これは夏目漱石のサインじゃないか?と気になった五浦大輔(野村周平)は栞にあったビブリオ古書堂を訪れる。実はその隣に記されていた田中嘉雄という名前が重要であり、それは大輔の亡き祖母が隠していた秘密が隠されているほどのキーワードだった。
現在の事件とセピア色に包まれた過去の映像によって、53年の年月が行き来する作品であり、。80年も続いていた町の小さな食堂と、梅干しをトッピングしてあるカツ丼が印象的だった。物語の中にも「自信モテ生キヨ生キトシ生クルモノスベテコレ罪ノ子ナレバ」と繰り返し登場する太宰治の言葉がキーワードとなり、篠川栞子(黒木華)と一緒になって考えさせられます。
全く予備知識を持たずの鑑賞となりましたが、調べてみると、小中学生向けに漢字にルビが振られた文庫版まで出版されてるとか。そんな小中学生に人妻を盗むとかって話を聞かせてもいいものだろうか甚だ疑問に思うのですが、そうした過去パートがもっとも楽しめた自分を否定できなません・・・
とにかく、ストーリーよりも映像の綺麗なところと、鎌倉という舞台も魅力的でした。江の島が見えてきたら、やっぱりサザン!音楽も素敵でしたよ。恥ずかしながら、夏目漱石や太宰治をまったく読んでない自分を考えても、主人公大輔に共感できたことがあるのかもしれませんが・・・
★★★★
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