東京の公共図書館で「アンネの日記」や関連書籍が相次いで破られていた事件には憤慨しているし、卑怯なやり方に強く反発を感じている。早く捕まってほしい。
犯人の目的は「アンネの日記」関連書籍を読ませないことにあるのだから、逆手を取ることにした。本を宣伝してより多くの人に読んでもらえばいい。(僕が宣伝するまでもなく、事件が話題になったことで本の売れ行きはアップしていることだろうけれど。)
アンネの日記は、第2次大戦下のオランダで、ナチス・ドイツの迫害を逃れていたアンネの隠れ家生活の記録。国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の世界記憶遺産に登録されている。政治的にいかなる考え方や思想をもっているとしても、一度は読んでおくべき本だと思う。
趣旨に賛同いただける方は、ぜひ読んでいただきたい。
「アンネの日記 (文春文庫)」(Kindle版)
『アンネの日記』が最初に世に出たのは1947年。そして91年に、47年版でカットされていたアンネの人間味あふれる記述(鋭い批判精神や性のめざめ、など)を復活させた「完全版」が出版された。この「増補新訂版」は、98年に新たに発見された5ページ分を加え、翻訳資料をさらに徹底させたもの。まさに「アンネの日記・決定版」といえる。
以下は関連書籍。
「アンネ・フランクの記憶 (角川文庫)」(Kindle版)
十代のはじめ『アンネの日記』によって言葉が自分を表現することに心ゆさぶられ、作家への道を志した小川洋子が、長年の感慨をこめてアンネの足跡をたどる旅に出た。命がけで物資を運びフランク家の隠れ家生活を気丈に支えたミープさんや無二の親友ジャクリーヌさんら老齢の今も美しく、真の魅力を放つ女性たちと語り、生家→隠れ家→アウシュヴィッツへとたずねていく―。アンネの心の内側にふれ、極限におかれた人間の、葛藤、尊厳、信頼、愛の形を浮き彫りにした感動のノンフィクション。
「夜と霧――ドイツ強制収容所の体験記録」(新版)
本書は、みずからユダヤ人としてアウシュヴィッツに囚われ、奇蹟的に生還した著者の「強制収容所における一心理学者の体験」(原題)である。
「この本は冷静な心理学者の眼でみられた、限界状況における人間の姿の記録である。
そしてそこには、人間の精神の高さと人間の善意への限りない信仰があふれている。
だがまたそれは、まだ生々しい現代史の断面であり、政治や戦争の病誌である。
そしてこの病誌はまた別な形で繰り返されないと誰がいえよう」(「訳者あとがき」より)。
本書はNHKの「100分de名著」でも取り上げられた。(参考ページ)
その他の「アンネの日記」関連本をアマゾンで検索する。
「杉原千畝」関連本をアマゾンで検索する。
「シンドラーのリスト」のDVDをアマゾンで検索する。
「ライフ・イズ・ビューティフル」のDVDをアマゾンで検索する。
なおこの記事について(僕を含めて)他の読者が不快に思うようなコメント、政治的・思想的な立場からコメントをいただいた場合、コメントの公開を承認しないことがありますのであらかじめお断りしておきます。
関連ページ:
アンネの日記:ウィキペディアの記事
アンネ・フランクの唯一の動画とその最後:リンク
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はじめまして。コメントをいただきありがとうございます。
僕も「杉原千畝の名前で寄贈」というニュースを昨日知ったとき気持ちがあたたかくなりました。とてもよいセンスを感じられますね。
アンネの日記の関連本といっても子供向けから大人向けまでさまざまな本がでていますから、贈る方は選ぶのも大変だったのだろうと想像しています。
ニュース映像に映されているのは子供向けの本が多いように思いました。
損壊されてしまった本は300冊を超えていますが、本のタイトル別に何冊かが発表されれば、これから贈ろうと思っている方の参考になるのではないかと思いました。
コメントありがとうございます。たしか「はだしのゲン」は小中学校では閲覧禁止になったのですよね。アンネの日記はそうはならないと思うのです。日本には反ユダヤ主義はほとんどありませんが、この本をもし学校で閲覧禁止にしたら世界中の反発をくらうことになるでしょうし。
昨日は書店でも被害がでていたという報道がありました。本当に早く犯人が捕まり、模倣犯もでなくなることを願っています。
これを機会に僕も「アンネの日記」と「夜の霧(旧版)」を注文しました。届くまで少し時間がかかりそうです。アンネの日記は文庫本で600ページ近くあるのですね。映画しか見たことがありませんでしたので、じっくり読んでみたいと思います。
私の前の書き込みは「『アンネの日記』や関連書籍を破く」という行為が「『はだしのゲン』閲覧禁止」と同じと捉えているので、そういうことは逆効果だと言うつもりでした。
なので「アンネの日記はそうはならないと思うのです。」というご発言の意味が良く分かりませんでした。(これはクレームではありませんので、気分を悪くされたら申し訳ありません。)
僕は誤解していたようです。「読ませないようにする行為がかえって逆効果になる。」という意味で「はだしのゲンと同じようになるだろう。」ということだったのですね。
「はだしのゲン」は現在閲覧できるようになっていることも知りませんでした。そのようなわけで僕はT_NAKAさんが「アンネの日記も閲覧禁止になるだろう。」とおっしゃっていると誤解してしまったわけです。
まったく気分を悪くしていませんので、ご心配なく!
神奈川区役所にはプリキュアがアンネ・フランクの伝記などを寄付したそうですね。
http://www.asahi.com/articles/ASG334QRLG33ULOB00K.html
神奈川県でも事件がおきてしまいましたか。。。
なぜプリキュアなのか少し考えてしまいました。(笑)
「伝説の戦士=正義の味方」というわけなのですね。
今回のアンネの日記が破られた事についてどうように感じられたか?教えてもらえますか?私はリンのブログで感想を述べています。数学のブログもどうように書けば良いのか?
迷っています。今はコホモロジーの説明を言葉で行っていますが、こねさんのように、本の説明が貢献できるのかも知れませんね。ご活躍を願います。
お久しぶりです。「エキゾチックな球面」はリンさんにとっては易しすぎると思いますが、それでもとても楽しめると思いますよ。この本を読むと数学のブログをどのように書いたらいいかということのヒントが見つかると思います。一般読者向けにどのように数学を伝えればよいかという著者の野口先生のノウハウがいっぱい詰まっているからです。野口先生は「あやとり」の本もお書きになっていますし。
アンネの日記についてリンさんがお書きになった感想は「リンのブログ」に述べられているということですがURLは家のパソコンに入っているので、帰宅してから読ませていただきます。
アンネの日記が破られた件については、第一印象が「気持ち悪い!」ということで、詳細がわかるにつれてくだらないこと、不謹慎なことをする奴がいることに腹が立ってきたという感じです。気持ち悪いのはどこまで思想的な背景があるのか、どのような思想や考えの持ち主なのかが理解できないという理由ですね。
リンさんの数学ブログの最新記事にお書きになっている「ベクトル束は、構造群を持ち、いろいろな構造を入れることによって、弱い力強い力も表せます。」という文章は物理学ファンにはたまらない一言ですね。これはまさに「殺し文句」だと思いました。