月乃和熊(ツキノワグマ)のささやき

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零式艦上戦闘機(21) ガソリンの安定供給

2013-12-28 12:00:00 | 航空機・船舶(軍艦・機)
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零式艦上戦闘機(21) ガソリンの安定供給 

零式艦上戦闘機の試作機、12試艦上戦闘機(12試艦戦)は、迎撃戦闘機しての性能も要求されていた。

迎撃戦闘機は、敵機の襲来にたいして緊急出動し、高高度まで急速上昇できる性能を備えていなければならないが、急速上昇すると、急激な気圧の低下によってガソリンが気化してしまい、エンジンへのガソリンの供給が止まってしまう。

また、ガソリンの吸い出し口は、タンクの底についていれば、最後まで吸い出すことができそうなものだが、激しい空戦での宙返りや背面飛行では、ガソリンもタンク内を移動するので、吸い出し続けることができなくなる。

そこで、動力艤装(どうりょくぎそう)班は様々なアイディアを発揮した。

動力艤装班の班長は、堀越二郎技師より2歳年上で、7試艦戦、96艦戦の動力艤装を担当してきた、井上伝一郎技師だ。

井上技師は、まずガソリンの気化を防ぐため、ガソリンタンク内に加圧用のポンプを設置することを考えたが、普通の電動ポンプでは、ショートすると火花が引火して火災を発生させる危険がある。

そこで三菱電機に協力を取り付け、電気を利用しても加熱したりショートしない、安全な電動加圧ポンプを開発して、これを解決した。
さらに配管内の気化を防ぐために、配管をできるだけ曲げずに、ガソリンが素直に流れるように工夫した。

ガソリンの吸出し口は、田中正太郎技師が吸出し口のところにガソリン”溜り”ができる小部屋を設け、宙返りや背面飛行をしても小部屋に溜まったガソリンを供給し続けるよう工夫した。

さらに吸出し口を”浮(うき)”のついた、自由に動くパイプにしたことで、どんなに激しい空戦でも、エンジンにガソリンを安定供給できるようにしたのであります。

零式艦上戦闘機(22) 栄エンジン 2014-01-04 につづく~
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