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病室の前で、ふと患者の名札を見たら父の名前しかない。ドアを開けると、そこに居るのは、やはり父だけだった。
先週の日曜日には、父を入れて4人が居たはずだった部屋。火曜日に一人、そして昨日の昼と夜に一人ずつ逝ってしまったらしい。
この部屋に来て4人、1月に父が入院してから同室の人を見送ったのは6人になる。
今いる部屋は、重症患者がいる部屋だから、どの患者さんとも話をしたことは一度もない。
見舞い客と話をしているのは父くらい。それを考えると、父の生命力の強さを感じてしまう。
「殺せ~」と叫んでいた時もあったけど、MRSAも何とか乗り切り、もうすぐ別の病室に移れそうだ。ようやく一安心できるのかな、これで。
来週で76歳になる父。誕生日までに退院とはいかないけど、リハビリには取り掛かれそう。
今日は、話の流れからだけど、姉と私のトラウマになっていた父の事を、ようやく父に話す事が出来た。
私の中では、もう許せるようになってきていたとは言え、何だか気持ちがスッキリした。
未だに頭から切り話せず、もう縁を切ったつもりだと言っている姉の気持ちも全て代弁して、
怯えながら過ごしたあの頃の私たちの気持ちを、少しは感じてくれただろうか。
バツの悪そうな顔をしていた父。「すまなかった」と言う言葉はなかったけど、その表情だけでも十分だと思えた。
人間は年を重ねるごとに自分の許容範囲も増え、穏やかに相手を見守れるようになるものだ。
今は、かつての父の面影は殆ど見られなくなり、笑顔のおじいちゃんの顔になってきたように思う。
そう言っている私自身も、公私ともに変わっていく自分を感じることが出来るようになって、
そんな事を感じる時は、「私もやっぱり年をとっているんだなぁ」と思ったりしてしまう。
今日は、夕方には晩ご飯の支度も終えることが出来て、遊びから帰ってきた娘を「お帰り~」と迎えることも出来た。小さな幸せ(^^)
トマトソースのペンネとワインで、子供たちとの晩ご飯。明日からもっと笑顔で幸せをつかもう!☆HITOMI☆