今日も蒸し暑い。
アラン・ドロン氏が亡くなったとのニュースがはいってきた。
私にとってアラン・ドロン氏といえばTVのCM。
氏を起用したレナウンのスーツのCM。
D'URBAN。
当時小学生だった私ですら今でも覚えているくらいのインパクトがあるCMだった。
アラン・ドロンが「D'URBAN」と言っただけで当時の日本国中のビジネスマンが虜になってしまったと知ったのは大人になってから。
だろうなって理屈抜きでストンと腑に落ちた。
現代を生きる男性のエレガンス。誰だってカッコよくいたい。誰だって素敵と言われたい。
そして誰でもその気になれば自分のスーツにそれなりのお金をかけられる時代でもあった。
あれから50年余。
国土を舞台にした戦争こそなかったけど不況や天変地異や気候変動や疫病。
価値観はずいぶんと変わり、法人としてのレナウンはとうとう消滅した。
今日の日暮れの西の空は雲が多くて夕焼けにならなかった。
薄い薄い雲の中から月が昇ってきた。
玄米茶とシークワーサーの皮を急須に入れて熱湯を注ぐ。
氷をたっぷりと入れたコップに注ぐ。
今宵も熱帯夜。
D'URBAN とつぶやいてしばし昭和にひたってみるのであった。