手話通訳者のブログ

田舎の登録手話通訳者のブログです。

手話通訳の現場から/研修会/事前準備

2016-03-14 19:58:10 | 手話
(1)会場確認
   当日、会場までどうやって移動するか、所要時間はどれぐらいか、確認しておく。遅刻は許されない。

(2)主催者確認
   どんな団体が主催する研修会なのか、確認する。
   ネット検索して、調べておく。講演会なら、1回だけで終わってしまうものも多いが、研修の場合、継続的に行われている内容であるケースが多い。

(3)申請者確認
   手話通訳者派遣申込を行ったのが個人なのか、研修会主催者なのか、確認する。

(4)講師確認
   講師を何回もやってるような人物なら、自分のホームページやブログを持っている。
   あらかじめ調べて、その人がどんな主張をしているか、調べる。
   バックボーン知識として、講師がいつもどのような主張をしているか、知っているのと知らないのとでは、手話通訳のスピードも正確性も大きく変わる。

(5)資料の入手・まとめ
   研修会主催者が手話通訳者派遣申込を行った場合、事前資料がもらえるケースが多い。
主催者側からもらった資料と、自分で入手した資料をまとめて、当日、多用されそうな単語をピックアップ。
  個人(研修会参加者)からの申込である場合、主催者側は、手話通訳者が来ることを全く念頭に置いていないケースが多い。こういうケースでは、「手話通訳者が会場入りを拒まれる場合もあり得る」と心の準備をしておく。
   研修会主催者がホームページを持っていたら、必ず読んでおく。
   重要な部分をコピペして印刷し、持参する。

(6)同行手話通訳者の確認
  残念なことだが、手話通訳者の中にはトラブルメーカーがいる。こういう手話通訳者との同行が決まったら、このナンチャッテ手話通訳者に対応するための準備も必要になる。

(7)覚悟を決める
  上記(5)のケースに遭遇したらどうするか、よく考えてシュミレーションしておく。会場に入れない、なんてことになった場合、対応する時間が必要。だから、講演会や研修会での通訳の場合、個人通訳よりもさらに早めに現地入りする。万一、会場に入れないような事態となった場合、すぐに申請者さんと派遣者に連絡を入れる。(申請者さんに直接連絡することを禁止している地域もある。わしらの地域もそう。俺のような不良手話通訳者はルールを無視して、重要な連絡は直接申請者さんにもメールする。もちろん、連絡先を知っている場合に限るが)
 手話通訳者を拒んだ主催者に抗議しても構わないが、申請者さんや周囲の人への配慮を忘れないこと。手話通訳に来ているのだ。啓蒙活動に来ているのではない。特に公的通訳で活動している時は、自分の主義主張は出さないのが、手話通訳者としての当然の心構え。
(この部分、地元主流派手話通訳者たちとは全く考え方が違う)

 上記(6)が最も大変かもしれない。
 どの地域にも、非常に評判の悪い手話通訳者がいる。俺もそうだ(笑)
 本人に会ったことはないが、噂は聞いている、という手話通訳者がいる。俺もそうだから、こういう種類の手話通訳者と初めて会うと、お互いに、
「あー、あなたが・・・」
ということになる(笑)

「なんじゃこいつは・・・」と思ってしまうような手話通訳者とペアを組まなければならない時もある。
そんな時は、手話通訳者として、基本に立ち返る。
手話通訳現場に「自分」はない。それが手話通訳者なのだ。
どんなに不快な思いをしても、通訳現場で通訳者同士言い争うようなことは、絶対に避けなければならない。
終わってから、好きなだけやりあえばよろしい(笑)

(8)通訳直前打ち合わせ(当日)
 わしらの地域では、残念ながら、当日の打ち合わせしか認められていない。
 当日以前の事前打ち合わせをした方がいいことは、言うまでもないこと。