児玉時計店 ブログ

時計・メガネ・宝飾・補聴器 取り扱っております。
古い時計の修理もご相談ください。

44 グランド ゼンマイ交換

2022-12-15 | 修理
修理のご依頼をいただきました、
こちら手巻きの44系グランドセイコー。

ゼンマイ切れの症状があり、オーバーホールを行います。

メタルバンドを取り外し、

裏ブタを開けて

機械を取り出します。

文字板を外し、

ムーブメントを分解していきます。

こちらがゼンマイの入った香箱。
香箱真にも石の軸受けが使われています。

蓋を開けて中をチェックします。

外側の引掛け部が切れていたようです。

香箱にゼンマイの力を伝える重要なところです。

香箱から取り出した切れたゼンマイ。

当店在庫に在った貴重な新品ゼンマイを

用意して組み込み、

元通りに蓋を閉めます。

その他、洗浄した各部品を組み立て、

テンプを取り付けてムーブメントを仕上げます。

文字板と

各針をセットし

ケースに機械を組み込みます。

裏ブタパッキンを新品に交換し

メダリオンもきれいな裏ブタを閉めます。

メタルバンドを取り付けて、

完成!!

ラウンドケース 56 グランド 25J     3/3

2022-12-14 | 修理
ラウンドケース グランドセイコーのつづき 3 。

組み上がった機械。

リューズパッキンが硬化して

役目を果たさなくなっていたので、

取り外します。

新品の専用パッキンを用意し、取り付けます。

かなり使い込まれたケース。

キズの多く入ったプラ風防は

エッジも削れて丸くなっています。

ベゼルを取り外します。

内側はごらんの通り、サビが発生。

ケース側も同様にサビていました。

風防を取り外し、サビを取り除きます。

ベゼル内側、

ケース側、

どちらもサビを取り除きます。

貴重な純正風防(右側)を用意します。

テンションリング付きの風防は

専用工具にてケースに取り付けます。

更にベゼルを

取り付けます。

エッジも立った風防できれいに仕上がったケースに

機械を組み込み、

パッキンを交換した裏ブタを閉めます。

GSマーク入りの純正リューズ。

雰囲気のあう皮ベルトを取り付けて、

完成!!

ラウンドケース 56 グランド 25J     2/3

2022-12-13 | 修理
ラウンドケース グランドセイコーのつづき 2 。

こちらはヒゲ棒間微調整付きの緩急針。

受けとのクリアランスが無く、
調整を行うための余裕がありません。
調整ネジも振り切っています。

受けからテンプを外し、

テンプからヒゲゼンマイを取り外します。

調整幅が確保できる位置にヒゲゼンマイを取り付け直し、
テンプを受けに戻します。

これで受けとの間に余裕が生まれ
調整を行うことが出来ます。

自動巻き部分を組み立てて、

カレンダー機構を取り付けます。

曲がりのあった秒針。

縦方向のみではなく

横方向にも曲がりがありました。

修正を行います。

縦も

横も真直ぐになりました。

分針は

ひねりも加わった、複雑な変形。

塗装を剥がし、

出来るだけ修正を行います。

修正後、元通りに表側のみ塗装し直します。

文字板と共にセットします。

各針のクリアランスも確保できました。


つづく。

ラウンドケース 56 グランド 25J     1/3

2022-12-12 | 修理
こちらもオーバーホールのご依頼をいただきました
グランドセイコー。

珍しいラウンドケースのモデルです。

裏ブタを開け、機械を取り出します。

秒・分針に曲がりがあるのが確認できます。

これ以上、変形させないよう注意して

各針を外し、

文字板、

曜板・日板を外します。

自動巻きのローターを外し、

下にある一番仲介車を取り外すと、

古い油が変質して緑色の粉状になっていました。

こちらは取り外した二番車。

以前にゼンマイを緩めずに分解されてしまったのか、
歯先が削れてしまっていました。

香箱は、

蓋を開け、古い油を洗浄するため

ゼンマイを取り出します。

巻き込み器にて巻き込んだゼンマイを

香箱に戻し、注油します。

針合わせ時にスリップする症状があり、
原因のツヅミ車は、歯先がかなり摩耗していました。

当店に在庫のあった純正新品部品(右側)と比較すると、

歯先外側のエッジが摩耗しているのが分かると思います。

針合わせが確実に出来るように交換します。

つづく。

セイコー 56 グランド 25J     3/3

2022-12-09 | 修理
56グランド 25Jのつづき 3 。

サビ取り、修正など行った各部品を

組み立ててムーブメントを仕上げていきます。

日板、曜板の上に

文字板を取り付けて

時・分・秒の各針をセットします。

サビの発生していた中枠。

板バネを外して、出来るだけサビを取り除き

元通りに取り付けます。

リューズにあるパッキンは

硬化していましたので

取り除き、

専用の新品パッキンを用意して

リューズに取り付けます。

ケースに機械を組み込んで、

中枠とリューズ・巻芯を取り付けます。

裏ブタにも新品のパッキンを取り付け、ケースを閉めます。

メダリオンがきれいに残っている裏ブタと

GSマークの入った純正リューズ。

皮バンドを取り付けて、

完成!!