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週刊 お奨め本
2008年9月14日発行 第307号
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『百瀬、こっちを向いて。』 中田永一
¥1,400+税 祥伝社 2008/5/20発行
ISBN978-4-396-63297-7
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四篇収録の短篇集。
「百瀬、こっちを向いて。」
「なみうちぎわ」
「キャベツ畑に彼の声」
「小梅が通る」
学力も運動能力も平均以下で、社交能力が五歳児以下。人間レベル2、と相原
ノボルは自分を捉えている。ノボルにとって兄のような存在である宮崎瞬は、
容姿端麗バスケ部のエースで人間レベル90以上。宮崎には、同じくレベル90の
彼女がいる。資産家の娘である神林徹子。
そしてもうひとり、百瀬陽、という少女がいる。野良猫のように挑戦的な目つき
をした彼女は、実は宮崎と付き合っている。神林の疑いをそらすため、ノボルは
百瀬と恋人同士のふりをすることに。
人間レベル2のノボルには荷の重い任務だった。まして、その女の子を本当に好
きになってしまっては。
「百瀬、こっちを向いて。」
高校一年のわたしは、近所の小学六年生の不登校児、灰谷小太郎の家庭教師をし
ている。ある日の学校帰り、入り江の真ん中で小太郎が溺れていた。
助けようと海に飛び込んで、意識を失い、そのまま五年が過ぎた。
目覚めたとき、わたしは21歳。小太郎は十七歳の高校二年生になっていた。
「なみうちぎわ」
胸をくるしくさせて、呼吸ができなくなるような、そんな思いにさせる美少女。
それがわたしだ。すれ違う男性が皆わたしを注目する。そして女子の反感を買う。
わたしは注目などされたくない。誰からもかえりみられることない路傍の石ころ
みたいな存在にわたしはなりたい。
父の仕事の関係で高校入学と同時に引っ越した。わたしはブスメイクを施し、常
にうつむいて、静かな生活を送りはじめた。ある日、素顔で行った焼肉屋でクラ
スメイトに出会い…。
「小梅が通る」
ものすごく読後感がいい。
なんども繰り返し読みたいと思わせる魅力がある。
やわらかくてやさしい空気が満ちている。思わず登場人物たちを応援したくなる
ような。
ひさしぶりに上質の恋愛小説を読みました。
癖のある作品を紹介する傾向にある本メルマガですが(^^;ゞ、これは自信を持っ
て幅ひろくオススメするぞ。
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『百瀬、こっちを向いて。』 中田永一
http://www.amazon.co.jp/dp/4396632975/ref=nosim/?tag=sivabookpage-22
週刊 お奨め本
2008年9月14日発行 第307号
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『百瀬、こっちを向いて。』 中田永一
¥1,400+税 祥伝社 2008/5/20発行
ISBN978-4-396-63297-7
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四篇収録の短篇集。
「百瀬、こっちを向いて。」
「なみうちぎわ」
「キャベツ畑に彼の声」
「小梅が通る」
学力も運動能力も平均以下で、社交能力が五歳児以下。人間レベル2、と相原
ノボルは自分を捉えている。ノボルにとって兄のような存在である宮崎瞬は、
容姿端麗バスケ部のエースで人間レベル90以上。宮崎には、同じくレベル90の
彼女がいる。資産家の娘である神林徹子。
そしてもうひとり、百瀬陽、という少女がいる。野良猫のように挑戦的な目つき
をした彼女は、実は宮崎と付き合っている。神林の疑いをそらすため、ノボルは
百瀬と恋人同士のふりをすることに。
人間レベル2のノボルには荷の重い任務だった。まして、その女の子を本当に好
きになってしまっては。
「百瀬、こっちを向いて。」
高校一年のわたしは、近所の小学六年生の不登校児、灰谷小太郎の家庭教師をし
ている。ある日の学校帰り、入り江の真ん中で小太郎が溺れていた。
助けようと海に飛び込んで、意識を失い、そのまま五年が過ぎた。
目覚めたとき、わたしは21歳。小太郎は十七歳の高校二年生になっていた。
「なみうちぎわ」
胸をくるしくさせて、呼吸ができなくなるような、そんな思いにさせる美少女。
それがわたしだ。すれ違う男性が皆わたしを注目する。そして女子の反感を買う。
わたしは注目などされたくない。誰からもかえりみられることない路傍の石ころ
みたいな存在にわたしはなりたい。
父の仕事の関係で高校入学と同時に引っ越した。わたしはブスメイクを施し、常
にうつむいて、静かな生活を送りはじめた。ある日、素顔で行った焼肉屋でクラ
スメイトに出会い…。
「小梅が通る」
ものすごく読後感がいい。
なんども繰り返し読みたいと思わせる魅力がある。
やわらかくてやさしい空気が満ちている。思わず登場人物たちを応援したくなる
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