東京昆虫記

東京の自然環境に棲む昆虫たちの生態写真
.My Real Insects Photo Style in Tokyo.

ヤゴって面白い 12

2025年02月05日 | ヤゴ
ヤンマ3種類の中齢幼虫を一緒に撮影してみた。大きさは15mm程。こうして一緒に並べて撮影すれば、それぞれの特徴と違いが分かりやすいし、閲覧された方も楽しめると思った。 3種類を撮影用の白いトレイに入れてワンフレームに収めるとなると、動き回るのでなかなか難しい。でも、1頭ずつ撮影して後から合成する方法だと、撮影している自分にライブ感もリアル感も無いから楽しくないんだ。

Nikon D300S+AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G
マルタンヤンマのヤゴは撮影中おとなしいけれど警戒心が強く、エサのアカムシを与えて暫く様子を見ていると、絶対に食べないので捕食シーンの観察が叶わない。貪欲なギンヤンマとは明らかに違う生態を持っている。ヤブヤンマのヤゴも警戒心が強く、3種類の中では逃げ隠れが非常に上手い。

撮影日:2月5日

冬雨の越冬トンボ

2025年02月04日 | トンボ
東京は土曜日の深夜から日曜日の午前中にかけて降雪予報が出ていたので、日曜日は雪景色のフィールドで越冬トンボの撮影が叶う事に期待していた。しかし、その期待も虚しく冷たい雨に...

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
結構いい降りっぷり...

ホソミオツネントンボ

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
以前から変わらずここ。雨の影響により雫が体に付着し、何時もよ垂れ下がる状態でいた。
雨粒が構図内に入り易い様に、何時もより離れたワーキングディスタンスで撮影してみたけれど、
雨粒が少し写ってくれたので何となく雨の日の雰囲気を出せたと思う。

ホソミイトトンボ

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
エノキの実生にいた2メスは残念ながら移動してしまったようでその他の個体は前回のまま。

ホソミイトトンボ

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
越冬トンボだから真冬の冷たい雨でも問題なし。ただ、ホソミイトトンボは南方種だから零下になる地方でも過ごせるのか気になるところ。東京の冬なら大した寒さじゃないから、なんのそのでしょう...

撮影日:2月2日

2月上旬のホソミオツネントンボ

2025年02月03日 | トンボ
前回の観察から1ヶ月が経過したので、変化を見にホソミオツネントンボの越冬地へ訪れた。
今回は越冬風景をぜひ観たいと、リクエストいただいていたSさんをご案内。
レクチャーを受けても初めてのフィールドで発見できる可能性はかなり低い。結果はいかに...
先ずは1ヶ月前に見つけた個体をチェックして行く。すると...

ホソミオツネントンボ

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED

ホソミオツネントンボ

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED

ホソミオツネントンボ

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
手前にオス

ホソミオツネントンボ

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
奥にメス。1ヶ月前に発見した個体は同じ場所で変化なしの様子。

ホソミオツネントンボ

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
新たに見つけたメス。私は枝ですと言っているようだった。

すると、Sさんの方からスマホの撮影音が聞こえ、いましたとの事!
え、マジで、オス?メス?を伺うとメスとの回答。凄い優秀だ。どれどれ...

ホソミオツネントンボ

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
お~ツル植物に擬態した素晴らしい姿。絶対に初めてでは見つけられないと思っていたけれどお見事!日頃からフィールドで生物観察を行う事が好きな人の眼は違う。と言う事もあるが、寒く広大でゴチャゴチャしたフィールドなのに楽しそうに探していて、越冬場所のイメージと集中力と言うその姿勢が発見に繋がったのだと思う。

ホソミオツネントンボを撮影するSさん

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
この日の成果は2オス10メスの発見に成功。毎回、何故かメスの割合が高い。
クワの木も点在しているので、クワエダシャクの越冬幼虫も探して見ると、みっけ!

クワエダシャクの越冬幼虫

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
え!コレ幼虫なの?と思ってしまうほどクワの小枝に擬態した姿が非常に素晴らしい。ただ、クワエダシャクの越冬幼虫はクワを片っ端から探せば見つかるけれど、ホソミオツネントンボの越冬は樹木や植物に決まりが無いないので難易度は高い。まだ捜索していないエリアがあるので、次回は10オスを目標に楽しんでみよう。初挑戦で見事に発見されたSさん、楽しんで頂けたようで何より。また行きましょう。2月に入ったからそろそろヤマアカガエルのシーズン...あ、そうだフッチーも。

撮影日:2月1日

土繭さがし

2025年01月30日 | 甲虫
この日曜日は越冬トンボ目線から冬のリュウキュウツヤハナムグリ目線に切り替えて、
沿岸部の埠頭にほど近い、古くからある林床をチェックしてみた。

アラカシ、マテバシイ、イヌシデの林。ここはリュウキュウツヤハナムグリの調査では初めての試み。

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED

適当な樹木の根元の落ち葉を退けて、幼虫が排出した糞だまりの有り無しをチェック。

イヌシデの根元


アラカシの根元

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
少し探せば直ぐに見つかるだろうと思っていたが、結果、そう甘くはなかった。樹木の種類に問わず、糞がある場所、無い場所ではっきりと別れていて、何を好んでいるのか当たりがつけられなかった。

今回、発見出来たのは土繭2個と越冬中のアズマヒキガエル。3月のガマ合戦が待ち遠しい。

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED+LEDライト
幼虫は出ずに土繭がたったの2個とは寂しい限り。因みに土繭は振ると中身の有無が分かる。
次回は沿岸部の内陸側を調査してみたい。

6年前のリュウキュウツヤハナムグリの記事
冬の林床に眠る宝石

撮影日:1月26日

ヤゴって面白い 11

2025年01月29日 | ヤゴ
久しぶりのヤゴネタ。
東京都に生息するトンボの成虫だけでは物足りないく、各種ヤゴの姿と生態を知りたいと思い、
コツコツ地道に採集し、一時的に飼育しているヤゴを紹介。今回は昆虫少年に大人気なギンヤンマ。

ギンヤンマのヤゴ集団

マイルームを飼育部屋としている為、成長を促さない様にこの冬は寒々な暖房厳禁生活中。
複数を一緒に飼育する場合は、同じサイズ毎に揃えると、比較的、共喰いのリスクを回避できる事がわかった。それでも脱皮の最中には狙われやすい。その脱皮の時も観たいと思っているが、いつの間にか行われていてまだ観察が叶わない。また、羽化はフィールドで観察する事に拘っている為、それ以外の中齢〜終齢幼虫の飼育方法を改めて別の機会に書く予定。ヤゴは観察、撮影後に採集場所へリリース。

ギンヤンマの三兄弟

同じギンヤンマのヤゴでも体色には個体差があり不思議で面白い。何故、体色が違うのかと言うと、棲んでいる水辺の色、水中に在る枯葉などの植物に合わせた擬態色を持つ事で、天敵からの捕食のリスクを回避していると考えられる。

ギンヤンマのヤゴのオスメス

ギンヤンマだけではなくヤンマ科のヤゴは腹面、尾部の中央、少し上にトゲ(成虫時に必要な産卵管)を持つのがメスで無しがオス。特に終齢幼虫だと分かりやすい。

ギンヤンマとクロスジギンヤンマのヤゴ

観察をする中、ギンヤンマの終齢幼虫だけでも個体の経過により特徴に微妙な違いが観られる事が解った。ギンヤンマとクロスジギンヤンマのヤゴを並べて撮影。意地悪かもしれないが外見の違いでは見分けられないので参考にしないように。これらも観察を続けて自分なりの分析を楽しみたい。

参考までに
以前に掲載したヤゴの飼育方法

画像は全てNikon D300S+AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G