幻の花野をゆきて君にあひ人の道をぞ語りあふ夢

幻の花野をゆきて君にあひ人の道をぞ語りあふ夢　　　　揺之

ゆきくれて見知らぬ道をまよひゆき星をたよりに我が道探す

ゆきくれて見知らぬ道をまよひゆき星をたよりに我が道探す　　　　揺之

老いゆきて昔のことを思ひ出し悔しさに泣く秋の夕暮れ

老いゆきて昔のことを思ひ出し悔しさに泣く秋の夕暮れ　　　　揺之

求めても得られぬものは多くあれどやまぬ君への苦しき思ひ

求めても得られぬものは多くあれどやまぬ君への苦しき思ひ　　　　揺之

秋の日のあはき光をあみゐつつうれひの去らぬむねをきよめむ

秋の日のあはき光をあみゐつつうれひの去らぬむねをきよめむ　　　　揺之

ひとりゐて窓辺で星を眺めつつ昔を思ふ秋のひととき

ひとりゐて窓辺で星を眺めつつ昔を思ふ秋のひととき　　　　揺之

秋の野の木陰にいこひ花にそふてふを見出す君の愛しさ

秋の野の木陰にいこひ花にそふてふを見出す君の愛しさ　　　　揺之

白雪の積もる岸辺にひとりきてけはしきこひの道をさぐりき

白雪の積もる岸辺にひとりきてけはしきこひの道をさぐりき　　　　揺之

うたがひの心まなこに染み出でて急ぎいひわけするわれの罪

うたがひの心まなこに染み出でて急ぎいひわけするわれの罪　　　　揺之

人の身をなきがごときといひすてて去り行く君に降る日の光

人の身をなきがごときといひすてて去り行く君に降る日の光　　　　揺之