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吉祥寺恋色デイズ 茶倉譲二の妄想小説。譲二ルート続編のお話を彼氏目線で眺めてみました。
ネタバレありです。
☆☆☆☆☆
茶倉譲二 続編第三話~その4
〈明里〉
電話で譲二の相談にのっている。
百花さんと喧嘩をしたらしいのだ。
明里「もう、一晩ゆっくり休んで、朝起きたら百花さんに『ごめんね』って謝ればいいんじゃない?」
譲二『それで許してくれるだろうか?』
明里「許してもらえそうにないの?」
譲二『…うん…。俺…百花ちゃんの「私を頼ってくれない」って言葉が気になるんだよね…』
明里「それは譲二が百花さんに頼るってこと?」
譲二『そう言う意味だと思う…。だけど、今まで俺、百花ちゃんに頼られる男になろうって頑張ってきたから、今さら百花ちゃんに「頼って欲しい」って言われてもどうすればいいのか…』
ふ~ん。そういうことか…。
女なら百花さんの言いたいことは何となく分るんだけどね。
譲二に説明するとなると…。
明里「譲二は百花さんがそばにいてくれることで頑張れるのよね?」
譲二『ああ、彼女がいるだけで何でも出来る気がするんだ』
明里「それって、譲二も百花さんに頼ってることになるんじゃないかな?」
譲二『え? どういうこと?』
明里「百花さんはちゃんと譲二に頼られて支えてるんだけど、彼女の支えるっていうイメージと実際がズレてるんだと思う」
譲二『…』
明里「百花さんは何か行動を起こすことだけが頼られることだと思ってるかもしれないけど、百花さんが譲二を信じてくれてることで、譲二は力を出せているんだから」
譲二『それはそうなんだけど……。それを百花ちゃんに上手く説明できる自信がない…』
私は苦笑した。
他人の事ならこういうことを説明したり、諭したりなんて、譲二のお手の物なのにね…。
明里「それで…、それを私に説明して欲しいって思ってるの?」
譲二『うん…』
私はため息をついた。
明里「仕方がないわねぇ…。譲二には今まで色々とお世話になってるし…。分かったわ。明日の夕方で良ければ時間が取れるから、百花さんと話をしてみるわ」
譲二『明里…ありがとう』
明里「そんなに期待はしないでね? それと譲二の実家の事情だけど、百花さんには話してあるの?」
譲二『それが…百花ちゃんに心配させたくなくて、ほとんど話してないんだ』
明里「そんなことするから、返って不安がらせるのよ。女の子はね、悩みごととか色々話してもらうことで、彼に信頼されてるって安心するものなのよ」
譲二『ごめん…』
明里「謝るなら私じゃなくて百花さんに謝らないと…。じゃあ、譲二の実家の事情も私から話して置くわね?」
譲二『そうしてもらえると、助かるよ』
譲二の声がやっと明るくなった。
全く…。自分のこととなると、どうしてこう不器用なんだか…。
電話を切った後、『明日の放課後に会いたい』というメールを百花さんに送った。
その5へつづく