〽️秋の夜は 長いものとは まん丸な 月見ぬ人の 心かも 更けて待てども 来ぬ人の 訪る者は 鐘ばかり 数うる指も 寝つ起きつ わしゃ照らされて いるわいな…
時節の端唄を三味線で 月を眺めて 酒を呑む。温めの燗で,つまみは焼椎茸(椎茸にバターを少量乗せ醤油を数滴たらして焼く すだちを絞っていただく)。
ひとの世の流れをしみじみ追うと ふと懐かしい友の顔が,昔のままに浮かんでくる。大好きだったあの笑顔…,コロナ渦を生き抜いて 達者で同じ月を眺めているだろうか?ひと節にのせて「おーい 俺は元気だよっ」て伝えたい。また昔の様に馬鹿いいながら酒酌み交わす時は来るのだろうか。何処かで虫が鳴いて こんな秋の夜長は,年のせいか意味もなくせつなくて,ただせつなくて嬉しい。
秋よりも,冬の方が夜が長いのに 冬の夜長とは言わない。冬は日が短いというらしい。
今年の十五夜は 9月10日(土) 東京の日の入は18時頃。
「お玉ケ池で見た月も この下総の大利根河原で見る月も,月に変わりはなけれども…」
早い時間から呑み始め 月が昇る迄に呑みすぎて,[平手造酒]にならぬ様…せめて女房の用心棒くらいが 落ち着き処かもしれない。
ちょい漏れの用心棒は,もちろん パッドを張り付けた もぐら褌。「止めてくださるな,行かねばならぬウ」とトイレに駆け込まないで済む様に。