昨日4月2日、静岡大学は、4月23日授業開始を前提に、全学の個別ガイダンスの日程詳細(pdf)と、行事予定表(学年暦・pdf)を公表しました。
今後、更に変更される可能性もありそうですが、当面このブログもこの日程を前提にします。
この際、私の授業について書く前に、授業開始が延びてしまって、かといって出歩けない学生たちに向けて、情報整理をしてみようと思っています。
授業日程の変更に伴って、抽選科目を含め、履修登録期間も変更になっています。学務情報システムポータルサイトで確認して下さい。
教員としては、登録者には早めに予習教材などを送りたいので、早くして欲しいんですが、情報処理側の事情もあるようです。
というわけで、新入生を含む学生たちは、大学のトップページや学務情報システムポータルサイトの新着情報、「在学生の皆様」からリンクされている各頁は毎日チェックして下さい。
それから、学務情報システムから送られてくるメールも、面倒がらずにこまめに確認して下さい(これは私も人のことを言えない)。
授業の始まりが遅れることで、実質的に授業の課題もない春休みが延長になって居る学生たちは、受動的には「何もすることがない」状態で、遊びにもバイトにも行けず、困っていると思います。
卒業を控えた学年は就職活動もありますが、卒業論文の準備を止めてはいけません。そういう人たちは、今、何をするべきでしょうか? 今こそ「能動的学習」をしましょう。
静岡大学では、既に今年度のシラバスが公表されています。在学生はご存じのように、この検索機能には色々問題があって、若干不便なんですが、少し広めに(例えば、年度・学部程度しか指定しないとか)検索すればリストが出てきます。教員名だけとか、コース指定とかは推奨できません。
これと、各部局で提供している時間割(学情ポータルにあります)を見比べながら、自分が取るかも知れない授業のシラバスを確認して下さい。
これらを読めば、授業前にどんなことをしておくべきか、大体想像がつくと思います。
以下、私の一年生向け科目を例に説明しましょう。
私は、今年度担当科目リスト・シラバスリンクを公表しています。2番目にある「日本言語文化各論Ⅵ 1年 前期 月12」を見てみましょう。
テキスト | 授業中に配付します。購入の必要はありません。 | ||||
参考書 | 授業中に適宜紹介。 事前に江戸時代の大雑把な歴史と文化史・文学史に関する参考書や教科書などを読んでおくこと。 最初の回に皆さんの予備知識チェックをします。 |
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予習・復習について | ・現代のことを含め、日常的に様々な事に興味を持ち行動すること。 ・授業で気になったことは、その日のうちに調べて、「書く」こと。 ・予習教材をネットで配布することがあります。必ず読んでから参加すること。 |
うあああ、ダメなシラバスの典型例ですね。
まともなシラバスなら、授業開始前に読んでおかねばならない資料のリストがあるはずです。申し訳ありません。しかし、これにはちょっと理由があって、上級生用の他の授業、例えば「日本文学史Ⅰ」では、[参考書]欄に「授業中に紹介。近世史・古典文学史の本を選んで読んでおくこと。最初の授業で何を読んだか、感想を含め書いてもらいます。」としました。つまり、どんな本を選んで読むか、比較検討する力も大事なので、敢えて指定はしてない、と言う意味もあるのです。私も知らない本を教えて欲しいし。
一年生の皆さんも、そういうリテラシーを鍛えて欲しいんですが、とりあえずこの不親切なシラバスからでも、予習は可能ですよね。「皆さんの予備知識をチェックします」って書いてあるし。
さしあたり、日本史や古文があんまり得意じゃない人は、この機会に、高校の教科書や参考書を復習しておきましょう。今回の事態を承けて、電子書籍を無料公開している出版社もあります。例えば、小学館の「学習まんが少年少女日本の歴史」シリーズは、4/12まで無料で読めます(期間延長に期待)。
そういう情報は、見つければツイッターなどでも紹介していますが、できるだけ自分で探しましょう。
このほかに、公的機関・図書館などで沢山の情報が公開され、私たち教員も活用しています。高校までは、ネット上の情報の活用が結構まちまちだったかも知れません。Google・ウィキペディア、知恵袋に頼ってませんでしたか? それでは[学問]は出来ません。そういうところにない、関連付けられていない情報を自分で整理する力が[学力]です。具体的なやりかたについては、新入生セミナーや図書館ガイダンスなどで改めて教わることになりますが、少し先取りしましょう。
静岡大学附属図書館のサイトを見て下さい。沢山の情報があってちょっと戸惑いますね。時間があるとき、それそれの項目をチェックしてください。登録しなくても使える物もあります。1年生の内から使いこなせれば、使わない人と、相当差がつきます。
図書館や学内にある資料だけを探すなら、真ん中にある検索窓で十分です。試しに[小二田]で検索してみて下さい(直リンクも出来ますが、自分でやりましょう)。私が関わっていて、大学の図書館にある資料18件のリストが出てきます。書籍の他に、市販されていない、大学の報告書やDVDまでありますね。これらは電子化されていないため、図書館に行く必要があるので、今は使えません。
その検索結果の上に、「同じキーワードで他のサイトを検索できます。」と言う文があるのに気づきましたか? その上に今、五つの検索サイトが表示されています。これを一つ一つ調べて見て下さい。例えば、CiNii Articles を押すと、学術論文の検索サイトに飛びます。前の検索では、苗字だけで私しかヒットしていませんでしたが、今度は別の大学の東洋史の先生が出てきました(私の苗字は特殊なので、これで済みますが、一般的な名前の場合、最初から同姓同名を気にしている必要があります)。さて、CiNii の検索結果のうち、オレンジ色のボタンがあるものはネットで読めます。是非読んでみてください。ただ、学生たちにありがちなのは、こうやって読めるのしか読まないと言う問題。実際に授業が始まったら、是非、ネットで読めない論文も探して読んでください(この辺、切りが無くなるので今は省略)。
論文や研究書だけで無く、大学では一次資料を沢山使います。私の一年生向けの授業でも、江戸時代に作られた本物の書籍や錦絵に直接触ることが出来ます。これは、高校までではなかなか体験できない大学の楽しいところですよね。それが出来ない現状はとても残念。そうそう、昨年度の一年生向けの授業の成果展示の様子をwebで紹介していますので、是非見てください。で、今年も、私の資料は、授業登録が済んだらクラウドにアップして提供しますが、日本の古典籍や浮世絵などは、世界中の所蔵機関がweb公開しています。今、それをリストアップするのは大変なので、これも追々。とりあえず、日文所属/志望の人は、国会図書館と国文学研究資料館は、トップページ以外もよく見ておきましょう。で、リンク先で見たい資料が表示されたとして、あれ、字が読めない! 現代語訳ないの?? と言う反応があると思います。いまはAIが判読したり訳したりする時代ですが、それでも人がやる部分も多く、ほとんどの資料は手つかずです。[崩し字」とかで検索すると色々情報が出てきますので、予習しておいてくれるととても助かります。
長くなりました。
ここでは、私の授業を例にして書いていますが、それぞれ専門分野によっても違いがあります。それぞれ工夫してください。
私も、こればっかりやっているわけにも行かないので、今日はここまで。
時々アップしますので、チェックしてくれると嬉しいです。
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初めての一人暮らし、周りに知り合いもいない人は特に大変でしょうが、
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