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平成27年4月1日からの山北町循環バス路線変更と直前まで行われない告知

神奈川県山北町で発行している広報誌「広報やまきた」2015年3月号によれば、山北町循環バスの向原地区内、向原~下本村間で運行経路の変更を行い、新たに、村雨・山北高校前の2停留所が新設されることが発表されました。

山北町公式サイト内>PDF版広報やまきた(2015年分)
https://www.town.yamakita.kanagawa.jp/contents_detail.php?co=cat&frmId=2315&frmCd=2-4-1-0-0



広報やまきた3月号から。PDFをプリントスクリーンで画像化したもの
ちなみにここに写っている内容でも細かい誤りがあります。やれやれ

今回のダイヤ変更に際して、向原~下本村間で遠回りする形になるので所要時間が増加しているため、他の停留所でも数分程度時刻が変更になってる他に、一部の便で山北駅の発車時刻が5分程度変更になっています。

今回の経路変更は今までバスの運行が無かった山北高校周辺の住宅地内にバス停が新設されることで、特に周辺住民や山北高校への通学生(バスのダイヤが学校のスケジュールに合っているかは不明)の利便性の向上が期待出来ます。
ちなみに新経路は狭い生活道路も経由するので趣味的にもより面白くなりそうです。

一方で山北町循環バスのそもそもの問題として、
山北町民が山北駅周辺に行く際の目的地として大きい、山北町役場や中央公民館、健康福祉センターのある公共施設エリアには乗り入れていないこと。
現行でも山北駅や岸入口バス停から徒歩5分程度で行けるとはいえ「高齢者などにはこの5分が大変」ではないでしょうか?
また足柄上地区では交通の結節点となっていて県立病院もある小田急線新松田駅に直通していない点。特に山北町循環バスの経由地のうち、岸・湯坂・日向・平山地区では他に新松田駅に行くバスの運行もなく、山北駅などで乗換えが必要。
といった点など課題も感じます。

ちなみに山北町循環バスは2005年の運行開始当初は山北駅での御殿場線乗換を考慮したダイヤとなっていましたが、その後の御殿場線の時刻改正でも循環バスのダイヤは改定されないこともあり、現在では「一応乗換は考慮されている風だけど、接続がない便、乗換え時間が短く実際の利用には不安がある便もある」ような状態になっています。


路線変更に関しては一応の改善といえますが以下は問題点

実施4日前の3月28日に山北町循環バスの経由バス停を確認したところ、今回の変更に関する告知、改正後の新時刻表の掲出はありませんでした。
また3月29日未明の時点でも富士急湘南バス公式サイト、山北町公式サイトと同サイト内の山北町循環バスのページにも変更内容や改正後時刻表などの掲載は一切ありませんでした。


(3月28日午後16時頃に撮影した原耕地上バス停(小田原百貨店山北店前)両方向兼用)
ダイヤ・路線変更等に関して一切告知はありません


(3月29日午前1時頃に撮影した下本村バス停・両方向兼用)
バス停移設に関しての告知がありますが、ダイヤ・路線変更に関しては一切告知がありません。
移設に関しては告知の必要性はわかっているものの、ダイヤ・路線変更の告知の必要性を認識していないとも思われます。

これは道路運送法の下位法令である「旅客自動車運送事業運輸規則」6条で定めている「7日前までの告知義務」に違反する行為です。

法律では停留所での掲出に関して定めていて、Webサイト等での告知に関しては定めがありませんが、そもそもで言えば法律がどうであるか以前に、路線バスなど公共交通の利用に当って根幹を成す途中停留所や時刻の変更に関しては、出来るだけ前広に多くの人に目に触れるように告知するべきなのは、利用する側の目線で考えれば当然のことです。

前出の広報やまきた誌の3ページに「バスに乗ろう」という記事が掲載されていますが、この中で
「バス路線が減便や廃止されてしまうと、高齢者や学生など車を運転しない交通弱者の皆さんの重要な交通手段がなくなってしまいます」
との一文があります。裏を返せば「交通弱者でない人にとっては路線バスがさして役立たない存在である」と言うこともできます。
まさに山北町循環バスの運行計画策定・告知に関わっていると思われる立場の町職員の人など、実際に普段バスに乗らないので「なぜ前広に告知しなくてはいけないのか?」という事が分からないのではないのでしょうか?


ちなみに富士急湘南バスでは2005年の新松田駅から山北町方面への路線の大規模な路線廃止・ダイヤ変更の際もこの「7日前告知義務」に違反した法律違反の前科があり、当時この件に関して当ブログでも指摘しました。
また当時の富士急湘南バスの役員から私に対して面会を希望され釈明を受けたこともあります。

しかしながら新松田駅から山北町方面の一般のバス路線に関しても、近年になっても停留所掲出時刻表の誤りや、時刻変更が事前に告知されないなど非常に問題点が多い状態は変わらず。
停留所掲出時刻表の誤りに関して運転手に指摘したら「すみません」の一言や「詳細を確認して会社に報告」なども無く「分からないから会社に聞け」と返答されたこともあります。

少なくても山北町循環バスの運行事業者である富士急湘南バスに関してはここ10年全く体質が変わっていない。と感じます。
山北町広報誌では「バスの利用」を呼びかけていますが、「バスに乗りましょう」と言われても、そもそもの運行事業者がこのような状態では「肝心のバスがいつくるのか判然としない」「気が付いたら時刻が変更になっていて乗れなかった」となれば、乗るに乗れません。それこそバスを走らせる意味があるのか疑問符が付きます。


なお本件に関して3月29日未明に「山北町公式サイト内メールフォーム」から、

1週間前を切った現時点で
バス停留所への告知が行われていないのは法令違反ではないか?
公式サイトの山北町循環バスのページ等でも告知がないのは問題ではないか?
広報誌ではバス利用を呼びかけているが本心でバスに乗ってもらいたいと思っているのか?
本件に関しての改善と再発防止、関係職員・富士急湘南バスへの指導を徹底して欲しい

という趣旨の問い合わせを行いましたが、現時点(4月1日午前1時現在)では返信はありません。

なお山北町公式サイトの山北町循環バスのページでは、2015年3月30日付で「町内循環バス運行路線及び時刻表変更のお知らせ」として改正後路線図と時刻表の掲載が行われました(3月31日に確認)


(webページ画面をプリントスクリーンで画像化)

山北町公式サイト内「町内循環バス運行路線及び時刻表変更のお知らせ」
http://www.town.yamakita.kanagawa.jp/contents_detail.php?frmId=205

富士急湘南バス公式サイト
http://www.fujikyu.co.jp/syonan/
現時点(4月1日午前1時)では本件に関する情報掲載はありません。

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2015/4/1 1:39(JST)

コメント一覧

あぷりこってぃ
https://wwwtb.mlit.go.jp/kanto/koutuu_kankyou/supporter/index.html
事業者の緊張感欠如と自治体の公共バスに対する温度で一つでこうも杜撰な運営になってしまうのですね。
その点できよぴさんのようにきちんと指摘できる人材がいるのは貴重だと思うのですが。

ちなみに関東運輸局には交通サポーター制度という制度があり市民の意見を吸い上げる仕組みが一応あります。
実効性となると「?」のつく部分もありますが、一応私の投稿も一定程度意見が吸い上げられており、多少の進歩はあるようです。只今新年度のサポーター員を募集しているようです。きよぴさんのように気付きを指摘できる人はなかなかいませんので(不満を言いっぱなしで終わりの方が多いと思います)、参画されることについてご検討されては如何でしょうか。

地域公共交通の利便性向上は事業者や地方自治体の取り組み温度は勿論のこと、そこにいる住民の交通に対する姿勢も試されると考えます。
八草きよぴ(kiyop)
http://yaplog.jp/kiyop/
コメント記入ありがとうございます。

一口に言えば自治体(山北町)と事業者(富士急湘南バス)、双方がダメだとこうも酷くなるのかというのが実態でありまして。
富士急湘南に関しては補助金もらえるから乗客が乗らなくても金になるから、努力する必要はないと思っているのか?と邪推するような状態ですね。まぁ努力以前の問題ですが

国土交通省のサイトに公益通報窓口のようなものもあるようなので、投書しようと思います。
富士急湘南バスに関しては今回たまたまどころか累々なる前科があるので。
関東運輸局も指導などちゃんと仕事して欲しいものですね。

山北町は2005年に富士急湘南バスが廃止した系統の一部復活や、今回の路線変更、山北町広報誌によれば、今年度事業で東名高速バス停への駐車場設置など、以前(2005年頃に)に較べれば、公共交通への取り組みは多少はまともになってるのかな?と思う部分もあるのですが・・
例えていえば万年0点ののび太君が20点取ったぞ!という100点には程遠いけど、まずは20点は評価しましょうといいますかね
あぷりこってぃ
個人としてモビリティマネジメントの取り組みを進めている者です。いつもブログを拝読しています。
事細かな誤りを把握される姿勢に敬意を表します。きよぴさんご指摘の通り、利用者が蚊帳の外・置き去りにされているような感じで、苦々しいお話ですね。ちなみに当該法令に関する指導権限は国土交通省が握っていると思われますので、国土交通省関東運輸局の行政相談窓口に指摘するのも改善に向けた一歩だと思います。
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