3年に1度、新潟県の十日町市(川西・松代・松之山・中里・十日町)と中魚沼郡津南町に展開する世界最大級のトリエンナーレ「大地の芸術祭 / 越後妻有アートトリエンナーレ」。
9回目の今回は、41の国と地域から275組が参加し311点の作品が展示されている。
会期は7月13日~11月10日。火水定休。
一昨日は津南エリアの秋山郷へ。
梅雨梅雨した雨が降りしきる中、清水河原とかたくりの宿に寄って「アケヤマ」へと向かう。
旧大赤沢小学校。
「アケヤマ-秋山郷立大赤沢小学校-」。
監修:深澤孝史 / 会場構成:一般社団法人コロガロウ / 佐藤研吾。
1924年(大正13年)、義務教育免除地の悲願の学校として生まれた大赤沢小学校が、2021年(令和3年)に廃校となった。
その歴史を引き継ぎ、生まれ変わった「アケヤマ」は、秋山の語源であり、山の共有地を意味する「明山」から命名。同地の調査を続ける深澤の監修のもと、「人間の生活の力を再び手に入れるための学校」として、住民、研究者、アーティストなど様々な人たち「共有地」の技術や信仰を学び実践する取り組みをおこなっていく。
という。
秋山郷という行政区分は無い。
長野県下水内郡栄村の小赤沢・屋敷・上の原・和山・切明と、新潟県中魚沼郡津南町の穴藤・逆巻・清水河原。見倉・結東・前倉・大赤沢各集落の総称。
歴史はよくわからない。
津南町や十日町からは火焔土器が出土するから縄文時代から人が住んでいたことは事実だろう。
平家の落人部落とか新田一族の落人部落ともいわれるが、定説ではない。
秋山郷マタギの歴史は19世紀後半あたりかららしい。秋田マタギの忠太郎という人が理由は定かではないけど秋山郷に来て猟師として
生計を立てるようになったのが始まりという。
縄文の人たちは文字を持たなかった。落人は追手に怯えてひっそりと暮らしたに違いない。マタギもまた秘事が多い職業であった。
かろうじて継承されてきたマタギ文化。
山本浩二。
「フロギストン」。
様々な木で作られた彫刻を炭化した木炭彫刻。
松尾高弘。
「記憶のプール」。
この小学校の記憶がプールの浮かんでは消え消えては浮かぶ。
二階へ。
井上唯。
「ヤマノクチ」。
内田聖良。
「カマガミサマたちのお茶会:信仰の家のお話し」。
数人に減った秋山郷マタギの山田正道の「生業と遊びの混然生活」が語られる。
秋山郷のかつての暮らしから生まれた知恵や技術をもう一度見つめ直してみようと思いながら会場をあとにしたのだった。