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『年上の彼女』と同じ時期に書いたお話です。
ここでは、年下の子との恋愛というよりも、ちょっと手出しをするのは憚られる相手がいたとして、積極的な女の子のアプローチに譲二さんはどう対処するだろう? という興味で書き始めました。
吉恋のヒロインはそんなに積極的というわけではないですからね。女の子の方から抱きついてくるようだったら、どうするの? って。
この話はまだラストが確定してない…と言うか、途中で止まってます。
だけど、upするうちに続きの話も書けるようになるといいな…という希望的観測でupしていきます。
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譲二ルート以外のどれかのルートの譲二さん。
本編のヒロインは大学を卒業して就職、クロフネを出ている。
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初めてのデート~その6
〈汐里〉
マスターと恋人になった。
今までも恋人気分ではいたけれど、ちゃんと告白されて本当の恋人になったのだ。
…といっても、前とあまり変わらない。
昨日は何度もキスしてくれたけど、今朝はおはようのキスなんかしてくれなかったし…。
というより二人とも寝坊して…というのはマスターが寝坊したということなんだけど…それで慌てて朝の準備をしたからそれどころじゃなかったんだよね。
慌てふためいたマスターの姿を思い出して、私は笑った。
譲二『うわっ! こんな時間! 汐里ちゃん! 起きて! もう8時40分だよ! 店を開けないと…仕込みもまだなのに!』
汐里『マスター、シャツが裏表になってるよ!』
譲二『ホントだ! ちょっと着替えて来るから、汐里ちゃんは先に下に降りてて』
いつもは冷静なマスターの慌てた姿は何度思い出してもおかしい。
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チャイムが鳴った。
理人「汐里ちゃん、何笑ってるの?」
汐里「あ、りっちゃん。今日、二人とも寝坊してね…、店を開けるのが1時間も遅れちゃった。アハハ」
理人「それのどこが面白いの?」
汐里「だってね、寝坊して慌てふためいたマスターの姿がおかしくって…」
また私は吹き出す。りっちゃんはあきれたように私を眺めた。
理人「へぇ、だけどマスターが寝坊するなんて珍しいね」
汐里「昨日は結構ハードだったからね」
理人「え? ああ。そういや昨日は店を休んでデートだっけ? どこへ行ってたの?」
私はりっちゃんに昨日のことを話した。
理人「へぇ、楽しそうだな…。それで告白もされたの?」
私は観覧車でのことを思い出して少し赤くなった。
理人「されたんだ。マスターもやるときはやるんだね」
汐里「え? 何も言ってないのにりっちゃん分かるの?」
理人「だって汐里ちゃん真っ赤じゃない…。汐里ちゃんもなんだかんだ言って純情なんだね」
汐里「りっちゃん、からかわないでよ」
理人「で、なんて告白されたの?」
汐里「それは秘密」
理人「もしかして、汐里ちゃんのお父さんになりた~い、とか?」
私は吹き出した。
理人「え? 本当に?」
汐里「まさか! お父さんになりたいとは言われなかったよ。でも、今まで私がマスターのことをお父さんみたいに好きなんじゃないかと思ってたとは言われた」
理人「マスターは素直じゃないからね。そうやって自分を誤魔化してたんじゃない?」
りっちゃん、かなり鋭いかも…。
汐里「それはあるかもね」
理人「ねえねえ、それでどこまでいったの?」
汐里「熱いキスを…って言いたいとこだけど、唇に軽いキスだけ」
理人「それでも、相当な進歩じゃん。マスターにしては」
汐里「そうかな?」
理人「そうだよ。おでこにしかキスしてくれないって嘆いてたじゃん」
汐里「そうだよね…。ちょっとは進展してるんだよね…」
〈譲二〉
汐里ちゃんと恋人になった。
…といっても、何か変わったわけではない。
罪悪感無しに彼女を抱きしめられるようになったのと、額ではなく唇に軽いキスをするようになったことかな。
それ以上のことは…。
たとえばディープキスをしてしまうと…もう自分が止められなくなりそうで、今のところしない様に気をつけている。
俺が軽いキスしかしないのを汐里ちゃんは少し不満そうだ。
それでも、前のように「熱いキス、熱いキス」と騒がないのは俺に恋人と認められたからだろうか。
俺も汐里ちゃんを好きな気持ちを抑えなくてもよくなって、ホッとしている。
いままでは、彼女のお父さんの代わりと無理に思おうとしていたから…。
でも、汐里ちゃんとどこまでの関係になるべきか、俺は迷っている。
本当に俺の欲望のままに彼女を扱ってもいいのだろうか?
彼女への愛しさが増すに連れて、ますます彼女のことは大切にしたいと思う。出来るだけ傷つけないように、大切に、大切に…。
汐里ちゃんは人前では蓮っ葉なように振る舞っているけど…、本当は決してそんな子じゃない。
優しくて、いつも他人の気持ちばかりを考えている。
そして、とても傷つきやすい感情を持っている。
軽薄な上辺の下の本当の彼女をもっと知りたい。
『初めてのデート』おわり