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ゆらぎつつゆく
添島揺之歌集。ツイッター感覚で毎日つぶやきます。色調主義とコラボ。
夕焼け
2018-06-30 03:24:19
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絵画
グランヴィル・レッドモンド(1871-1935)、アメリカ。
また夕暮れをとりあげてみた。
金色の空が、暗い樹影に区切られている。
空のひとかけらが、水の上に落ちている。
静かな時間だ。眠りに傾いていく世界はゆっくりと今日を閉じていく。
よい一日もよくない一日も、静かに浄化されていく。
ゆふぐれてけふ一日のかなしみをちさくまろめてくはむともする 揺之
樹下の二人
2018-06-29 03:24:31
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資料
あれが阿多多羅山、
あの光るのが阿武隈川。
かうやつて言葉すくなに坐つてゐると、
うつとりねむるやうな頭の中に、
ただ遠い世の松風ばかりが薄みどりに吹き渡ります。
この大きな冬のはじめの野山の中に、
あなたと二人静かに燃えて手を組んでゐるよろこびを、
下を見てゐるあの白い雲にかくすのは止しませう。
高村光太郎の詩から引用した。
男女の彼我の融合の快への憧憬が強く描かれている。
それは天上の幸福ではなく地上の幸福なのだ。
この世界に生きている者だけが味わえる、地上の幸福。
つないでいる手が強い。
詩はもっと長いが、この部分が快いのであげた。
たはぶれて吾妹の喉にふれみればながるるもののあつきにゑひぬ 揺之
にげかくれせぬおのれをぞいはとしてここに居る身のくるしかりけれ
2018-06-28 03:28:34
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歌
にげかくれせぬおのれをぞいはとしてここに居る身のくるしかりけれ 揺之
連山の
2018-06-27 03:25:04
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資料
連山の雪にほやかに空はれてすがるむれたりひかるこのはな 宮沢賢治
すがるは古語辞典によれば、ジガバチの古称、鹿の別称とあるが、おそらく前者だろう。
遠景と近景の交差する中で、花が光を放つというのが印象的に深い。
遠くの山は白い雪をまだかぶっている。しかし花に、おそらく小さなハチが群れている。
浅い春の喜びが、美しくにじみ出ている。
春あさきひかりしたひて花によるしろさあかるきてふてふの風 揺之
美しい蛙ばかりがすむみづに玉を投げつつあそびてゐたき
2018-06-26 03:19:55
|
歌
美しい蛙ばかりがすむみづに玉を投げつつあそびてゐたき 揺之
古新聞!
2018-06-25 03:28:26
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資料
今日は啄木である。
古新聞!
おやここにおれの歌の事を賞めて書いてあり、
二三行なれど。
報いの少なすぎた彼の人生のおいては、この程度のことが光だったのか。
本物はこういう仕打ちを受ける時代だった。今もそうだが。
何もかもが嘘に流れていく世の中で、本物の詩人が生きていくのは至難の業なのだ。
平気にてうそいつはりをいふ人の長きわらひを見つつ苦しむ 揺之
夕映え
2018-06-24 03:27:34
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絵画
チャールズ・ウォーレン・イートン(1857-1937)、アメリカ。
よく描かれるテーマだ。人は夕暮れに強く惹かれるのだろう。
夕映えを背にして影になった木々、その傍らにも小さな人影がある。
あのひとも、夕焼けを見ているのだろうか。
夕映えは人の心を、望郷に似たかすかな憂いの空に吸い込む。
これから帰らなければならない家とは別の故郷が、この空のどこかにありはしないかと。
ゆふばえの空にかなしき星を見てしばしこたえず母の呼ぶ声 揺之
けふくれてあしたをおもふ夜をくり目をとぢて見るおのれのうつは
2018-06-23 03:27:12
|
歌
けふくれてあしたをおもふ夜をくり目をとぢて見るおのれのうつは 揺之
狐のわざ
2018-06-22 03:20:18
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資料
今日は島崎藤村をあげてみる。
狐のわざ
庭にかくるる小狐の
人なきときに夜いでて
秋の葡萄の樹の影に
しのびてぬすむつゆのふさ
恋は狐にあらねども
君は葡萄にあらねども
人しれずこそ忍びいで
君をぬすめる吾心
ういういしい恋の思いが伝わってくる。
つゆのふさ、という五は艶をおびてみずみずしい。
若年の心におよびいでぬ妄想を呼びそうだ。
はつこひのあはくみだれし夢をとき君をとはむといでし朝かな 揺之
あかつきの夢はわづかに尾を残しけふのおのれのゆくみちをとふ
2018-06-21 03:26:07
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歌
あかつきの夢はわづかに尾を残しけふのおのれのゆくみちをとふ 揺之
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在野の無名歌人です。当ブログの管理人は幽霊です。ばかなことをしたら、たたりますよ。
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とほき海をながむる君の目をおひて鳥のごと飛ぶ心をぞ知る
苦しきはこひにやぶれてそののちもまだ捨てられぬ君への思ひ
苦しみを重くかかへてひとり野を歩く我が身の袖を吹く風
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白雪の降り積もる野を眺めてはけふゆく道をうれひもぞする
ひとりゆくはてなき道のまへに立ちかすかにわらふ君のけはしさ
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君がゆく道にちひさき花を植ゑ悲しみの日のなぐさめとせむ
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遠き日に去りし人をぞ思ひつつ胸にしみくる寂しさの色
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ぬばたまの夢のさなかに君うせて覚めてまくらのしめりに泣きぬ
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