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ゆらぎつつゆく
添島揺之歌集。ツイッター感覚で毎日つぶやきます。色調主義とコラボ。
天地に
2018-07-31 03:19:54
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添削
天地にわれ一人ゐて立つごときこの寂しさを君は微笑む 会津八一
前にもあげたことがあるが、本霊の作ではない。
複数の存在が共同でなし、それらしくしあげたものであろう。
ひとりたつことが寂しいと感じるのは、おのれのことしかわからないからだ。
天の下ひとり立つ身をわれのみとおもひつつ知るひとのさだめを 揺之
見かへりておのれのさがを見とむれば悔しかりける恋の道かな
2018-07-30 03:22:01
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歌
見かへりておのれのさがを見とむれば悔しかりける恋の道かな 揺之
ふかぶかと
2018-07-29 03:20:45
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資料
ふかぶかと眼ひらけばどん底に何か光りて渦巻くらしも 北原白秋
どん底とは何だろう。その時代に見た人間社会の暗黒か。
いつの時代も光の届かないあるいは届きにくい世界というのはあるものだ。
矛盾にひきさかれて取り残される人とはいるものだ。
そこを見つめている人の心か。
どん底に落ちてあがきてすえつるのはらのまなかににぶき光あり 揺之
聖母子
2018-07-28 03:26:50
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絵画
エリオット・デインジャーフィールド(1859-1932)、アメリカ。
聖母の頭部には固い光輪が描いてある。
幼子イエスは、世界をあらわす球体をおもちゃのように持っている。
抑えた色調が悲哀をさそう。
すみに描かれた金魚鉢は何の隠喩だろう。
食えと言われても食えぬほど美しいものだという意味だろうか。
たらちねの母のこころはちひさくもまめにいきよとねがひしものを 揺之
わが髭の
2018-07-27 03:24:53
|
資料
わが髭の
下向く癖がいきどほろし
このごろ憎き男に似たれば
今日は啄木である。
憎き男というのはおそらく父親であろう。
父と息子というものは確執が欠かせないものだ。
男同士の親子というものは常に痛い。
しかし遺伝子というものには逆らえないものがある。
それは父も子も、永遠の愛の中で育てられているふたつのものだというあかしなのかもしれない。
定型をはみ出す調子が、作者の感情を感じさせる。
ちちのみの父のゐませば家のすみに藁を打ちつつうたふ声聞く 揺之
這ひ松の
2018-07-26 03:17:44
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資料
這ひ松の青くつらなる山上のたひらにそらよいましらみゆく 宮沢賢治
「そらは」ではなく「そらよ」としたのはどうしてだろう。
空に何か偉大るものを感じたのか。
山の峰は平らになっているのだろう。そこが夜明けを迎え白んでくる。
大きな風景画浮かんでくる
そこに神を感じたのだろうか。
あけぬればそらもわれよと光ありしづかに山の色もみえきぬ 揺之
とほき日を長き憂き世にひたしつつ身のさいはひのありかをぞ見る
2018-07-25 03:17:21
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歌
とほき日を長き憂き世にひたしつつ身のさいはひのありかをぞ見る 揺之
夜明け
2018-07-24 03:23:10
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絵画
ラルフ・アルバート・ブレイクロック(1847-1919)、アメリカ。
夜明けというが、なにか悲しみが漂っている。
時代が暗い方向に傾いているからだろうか。
画家の生きていた時代は、人類の暗闇の時代だった。
ほとんどすべての人間が、エゴを実行するために生きていた。
そんな嵐のような時代では、夜明けを迎えることは、また今日もつらい日が始まるのだと、そういう悲しみに染まるのだろう。
あかつきはうれひに満ちて空は晴れけふ一日の重き荷を知る 揺之
隣室に
2018-07-23 03:22:05
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添削
隣室に書読む子らの声きけば心に沁みて生きたかりけり 島木赤彦
これは霊的盗作だ。
おそらく霊界にいる歌人からの盗みである。
よいように聞こえるが、自分のものとなっていない。
ふみを読む子の声きけばおのが血の生きつながるる明日をおもひぬ 揺之
野の中に
2018-07-22 03:20:46
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添削
野の中にすがたゆたけき一樹あり風も月日も枝に抱きて 斎藤史
平凡だ。「ゆたけし」という言葉はあるが、叙述的で情景が浮かびにくい。
感覚にもっと直截に触れる言葉が欲しい。
ひろき木の野中にひとり立ちゐてはゆく風にいふわれのありかを 揺之
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在野の無名歌人です。当ブログの管理人は幽霊です。ばかなことをしたら、たたりますよ。
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とほき海をながむる君の目をおひて鳥のごと飛ぶ心をぞ知る
苦しきはこひにやぶれてそののちもまだ捨てられぬ君への思ひ
苦しみを重くかかへてひとり野を歩く我が身の袖を吹く風
空低くかかる月をぞ目指しつつ荒れ野をひとりゆく我が身かな
白雪の降り積もる野を眺めてはけふゆく道をうれひもぞする
ひとりゆくはてなき道のまへに立ちかすかにわらふ君のけはしさ
届かざるゆふべの月に手をのべてこひしき人を思ふ秋かな
君がゆく道にちひさき花を植ゑ悲しみの日のなぐさめとせむ
春の野を流るるみづのそのごとくいづへにかゆくわが心かな
遠き日に去りし人をぞ思ひつつ胸にしみくる寂しさの色
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ぬばたまの夢のさなかに君うせて覚めてまくらのしめりに泣きぬ
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