「うちの子、集中力が無くて。」
というご相談がよくあります。宿題を少しやったらぼーっとして、「早くしなさい」と言っても続かない・・・。集中力があったらなあ・・・。わかります。
では、集中力はどうやったら生まれるのか?
「ちゃんと集中できる子の脳は10歳までに決まる」という刺激的なタイトルの本を読んでみました。
「あら、うちの子は10歳超えているから、もう無理なのね。」
とは思わないでください。10歳までだと楽だ、と言うだけで、集中力が生まれるシステムは同じです。この本の作者は脳科学者で、2008年の北京オリンピック、2012年のロンドンオリンピックで代表チームにアドバイスを行っています。相手はもちろん10歳を超えています。
内容は盛りだくさんなので、キモのところを少しだけ書きます。
人は情報をどう取り入れ、処理するか?
① 大脳皮質神経細胞
目や耳皮膚といった五感からの情報はまずここに入ります。そして、そのま
ま③へ運ばれるものと、②へ運ばれるものとに分かれます。
② A10神経群
好き、嫌い、おもしろい、つまらない、危険かそうでないか、など情報に感情や気持ちのレッテルを貼ります。この時「好き」「おもしろい」のレッテルが貼られると、その後の脳の機能がとてもよく働くようになります。
③ 前頭前野
ここで情報を理解したり判断したりします。②でマイナスのレッテルが貼られた情報は「どうでもいい情報」「忘れて構わない情報」と判断されます。
④ 自己報酬神経群
ここは「自分にご褒美をあたえること」→「嬉しい気持ちを作り出すこと」を仕事にしています。③で良いレッテルが貼られた情報は理解が深まりここに来ます。「お、この情報はご褒美がもらえそうだ。」と判断すると、脳の細胞たちに「働け!」と指令を出します。
⑤ 線条体・基底核・視床
ここは情報のターミナル駅です
⑥ 海馬
短期的な記憶を帆難しておく保管庫です。ここに入ったものを何度か繰り返すと定着してきます。
集中力の源を作るには②、③、④の三つの機能に働きかけて子育てをしていくのが非常に大切になってきます。
また、脳の発達段階を頭に入れて、その時期に適した働きかけをするのも大切です。
・脳神経細胞がどんどん増えていく時期・・・・・・・0~3歳
・脳神経の「間引き現象」が起きる時期・・・・・・・4~7歳
・「情報伝達回路の機能」が発達していく時期・・・・8~10歳
このうち、0~3歳まではまず本能を育てることを一番に、とあります。
本能とは「生きたい」「知りたい」「仲間になりたい」。知りたい、も仲間になりたい、も人間の生存本能に大きく関わってきますね。そして「気持ちの伝わる脳」を育てること。相手の気持ちがわかり、自分の気持ちも相手に伝えられる力を育んでいくこと。これが4歳以降の爆発的な伸びを下支えするための大きな土台になるのだそうです。
次回は4~7歳、8~10歳のアプローチの仕方をかいつまんでお話します。
参考文献 ちゃんと集中できる子の脳は10歳までに決まる PHP研究所 林成之 著
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