北の大地とYAMAHAセロー

札幌在住です。北海道や日常のことを、のんびりアップしています。

『海底軍艦』「午前十時の映画祭」

2025年01月25日 | 日記
 先週の『妖星ゴラス』に引き続き、「午前十時の映画祭」『海底軍艦』を観に行きました。今回は義弟が一緒です。 
 映画のポスターより
 
 「海底軍艦」のタイトルが伊福部昭氏のテーマと共にドーンと現れて、「おおー!」。よくぞこんな綺麗な映像にしてくださいました。
 かつて栄華を誇ったムウ大陸が海底に沈んだものの、ムウ帝国人は生きており、最新の科学力を基にして、地球を征服しようとする。
 彼らの科学力になすすべもない地上の人間たちの最後の頼みの綱は、敗戦に抗った旧日本海軍軍人たちの建造した万能戦艦「轟天号」。ここにムウ帝国人対轟天号の戦いが始まる…と、懐かしい語調で解説しました。
 小さい頃テレビ放映で見たことがありましたが、案の定話は9割以上覚えていませんでした(^_^;) 
 でも歳をとってから観直すと、考えさせられることが多かったです。
 ①1963年公開作品なので、まさしく高度経済成長真っ只中の熱気を感じます。お話は「ええっ?」というところが多々あります。ぜひ御覧になって確認して欲しいです。
 ②敗戦を受け入れず、南方の孤島で轟天号を造り、再びアメリカと戦って勝とうと考える旧日本海軍の兵士たち。終戦からまだ15〜16年で作られているので、兵隊役の動きがリアルです。その姿を見ていると、「戦争では、このような姿の多くの日本兵が死んでいったんだな」と、複雑な気持ちになりました。1960年代〜1970年代は、戦後の痛みがまだまだ残る時代だったのを思い出しました。
 ③終戦後の世界情勢を受け入れ、ムウ帝国と戦う轟天号は海底を進み、ドリルで地中を進み、空も飛ぶ大活躍です。
 地中を進む時には艦橋部や翼が完全に本体に収納され、あの『サンダーバード』のジェットモグラの形になるのにびっくりしました!いや、違う、『サンダーバード』の方が製作が後なんですよね(イギリスでの放送は1965年〜66年)。日本の特撮映画すごい!円谷英二すごい!
 ④ムウ帝国がゆるいです。古代エジプト?っぽく、南方への憧れや未知のもの・奇異な物を見たいという、当時の庶民の目線で作られていましたね。帝国では空中電車とか作っているのに、その服装は何?と思ってしまう。帝国の民が踊る場面は、当時流行していた「歴史もの(『十戒』『ベン・ハー』『クレオパトラ』など)」の影響でしょう。でもなんだかバラけていてゆるく、ほのぼのしてます。「死神博士」天本英世さんの出番が多かったです。
 ⑤和平の道を与えた轟天号の艦長ですが、ムウ帝国の女王は拒否します。そして最後の戦い。ラストシーンに昔の映画ですから突然「終」の文字がバーン!と出てくるんですよね。年寄りの私は何とも言えない気分になったのですが、当時劇場で観た人たちはどう思ったのでしょうか?
 話の内容は違うけれど、このようなラストシーンから、『ウルトラセブン』の「ノンマルトの使者」のような話が誕生していったのかも…と思いました。