ごきげん練習帳 〜自分トリセツの作り方〜

自分と人生を楽しむための”セルフ・コーチング”ノート

歳をとるということ

2013年07月25日 | ●日々雑感

 

 

今朝、コーヒーの豆を挽こうとして、

豆のパッケージについている「炭焼きマンデリン」という

シールに気づいた。

そして、自分がマンデリンを飲んでいるということを、

なんだかとても新鮮に感じた。

そんな自分に、もう一人の自分が、

「あなた、自分で買ったんでしょ」と、

呆れたように突っ込みを入れる。

 

そう、昔は、たとえば大学生の頃には、

コーヒーの種類の違いをああだこうだと言っていた。

どこのパン屋のクロワッサンがどうのこうの、と言っていた。

日本酒を飲みながら、どの銘柄は辛いの甘いのと言っていた。

まるで批評家のように。

 

当時のボーイフレンドは「僕はキリマンジェロが好きなんですよ」

と言っていたっけ。

「キリマンジェロってどんな味?」と思った私は、

ちょっと調べてみて、それが酸味の強めなマメだと知って、

けっこうがっかりしたのを覚えている。

私は、苦みの強い方が好きで、酸味の強いコーヒーは好きではない。

それは今でも変わらない。

 

でも、その後、夫となったその彼氏は、

今では「僕は、コーヒーは飲まない」とか言って、紅茶をすする。

そしてある日突然、以前から飲んでいた紅茶を

「これ、おいしい紅茶だね。どうしたの?」なんて言っている。

 

「この紅茶は、○○ちゃんがロンドンのお土産にくれたものよ」と、

缶を見せる私。

「ふーん」と言って、缶を眺める夫。

でも、二人とも、明らかにそのラベルにある名前を読もうとも、

覚えようともしていない。

たぶん、グレーで円筒形だということくらいは

認識するのだと思うけれど。

 

それでも、飲んでいるコーヒーはおいしいと思うし、紅茶もおいしい。

なんか違うと思えば次回は豆を変えてみようと、

避けるべきものの名前を頭に刻む。

その時は、少しだけ頑張って覚えるか、メモをする。

どうしても同じものが欲しいときも、そうするだろう。

 

子どもたちには、モノの名前をうろ覚えのままで話していると、

「また、このいい加減さ」と指摘されたりするのだけれど、

そうやって暮らしていても、十分、おいしいものを味わえるし、

十分幸せだと思っている。

 

そして、どんな高級レストランのお料理より、

家で食べるいつもの普通の手料理が、

なんだかずっとおいしいと感じるようになった。

 

私が、本当に高級なものを知らないからなのかもしれない。

モノの覚えが悪いだけなのかもしれない。

エネルギーが枯渇して来たので、

必要最低限の使い方をしようとしているのかもしれない。

もしかすると、人生を諦めているのかも(?)しれない(笑)

「最上志向」という資質が、ボトムの方なのかもしれない。

 

でもね、十分それで幸せなんだと感じるんだよね。

 

歳をとるって、こういうことなのかな、と思った朝でありました。

 

 

 

 

 



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