福澤神社さまへ。
神奈川県内で公共の交通機関を使って移動する場合一番大変なのがJR御殿場線の松田駅から沼津方面近辺。JR御殿場線は色々と心ときめく線路なのであるが、なんせ1時間に2本程度。13時台に至ってはゼロという状況。
路線バスもしかり。
小田急・相模大野駅から小田原行きの急行。
東海大学もまだ休講のせいかほんとに人が少ない。
電車の中で検索。Google先生は路線バスに弱いから今までの経験で電車とバスの検索。
お!新松田からアサヒビール行きのに間に合いそう。富士急湘南バス松81系統。
新松田駅到着後2分しかなかったからダッシュでバスに飛び込む。
空いてる。アサヒビール神奈川工場は人気の観光スポット。いつもならビール飲んで帰る都合上大にぎわいなのに。コロナ。
酒匂川に架かる新大口橋を渡ってすぐの大口バス停下車。
バス停から徒歩1分ほどの酒匂川沿いに福澤神社さま。
一応正面へからと行ってみたら、なんだこれ?
福澤第壱發電所?
東電の持ち物なのか。
検索してみたら東京電力の神奈川県内に12ある水力発電所のひとつ。酒匂川水系酒匂川福沢第一発電所。型式は水路式。最大出力1.460kw。1931年3月に運転開始とある。
驚いたなぁもう。
高低几号標。福澤神社さまへ。
あれ?なんか嫌な予感。
やっぱり無い!
明治42年(1909年)に福澤村内11の神社が文命社に合祀されたのが福澤神社の始まりのようだ。
その後、老朽化と道路拡幅があり、2009年にここに社殿及び境内の文化財の移築を終えたらしい。
上西勝也先生がここを訪れたのは2007年。その時には移転を待つ状態でまとめられていたようだけど、結局高低几号標はその価値を認められずにどこかへ行ってしまったんだなぁ。。
それでも境内をうろうろ。
ま。
これは土俵かな?
もうつくしんぼが出ているんだな。
早咲きの桜が綺麗だ。
そういえば、文命社ってなんだろ?
説明板を読む。
いにしえより暴れ川だった酒匂川。江戸時代には特にこのあたりでしばしば大氾濫を起こし流路を変えていた。
文禄~慶長年間に大口堤と岩流瀬堤が築かれほぼ現在の流路になったという。
富士山の宝永の大噴火は多大な被害をもたらしたが、酒匂川では降灰で川床が浅くなり決壊が起きた。ここの大口堤と岩流瀬堤も二度にわたり決壊し甚大な被害となった。
八代将軍吉宗は大岡越前守に命じて、治水・利水のエキスパートでもあった川崎宿の名主・田中丘隅を派遣して復旧工事を行い享保11年(1726年)に完成したという。
ちなみに、私がお花見に行く川崎の二ヶ領用水も丘隅氏の設計施工。その後不具合が発生したのも同じ(^^;
丘隅は両堤の上に中国の治水の神・禹を祀った文命宮を建ててその後の安全を祈り、大口堤を文命東堤、岩流瀬堤を文命西堤と名付けたという。
未練たらしく石を見ながら歩く。
文命東堤(大口堤)へ。
桜の名所だったんだな。咲いたら見事だ。
公衆トイレも和式だけだけど清掃が行き届いた水洗。
満開の頃に来てみたいけど、この日もすでにバーベキューを楽しんだりお弁当を広げているグループが何組もいたから、特に休日なんかはたぶん足の踏み場もない混雑だろうなぁ。
ここは箱根ジオパークのひとつだったんだ。
気を取り直してもうひとつの高低几号標だ。文命西堤へ。