一条きらら 近況

【 近況&身辺雑記 】

『薬のギモン解決スペシャル!』 (L4YOU・テレビ東京)

2014年06月23日 | テレビ番組
 タイトルに惹かれて、録画して見た。連想癖のある私。薬のギモンという文字から、先日、とんでもない大失態を演じてしまったことを、思い出したのである。
 その日の午後3時ごろ、珍しく鈍い腹痛が起きて、
(どうしたのかしら。何か古い物食べちゃったかしら)
 と、昼食の時の食品を、あれこれ思い浮かべた。生鮮食品は賞味期限を守るが、発酵食品や乳製品は時々、賞味期限切れでも飲食してしまう。ヨーグルトやプリンやコーヒーゼリーなど、セールの時にまとめ買いすると、何個か賞味期限切れになってしまうが、数日前や1週間前や10日前の賞味期限でも、いつもは平気である。けれど、賞味期限切れは、やはり胃に良くないに違いない。自覚はなくても免疫が落ちていたためかもしれない。
(あのコーヒーゼリー、やっぱり古かったかしら)
 食べる前に賞味期限切れの数字をチラッと眼にしたので、思い当たったのは、それしかない。コーヒーゼリーは毎日食べるわけではないから、3個詰めパックを数個まとめ買いすると、たいてい何個か賞味期限切れになってしまう。
 今年、初めての腹痛である。私の腹痛は、シクシクシクという感じか、シク、シク、シクという感じで、以前は締切日によく、シクッシクッシクッという感じの痛みが起きた。そう言えば義姉は昔、私の母に家事のことで注意されると胃がキリキリ痛くなったと言っていた。私の胃は、キリキリではなく、シクシクである。一番強い、シクッシクッシクッという感じの痛みと、シクシクシクの時は、ソファに横になって右手でお腹をソフトに撫でていると、5分くらいでおさまる。先日の時は、一番弱い、シク、シク、シクの感じ。横になることもなく掌のマッサージも不要で、出かける用意をしているうちに、おさまった。
 人間誰でも身体のどこかに弱いところがあると何かで読んだが、私の場合は、お腹。ただし、胃腸ではなく、胃だけである。お腹が痛いと言うと、即座に、「トイレに行っといで」と言う友人がいるが、朝のトイレは理想的にスムーズな体質。私の腸は、きれい好きの私に素直な性格である。女性に多いという体質になったことはないし、その逆の頻繁トイレ体質になったこともない。
 けれど、胃は、反抗的になる時がある。それは、空腹感が強くなると、腹痛が起こること。朝食と昼食の間や、昼食と夕食の間が7時間以上になると、腹痛が起こる。規則正しい胃なんだねと友人から言われたり、胃酸過多が原因とドラッグストアの薬剤師さんから言われたことがある。
 ただし、健康診断や人間ドックの日、食事抜きで病院に出かけ、正午過ぎまで食べられなくても腹痛は起こらない。人間ドック2回と、特定健診や血液検査4回の合計6回、朝食抜きで出かけて検査し、昼食まで食べられなくても、空腹感による腹痛が起きたことは1度もない。慣れない健康診断が、心身共に緊張させてしまい、脳から痛みの指令を出す余裕がないからかもしれない。
 空腹感が強くならないよう食間が7時間以上空けない生活なので、腹痛は年に1回あるかないかという感じである。また、食べ過ぎによる胃もたれとか胸焼けというのも経験したことがない。
 それで、先日の時、空腹感はない時刻だし、原因は賞味期限切れのコーヒーゼリーかもと思い、こんな時は、救いの神様からの魔法の薬を持っている。その魔法の薬『大正漢方胃腸薬』が、私の体質に合っていて、バッチリ効くのである。
 食器棚の引き出しから、その『大正漢方胃腸薬』の微粒タイプを1袋、取り出して飲んだ。連想癖のある私。賞味期限切れのコーヒーゼリーのことが頭にあったため、
(この薬って漢方薬だから、賞味期限……じゃなく、使用期限は書いてないはず)
 そう思いながらも何となく、薬の小袋を見てみたら――。
「ええええええっ!!」
 と、思わず、声をあげた。小袋の下方にプリントされた使用期限の文字と数字を眼にして、もう息も止まりそうなほど驚愕し、愕然となり、呆然となった。プリントされた数字は、『2008.2』。何度見ても、2008年2月である。何と6年前の使用期限の薬だった。
(ど、どうしよう、副作用が出るとか、お腹痛くなったら、どうしよう! 漢方薬だから副作用は弱いかも……ううん使用期限切れは強く出るかも……いつもは平気な賞味期限切れのコーヒーゼリー、免疫落ちてて腹痛……ああ、どうしようどうしようどうしよう!!)
 飲んじゃった、後である。もう泣きべそかきたいような気持ちで、病院へ行くことになるかもとパニック状態に陥りスマホ撮影した。「これ飲みました」と医師に言う薬の名前だけでなく、裏側の使用期限の数字も撮った。医師から呆れられるに違いないが仕方ない。
 その薬の小袋は、32包箱の中から出して飲んだのではなく、20センチほどの長方形の海苔の空き缶に入れてあり、食器棚の引き出しを開けたらサッと取り出せるように、缶のフタはしていない。パニック状態で私は、飲んだ薬の袋だけプリント・ミスかもしれないと、缶の中から1つ1つ取り出して残りの薬の小袋の裏側を、「これも……これも……これも……」と呟きながら見てみた。すべて『2008.2』のプリント。その薬の小袋が18残っている。
 さらに、その海苔の缶の奥にある未開封の32包箱を出して見てみたら――。またしても驚愕し、愕然となり、呆然となった。何と、未開封の32包箱にプリントされているのは、使用期限『2010.11』。小さな長方形の海苔の缶の中の薬がなくなったら、未開封の32包箱から出して、そこに入れておくのが習慣だった。
 頻繁に飲むのではないから、使用期限切れになるのは無理もないこと。一体、何年間、使用期限切れの薬を飲んでいたのかと暗算して、その期間の長さに、またしても愕然となった。
(そう言えば、去年、飲んだ時、何だか効き目がなかったみたいな時があったわ)
 この薬は即効性があって、1袋飲めば、すぐ効くので、半日後にもう1袋飲むことは、ほとんどなかった。飲み会などで長時間お酒を飲んで、深夜に帰宅して就寝前に1袋、その翌朝、もう1袋飲むことはあったが、最近は二日酔いするほど飲まないので、2袋飲むことはない。去年のその時は、ついパソコンの前を離れられない作業中で食間が空き過ぎ、空腹感が強くなって痛みが起きた。いつものように即効性がないみたいと不思議がっているうちに効いたので、やはり1袋だけだった。
 けれど――。少し冷静になって考えてみたら、漢方薬は使用期限がないはずである。以前、ドラッグストアで、常備薬の風邪の漢方薬を買おうとした時、使用期限は書いてないけど、どのくらい保(も)つのかと薬剤師に聞いたことがある。その時、初老男性薬剤師さんは、即答ではなく、「う~ん」と小さく呟き数秒後に、「10年です」と断定的に答えたのである。そんなに保つものと驚いたが、だから化学薬品のように使用期限が書いてないのだと納得した。
 だから、漢方薬である『大正漢方胃腸薬』に使用期限があるなんて全く知らなかったのは無理もないこと。
 その日の鈍い腹痛は、薬を飲んだ後に使用期限『2008.2』と未開封の32包箱の使用期限『2010.11』を見て、心身共に驚愕し、愕然となり、呆然となったために、脳が痛みの指令をストップしてしまったのか、使用期限切れでも少しは効いたのか、いつもの即効と同じで、間もなく治った。
 この番組を見て、市販薬は、第1類、第2類、第3類医薬品と分けられていることや、病院で処方される医療用医薬品が、ドラッグストアで薬剤師のチェックを受けて買えるようになったことを知った。薬を買う時の参考意見だけでなく、今後はその責任が生じてくるから、ドラッグストアにいる薬剤師の仕事は大変だと思った。薬の使用期限については、きちんと守ること、というアドバイスだった。私が知りたかった漢方薬の使用期限のことには触れられなかったのが残念だった。
 もちろん使用期限切れの『大正漢方胃腸薬』はすべて捨てて、新しい32包箱を買って来た。その箱の隅に、『2018.6』とプリントされている。4年間しか保たない。以前、ドラッグストアの薬剤師が言った、10年保つのは風邪薬の漢方薬だけということになる。すべての漢方薬が10年保つわけではないということを初めて知った。それならそうと早く誰か教えてよと言いたい気持ちだったが、そそっかしい私の自業自得。結果的には特に被害があったわけではないけれど、アホと言われても仕方のない私。つくづく反省している。






〈今回初めて見た、常備薬の小袋の使用期限〉



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