勝負事。相手方との相性はどうきまるのか

2017-12-09 | 囲碁よもやま
 常々考え続けた。囲碁などで、相手との相性がなぜこうも勝負に対して強い影響を及ぼすのだろうか。と。
 最近はようやく結論めいた答えが出たように思う。

 私の場合は相手が自信満々で石を打つ様子を前にすると、どうやらこっちの形勢芳しからずと、何時にも増して集中力が高まってくる。当然勝率が良くなる。反対に、自信なげに打つのをみると、とたんに気をゆるめてしまう。勝ったと思った時が負ける時。とは誰もが言うことだ。
 逆の人もいるのだろう。相手が自信有りげに打ってくると萎縮してしまうとか。
 韓国のイチャンホが依田紀基と対戦する際、依田のパシーンッという石音に気後れして勝率が芳しくなかったという噂もある。だからなのか、韓国では石を打ち付けるような打ち方はマナー違反とされている。

 その他、相手が女性であると、相手の形勢がやや苦しい場合、何やら異様なフェロモンとかいうのだろうか、そんなものを発散しはじめて、酒に酔ったような感覚に襲われることがある。そうなると、あらぬ妄想にとらわれて集中力が途切れてしまうのだ。テレビの囲碁棋戦でもそういう場面で、はかなく散っていった男どもを何度も見ている。
 韓国のトップ棋士、朴廷桓が、国際ペア碁で優勝したのだが、相手の黑嘉嘉という台湾の超美人棋士を一切見ないで戦ったのが勝因だったという感想を述べていたのを聞いた。これ、本当は鼻も塞いで打たないと実力は出せないのではなかろうか。

 私が時々いくヤフーの碁会所では、自分より100点ほど低い相手との勝率はだいたい40%、自分より100点ほど高い相手との勝率は5割強。まるで真逆の勝率を醸し出している。
 目の前にはパソコンのモニターしかないのであるが、石を打つ間合いとか、攻撃的、守備的とかで相手が楽観しているか悲観しているか、怒っているのか、笑っているか、モニターの碁盤ごしに伝わってくるのである。つまり打ち方で相手の有り様があらわになる。相手が見えないからといって相性が消えるわけではない。

 囲碁もAIブームではあるが、やはりそれぞれの個性をもっている人間と碁を打つほうが楽しいものだ。
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