ゆらぎつつゆく

添島揺之歌集。ツイッター感覚で毎日つぶやきます。色調主義とコラボ。

恋ひ恋ひて

2018-05-15 03:38:12 | 資料

恋ひ恋ひて逢へる時だに愛しき言尽くしてよ長くと思はば    大伴坂上郎女


万葉集からとったので、資料に入れた。

万葉人は恋に率直だ。技巧に凝るということをあまりしない。

それもよいことだが、現代人にはこのような恋はもうちょっと無理だろう。いろいろなことがわかりすぎている。

恋をして、会えるときくらい、やさしいことばをかけてください、これからも長く続けていきたいと思うならば。

せっかく恋しい男に会えたのに、思うようにいいことを言ってもらえなかったのだろう。これを詠まれた男がどんな顔をしたか、想像してみた。


わがいもの袖にこもりし菊の香にゑひてつかのま言を忘れぬ    揺之





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6 コメント

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Unknown (竹ぼうき)
2019-01-16 06:13:05
恋ひ恋ふるあふせにあらばうるはしき言はいらぬとそとつぶめかむ

「恋ひ恋ふる」を「またとなき」にしようかと悩みました。後者の方が臨場感があるかとも思うのですが、相手を追い詰めるような響きがあって「そと」にはそぐわず、また、脅迫しているような感じになりそうなのでやめました。現代人の乾いた情感には、「またとなき」の方が似合うのかもしれませんが、難しいです~。
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Unknown (いるか)
2019-01-16 07:25:11
ささやきのこころをとはずひとときの夢とあふせに泣く月夜かな

男の言い訳の心を強いてとわず、どうせひとときの夢なのだからと、あっている間にも泣いている月夜でございますよ。という感じにしてみました。最初からこうしようと思ったのではなく、なんとなくなりゆきで言葉を選んでいるうちにこうなりました。
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Unknown (竹ぼうき)
2019-01-16 07:57:23
ささやきもきこえぬほどの月夜なれいまをかぎりとひとときの夢

強気です。雅やかな情感に憧れてはいるのですが、どうも自分の性格が出てしまいます。歌をつくるときには、嘘はつけないものなのですね。
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Unknown (いるか)
2019-01-16 10:42:19
ふりしきる月の影にも耳ありとかひのたまにもささやきこめぬ

月にも耳があると困りますから、貝の中にも秘すようにささやいてください、というところです。あまり強気で来られるととまどいますね。
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Unknown (竹ぼうき)
2019-01-17 09:50:58
かひのたま手にをさめてはとまどひもかきけされゆく夕月夜かな  

最後だけ「かな」にしても、まだ語気が強すぎでしょうか。夕月夜ならばと思うのですが。
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Unknown (いるか)
2019-01-17 11:39:19
白浜のたれやひろはむかひだまにいはぬこころををさめて投げぬ

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