ポコアポコヤ

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「銀河鉄道の父」 門井慶喜

2019-01-26 | 小説・漫画他

宮沢賢治について、彼の生立ちとか、殆ど知らなかったので、興味深く読みました。
また、本作は父の視点でお話が進むのが、新鮮でした。4つ★

裕福なお家の長男として生まれたのに、家業を継がず、自分の趣味に没頭する著名人を描いた本ということで、以前「若冲」澤田瞳子さんを読んだ事があるのですが、(「若冲」も親類の女性の目線でお話が進む)は、
なぜか、すごく違和感があって、若冲ってそんな人では無いんじゃないか?というのが、ほぼ最初からずっとあって、物語に入り込むことが出来なかったのです。
でも、本作は、実際にお父さんにインタビューを受けて、ノンフィクションの物語ではないのは解ってはいるのだけれど、本当にそうなんじゃないか?って思ってしまう感じで、自然にすーっと受け入れられたんですよね。

この時代の父親像や、家庭内の様子なども、興味深かったです。
内心とうらはらに、厳しい父親像を崩さない様に装う姿などが、時にちょっと可愛く微笑ましくも感じられました。

それにしても、賢治が小さい頃に2度重い病気で入院し、ずっと付き添った父。
自らも腸チフスになっちゃって、それ以後、死ぬまで夏はお粥しか食べられない様になってしまった・・なんて。
あと、あれほど溺愛していた賢治、そして長女が肺病になって、先に逝ってしまうのを見届けたりと、辛かったでしょうね・・・

賢治がお金を無心したり、宗教に走ったり、人造宝石を作るとか言ってみたり、ちょっと困った坊ちゃんだったのを経て、あれらの著名な、ファンタジーだったり、質素で慎ましい作品を発表したのですね・・。


銀河鉄道の父 門井慶喜(2017/9/12)
内容紹介 amazonより
宮沢賢治の生家は祖父の代から富裕な質屋であり、長男である彼は本来なら家を継ぐ立場だが、賢治は学問の道を進み、創作に情熱を注ぎ続けた。地元の名士であり、熱心な浄土真宗信者でもあった賢治の父・政次郎は、このユニークな息子をいかに育て上げたのか。父の信念とは異なる信仰への目覚めや最愛の妹トシとの死別など、決して長くはないが紆余曲折に満ちた宮沢賢治の生涯を、父・政次郎の視点から

・・・・・・・・・
門井さんの本は、これが初読みだとばかり思っていたのですが、実は、以前読んだ事があったことに気がつきました。

ぼくらの近代建築デラックス! (2015/5/10)
万城目学 (著), 門井慶喜 (著)

万城目さんと一緒に、古くてカッコイイ建物について語る本を共同で書いていたんですねー。
もう殆ど忘れてしまいましたが、建築オタクな2人の知識とこだわりが面白かった記憶があります。

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4 コメント

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Unknown (苗坊)
2019-01-26 18:01:10
こんばんは。
カキコありがとうございました。
お父さん目線というのがとても珍しかったですよね。
明治生まれの人ですし、厳格な人だと思っていたらそうではなくて、子供に激甘なお父さんでしたね^^
大事に大事に育てたのに、立て続けにお子さんを亡くされて、つらかったでしょうね…。
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苗坊さん☆ (latifa)
2019-01-28 08:06:57
苗坊さん、こんにちは
宮沢賢治ファンの苗坊さんなら、生立ちなど、既によくご存じだったと思うのですが、それでも、父親目線で描かれれているということで、目新しく感じられたことと思います^^
お父さんの幼少時代や、お父さん(祖父)との関係なども、描かれているので、すごく彼の人物形成?というか、が納得がいったし、解りやすかったです。
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新鮮 (こに)
2019-01-28 17:42:13
確かに!
門井さんの小説は題材が面白いですね。
これからも読んでいきたいです。
「家康、江戸を建てる」が未だでしたらお薦めします♪
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こにさん☆ (latifa)
2019-01-29 11:00:55
こにさん、こんにちは
東京にいらしてたんですねー。
あちこち回られて、関係ある施設も見られて、充実・満喫した滞在になられたのね

>「家康、江戸を建てる」
さっそく読んでみます!
時代劇は、普段滅多に読まないので、ちょっと読破出来るか不安だけれど、トライしてみます。
面白かったら、ドラマも再放送で見ます。
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