2月8日に東京オペラシティアートギャラリーへ泉太郎の展覧会をみにいった。
エキサイティングな個展だったのだけど、1作品だけ待ち時間がいつまで待てばいいのかわからない作品があった。
しばらく待ってみたけど動く気配がないから、上のフロアーへ。
収蔵品展075 寺田コレクションより「彫刻家の素描・版画」。
今回の寺田コレクションよりは、彫刻家の手掛けた素描や版画などの平面作品を紹介し、彫刻家にとっての平面作品の意味を問う。
三次元を二次元に置き換えるのが画家。二次元を三次元に置き換えるのが彫刻家。
彫刻家の二次元作品は画家とはまた違った魅力がある。
「project N 」は、寺田コレクションの中心作家である故難波田龍起の遺志を継ぎ若手作家の育成支援を目的とした企画展。
89回目の今回は川人綾。
日本の伝統的染織を学んでから絵画制作に転じたという川人綾。
今は、5mm間隔の正方形グリッドをモジュールとする平面作品を制作しているという。
ロボットかいなと思うような正確さなのだけど、手仕事ゆえのかすかなズレとかがある。
その「制御とズレ」のはざまから何かをつかもうと試みる。
寺田コレクションは、寺田小太郎(1927年~2018年)のコレクション。
寺田小太郎氏は、東京オペラシティの地権者のひとり。
寺田小太郎氏は、新国立劇場建設に伴って行政が構想した文化施設併設プランに賛同して、プロジェクトに参画したという。
私有地の売却益に更に私財を投じて本格的に作品収集を始め、プロジェクト委員会に唯一個人参加して、東京オペラシティアートギャラリーの開館に寄与した。
私だったら売却益でありとあらゆる贅沢三昧して身体が弱ってきたら最高級老人ホームで過ごすと思うのだけど。
時々こういう人っている。
どういうわけだか困難な方の道を選択する。
不思議だけど人って存外に捨てたもんじゃない。
って、思いながらいつも帰るのだった。