高知 きたむら動物病院blog

四国高知にて2009年1月に開院いたしました動物病院のブログです。

電話が苦手です。

2016-01-17 18:59:23 | 獣医療
唐突ですが、私は仕事上、「電話」が苦手です。

昔はそうでもなかったんですが、開院してから、だんだんと、そして
極端に、電話でお話しすることが苦手になってしまいました。

何故自分が苦手意識を持つのか?

飼い主様より、診療のお問い合わせのお電話を頻繁に頂くのですが、
私が電話に出ることはほとんどありません。

基本的に私がスタッフに指示することは

「緊急性があるかどうか」
「ご来院される意思がお有りかどうか」
「ご来院されるならいつか」

という確認だけです。

もちろん、当院をかかりつけとされていて、継続して治療している
ワンちゃんネコさんの飼い主さんからのお問い合わせなどは、
必要に応じて、可能な範囲でお答えできるものはスタッフを介して
お答えしています。それでも、お答えできる範囲は限りがあります。


しかし、「まだ来られたことが無い飼い主さん」や、
「新たに症状が出ているワンちゃんネコさんに関して」
お電話でお答えすることはできません。

これまでの経験上、本当に「診察してみないとわらかない」
ことが多くあります。飼い主さんがこうだと思っていても、
診察するとわかること、たくさんあります。
百聞は一見に如かず。
問い合わせのお話だけで「お答えする」なんてことは一切できません。

さらには、別の病院さんで治療中のワンちゃんネコさんの
飼い主さん。それは、いまかかられている病院の先生に
お聞き下さい、としかお答えできないような電話。

開業以来、こういうことが積み重なり、いまではよっぽど
私が電話に出るという判断をしない限り一切出ることは
なくなりました。

これは、私に限らず、動物病院の仕事であれば、どこも共通する
ことだと思うのですが、仕事中、診察中は、常時いろいろな
「判断」と「取捨選択」をしています。

例えば、下痢の診察。

いつからか
経過はどうか
症状はどうか
いま現時点ではどうか
熱はあるか
聴診、触診など身体検査はどうか
何を食べてるか
最近特別な外出はしたか
感染症かどうか
検査は必要かどうか
検査が必要なら項目はどうするか

一過性で治まりそうかどうか
一過性じゃなかったら次どうするか
悪化したらどうするか
注射をするかどうか
注射に使う薬はどうするか
副作用が出る可能性があるかどうか
飲み薬は必要か
錠剤にするか粉にするかそれ以外にするか
食事はどうするか
だいたいの見通しはどうなるか

他にも細かく考えることはたくさんあります。

診察しながら。

次に待たれているのは何人か
感染症の動物がいる可能性があるかどうか
優先的に診察したほうが良い重症はいるかどうか
怖がりな猫がいるかどうか
体調の悪い飼い主さんはいないか
爪切りなどスタッフで先に対応できることはないか
うんちやおしっこなどの対応

他にも同時進行で考えることはいろいろあります。

いろいろ同時進行で仕事をしている中で、電話問い合わせ。

「こういう症状なんですけど、連れて行ったほうが良いですか?」

正直なところ、まだ診察に来られてない動物に関して、
お答えできるはずがないんです。

その時点で、実際に診察に来られている動物と飼い主さんに
対応することが唯一我々にできることなのですから。


ですので、「連れて行ったほうがいいかどうか」お電話頂く
くらいでしたら、直接お連れ頂くほうが時間的にも早いですし
それ以外のベターな選択肢はありません。

病院さんによって、スタンスや考え方の違いはあると思いますので、
私の考えが一般的かどうかはわかりませんが、少なくとも
私は、これまでのいろいろな出来事や経験の結果、現時点では
自分が回答可能と判断できること以外は、一切お電話では
お答えしないという結論になりました。

(※もちろん、診療時間などの問い合わせなどは別です)

すべて、実直に仕事をしていくための方針です。
ご理解のほど、よろしくお願いいたします。


高知 きたむら動物病院
高知県高知市北川添24-27
088-880-5123
受付時間 
月・火・木  9:00-11:45 15:00-18:45
金      9:00-11:45 17:00-18:45
土      9:00-11:45 14:00-17:45

休診日 水曜日 日曜日 祝日
一般診療・犬と猫のアレルギー・皮膚病外来・内分泌外来


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする