気の広場

気の世界あれこれ・・・
  日常雑感あれこれ・・・

父の広い目 ・・・ 3.役割

2011-03-04 09:40:22 | Weblog
小児科医を悩ませる母親たちのコッケイな質問は

  たいていの場合 この早のみ込みによるものです。


「おんぶか」

「だっこか」

「うつむいて寝かせるべきか いなか」

「日光浴は冬もすべきか どうか」

  ・・・ ともかく 大変な騒々しさです。



そんなとき

「どっちだっておなじだよ」

  ・・・ こうあっさりあびせかけるのが父です。

家事がつらければ
 
  そのどこかに自分を満たしてくれるものを発見してみろ

  ・・・ と目を開かせてくれるのが父です。


父は 一時の気休めやなぐさめでいうのではない。

鳥なき里のこうもりのように わずかなつまらぬことにさわぐ家人に

  ・・・ 「広い目」をもたせようとしているのです。




* 2010.11  東ブータンで





父の広い目 ・・・ 2.早トチリする母

2011-03-04 06:40:09 | Weblog
家庭をすてて飛び出してゆく母親のほとんどは

  ・・・ 「他人志向」で近視性の女性です。


「毎日家事なんかしていたのでは バカになってしまう。

  働きに出よう。パートタイムでもいいからつとめたい」

  ・・・ この心理もおなじです。


自分の能力・おかれている立場・家事育児のもつ人間的重さ

それらが目に入らないで

  ・・・ 「外」にばかり幸福の鳥がいると早トチリする。


あるいは

「放任主義」という本が出ると読み漁って ・・・ 子どもをほったらかす。

かと思うと

「厳しい家庭教育」なる本を買いこんで ・・・ 子どもをびしびし叱る。




* 2010.11  東ブータンで





父の広い目 ・・・ 1.気短かな母

2011-03-04 03:50:44 | Weblog
知恵のある人は「多聞」だけでなく 広い視野をもった人です。

仏教に「多聞天」とともに 「広目天」という守護神があります。

父には この広い目が必要です。



人間は自分のニーズ(必要性)に従って他人を評価する。

せっかちに要・不要で事を捌(さば)く。

人間のある断面からのみ能力や人柄をきめつける。


それも必要です。



母には意外と気短なところがあります。

「あの子はだめね」 即断を下す。


父親からみると それが近視眼で軽率に映る。


「どうしてうちの子だけ こんなにできないのでしょうか」

  ・・・ 母親は思いつめてしまう。

「ああ こんないやな環境で生活しているはいやだ。

  引越ししましょうよ」 ・・・ 性急に結論を出したがる。


どこか他に移れば もっと幸せがあるだろう。

うちの子よりも頭のいい子がいるに違いない。

  ・・・ そうした「他人志向」におちいる。




* 2010.11  東ブータンで





父の長い目 ・・・ 9.バトンタッチ

2011-03-04 03:50:15 | Weblog
父は 長い人生を生きながら

「新しきを得て故(ふる)きを捐(す)つれば 後必ず寒し」

  ・・・ のことわりを知る人です。


温故知新は懐古趣味ではありません。

ジーパンをはいてキセルをさして歩くのが懐古趣味です。



父の長い目は 先人の知恵を子に伝える最大の力です。


「冠婚葬祭」の入門書を読まねば 日本の作法が分からないような父では

  ・・・ 伝統のよさは子孫に残せません。


どんな小さなことでもよい。

父の生きた歴史に息づく伝統をバトンタッチするのが 長い目の役割です。




* 2010.11  東ブータンで





  

父の長い目 ・・・ 8.挫折の姿

2011-03-04 03:49:36 | Weblog
思慮深い父は けっして自分の成功話を語りません。

むしろ 挫折の歴史を語るものです。


誇張した父の自慢話や美話ぐらい

  子どもにとって うそ寒く しらじらしい無意味なものはありません。

子どもは 父の理想よりも

  理想実現のための挫折の姿によって評価するものですから。



長い目の父は

  過去を問い 現在をみつめ 未来を設計する歴史感覚で

  ・・・ 子どもを育てられる人なのです。


伝統のすばらしさ 故知の深さも

  こうした父の目があって ・・・ はじめて子に伝わります。




* 2010.11  東ブータンで