東京昆虫記

東京の自然環境に棲む昆虫たちの生態写真
.My Real Insects Photo Style in Tokyo.

1月下旬のホソミイトトンボ

2025年01月28日 | トンボ
気温が低く尚且つ曇り空はホソミイトトンボを探すのに絶好のコンディション。
すると... 

ツル植物のカーテン

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
いかにも隠れていそうな怪しい雰囲気がある、この様なポイントは必ずチェックしているものの、
ここまでゴチャッゴチャッしているポイントは好まないのか?今のところ例を見ない。

ホソミイトトンボ 雌(越冬型未成熟)

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
以前から変わらずトウネズミモチの垂れ枝で越冬中。やはり日影で越冬中の個体は移動せずそのまま。
この個体以外は前回の場所から移動していたので、また一から捜索を楽しんだ。すると...

ホソミイトトンボ 雄(越冬型未成熟)

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
意外と普通に止まっている様子の個体もあり。

ホソミイトトンボ 雌(越冬型未成熟)

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
垂直系の枝にひょっこり。
以前にも記載したけれどホソミイトトンボのオスメスの見分け方は、
腹部先端上面の第9節と10節に黒色斑、有りがメスで無しがオス。
※PCから閲覧されている方は画像を2回クリックで拡大確認できます。

ホソミイトトンボ 雄(越冬型未成熟)

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
エノキの実生で。

ホソミイトトンボ 2雌(越冬型未成熟)

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
草地の地面から伸びる細いエノキの実生も越冬箇所としているので見逃せない。

ホソミイトトンボ 雄(越冬型未成熟)

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
つる植物、垂直の枝、かと思えば枯葉にぶら下がっているパターンも。今までの知見をまとめるとホソミイトトンボの越冬場所には体型と見合った太さの植物と言う以外に、決まりがなく感じる。
この日は4オス4メスの発見に成功。個人的にはコントラストが低い曇り空の方が発見しやすい。

ホソミオツネントンボ 雄(越冬型未成熟)

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
こちらは発見当時から変わらずなのが素晴らしい。今回は逆側から撮影。
そろそろ雨や積雪等、雰囲気が違う日に観察したいけれど、この先の天気はどうだろうか...

撮影日:1月25日

真冬の終齢幼虫

2025年01月27日 | チョウ
この土曜日は真冬らしい寒さと曇り空のフィールドコンディションの中、そろそろ沿岸部でもウスバ、シロオビ等のフユシャクを観察できるシーズンだと思い、林縁と歩道の境界に続く擬木柵をチェック。しかし、フユシャクどころか何もいなくてガッカリ...

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
そんな最中、ふと、道端に出ていたエノキの実生に目を向けると、この時期には似合わないグリーンの終齢幼虫が枝先にひょっこり!

アカボシゴマダラの終齢幼虫

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED+LEDライト
12月に経過観察をしていた終齢幼虫は全て見失ってしまったけれど、新たに発見できて何より。
ワイルド個体は終齢で冬を越せないとされているが、挑戦しているところが素晴らしいく生命力の強さを感じる。根元に降りず新芽が出るまでここに居る気なのか、周辺に植物が無い場所なので目立つ事から、野鳥の餌食になりそうな気もするけれど運次第で頑張れるのか?引き続き経過観察を楽しみたい。

撮影日:1月25日

驚愕の生命力

2025年01月23日 | その他
以前にも何度か記事にした通称キララッチは、マイルームに展示して経過観察をする中、
年を超えて今もなお健在。時々水分を与えているだけで8ヶ月も生き続けている生命力には驚愕。

タカサゴキララマダニ(擬死の姿)


死んじゃいないさ、息を吹きかけると動き出す。その習性が面白い。

良い機会だと思い冬の昆虫調査隊のイベントに参加された皆様に、身近な自然に棲む危険生物として、実際に生体をみていだきながら、虫捕りや自然観察に行く時の服装等の注意点を説明。
自分も撮影に没頭している最中に刺される可能性があるので充分に注意したい。

全てD300S+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED

撮影日:1月22日

ミヤマクワガタの幼虫飼育

2025年01月22日 | 甲虫
昨年の夏に多摩で採集したミヤマクワガタを飼育、産卵に成功。産卵セットには前記事掲載の完熟カブトマットを使用して5頭の幼虫が採れた。プリンカップに一頭づつ小分けして飼育し4ヶ月が経過。
飼育ボトルに移し替えの時期なので、そのついでに撮影。

ミヤマクワガタの幼虫

D300S+AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G
5頭の計測結果は成長にばらつきがあり3グラムから10グラム。写真の個体は7グラム。
飼育マットはミヤマクワガタの幼虫飼育に定評がある八王子のショップRTNのUマットを使用。
そう言えばミヤマクワガタの幼虫は鳴く!飼育ケースに大顎をこすりつけてカエルかバッタの音に似た一定のリズムで音を出すので、奇妙だけれど鳴いている様に聞こえて面白い。カブトムシの幼虫も同様に音を出していたことがある。リュウキュウツヤハナムグリの幼虫からは聞こえない...
そうした習性を知るのもまた楽しい。

ミヤマクワガタの幼虫

D300S+AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G
大顎が特徴的でクワガタらしいフェイス。ミヤマクワガタの幼虫は常温飼育だと暑い夏場に蛹化不全を経験しているので、今回からはワインセラーを導入し、ゆっくりじっくりの低温飼育で目指すは東京都産の超特大ミヤマクワガタだ!でも超最小も目指してみたい。

マイメモリ:小学生の頃、クワガタ、カブトムシは夏から秋限定でペットショップに販売されていた。
ミヤマクワガタの成虫は大型3000円、オオクワガタは60mm 2万円、カブトムシの成虫は1000円、これらは全てオスのみの価格。カブトムシの終齢幼虫は200円、そんな時代だった。当時の飼育マットは1種類のみ。クヌギマットと記載された、本当にクヌギなのか怪しい紅茶色の微粒子のマットだった。それに少し加水してカブトムシの幼虫を飼っていたが、殆ど成長せずに死んでしまい、ガッカリして泣いていた記憶がある。それを機にデパートの園芸コーナーに昆虫仲間と腐葉土を買いに行き、バケツに入れてスコップでかき混ぜ、細かくしてから幼虫飼育に使用していた事もあった。その頃から比べたら今は雲仙の差。幻だったヘラクレスオオカブトの生体まで手に入り、スイカじゃなくプロゼリー等の飼育用品やアクセサリーも充実して素晴らしい進化を遂げたと思う。クワカブに人生を賭けた人達が頑張ってくれたお陰だ。あの当時はまさかミヤマクワガタのブリードが叶うなんて夢にも思わなかった…

撮影日:1月21日

リュウキュウツヤハナムグリの幼虫飼育

2025年01月21日 | 甲虫
昨年の9月に撮影したおチビちゃんな幼虫

D300S+AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G
飼育環境で成虫の色彩変異を観ている最中。このおチビちゃん達が終齢幼虫にまで成長した。

リュウキュウツヤハナムグリの終齢幼虫

D300S+AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G
大きさは500円硬貨ほど。100頭ほど飼育しているが果たして何色が多く発生するのか楽しみ。
ここで飼育用のマットを紹介したい。コスパ重視で安価なカブトマットを使用したところ育ちが悪かった事から、様々なショップ、メーカーのマットを試した結果、今はコレ。

完熟カブトマット(ショップビートロン)

D300S+AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G
開封時のイヤな匂いも無く、ガス抜きも不用。お好みで加水するのみ。クヌギ主体のカブトマットだけれどリュウキュウツヤの産卵と幼虫飼育にも最適。また、試しにミヤマクワガタの産卵セットとして、ブレンドせずにそのまま使用したがバッチリ産卵してくれた。2年間使い続けているが、あの厄介なキノコバエが全く発生していないのも優秀。ショップの方に伺ったところ国内外問わずカブトムシの幼虫に最適との事。価格は10Lで千円強。なるべくお金をかけずに飼育したいという方が多いと思うが、飼育するのなら生きものにとってより良い環境作りを心がけ自分なりに楽しんで欲しい。

糞だらけのマット

D300S+AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G
マット交換の目安は期間にすると3〜4ヶ月。マットの表面に糞が目立ったら交換する。

リュウキュウツヤハナムグリの終齢幼虫

D300S+AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G
体は弾力があり意外と硬いく、撮影のため体についた土を取り除くにはシャワーを浴びながらハブラシでゴシゴシ!以前にも記載したがハナムグリの幼虫は、あおむけになり背中歩行なのが特徴で面白い。

先週、以前に幼虫や土繭を採集したポイントを回ってチェックしてみたが、ん〜皆無!

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
メタルグリーンの仮面はヤマトタマムシの頭部。東京湾岸初代の産地の林床では、幼虫の成長に必要な栄養素が不足してきているのか?年々、分布を更に拡大している様子にあり見つけづらくなっている気がする。また、以前にも記載したが、林床の至る所の落ち葉を退かすとフンが拡がり分解されずに残っている為、いずれ問題化されそうだ。ワイルド個体は冬場、幼虫と土繭内の成虫の両方見られるが、今のところ飼育個体の冬場は幼虫のままで4月下旬頃に土繭となる。何故ワイルドは冬場に土繭内で成虫になっている個体が出るのか?成虫の活動は夏期のみなので、幼虫の成長過程に何か違いがあるのは確か。その真相にはまだ時間が必要。今のところ飼育環境が室内の常温飼育のみなので、次期からは屋外飼育も試みたい。また幼虫でのオスメスの見分けも不明なのでそれも含めて検証を楽しんで行きたい。