映画の宣伝を見て、この作品の事を知りました。原作である本作、2013年に発表されていたんですね。
映画は見に行けそうもないので、原作を先に読むことにしました。
42人を介護士が殺害というセンセーショナルなストーリーは、いやがおうにも2016年にあった「やまゆり事件」を連想してしまいますが、本作の方が前に発表されています。ただ、「やまゆり」の方は重度障害者で、こちらは要介護の老人で、かなり違っていますが。
★以下ネタバレ★
小説の方は、あっ!という部分がありました(映画では違うのかも)
鍵が変わっていた事に気がついて張り込みをしていた男性斯波宗典こそが大量殺人の犯人であり、団さんはスペアキーを作り、物取り目当てで不法侵入したのでした。2人は、もみあって結果的に斯波は団さんを殺してしまうのですが。
「彼」斯波が望んだのは、こういう事件によって世間に介護の現実や大変さ等を広く知ってもらい、問題提起になる事を望んだというオチでした。
うーん、「救ってあげた」という自己満足。確かに救われたかもしれないけど、でもそれでも彼が勝手に本人や家族の意向や承諾を得ないまま他人を殺して良いわけがないと思う・・・。
もし本人や家族が「死なせてほしい」と強く願っていて、でも方法が無くて絶望しているのを彼がよくよく知っていて・・という流れだったら、印象が凄く違っていたのだけれど。
本人が「殺して欲しい」と強く願い、家族もそれを認めるなら、やっぱり国の法律として安楽死や尊厳死を認める法案を一日も早く作るしかない!と常々思ってるんですけれどもね。
ブラックジャックのドクターキリコとか、遠藤周作さんの古い小説とか、ずっと昔から「死にたくても死ねない人」の悲哀は書かれているのに、他の国ではもう安楽死を認めている処も多いのに、未だ日本は・・・。
全然違うんですが安倍総理を殺した人。彼もやったことは許される事ではないけれど、彼がやったことで宗教関係の金銭的な問題、宗教二世や家族の大変さ、宗教団体と政治の関連とか色々な事が注目され、明るみに出たりと、大きい影響があったのも事実。この小説を読みながら、そのことが頭に浮かびました。以上
あと、たばこのニコチンを抽出して注射で・・って方法があるんですね・・。でも、ほんとに小説で描かれていたように、すぐに、あまり苦しまずにぱったり逝けるのかしら・・?
それと不審死でも解剖まで行くのは、ほんのわずかな数なのね。
また本作は老人介護施設の名簿が詐欺集団の手に渡って・・・という部分にも触れていました。
最近、老人の住む家に強盗に入る事件が頻発していて、ターゲットを選ぶ時に名簿を使っているらしい・・・とも報道されてます。
怖いのはお金や物を盗るだけではなく、暴力をふるったり殺したりして行くという処です。
これからの日本の将来、ほんとにどうなって行くのやら・・・。
「ロスト・ケア」 葉真中顕 2013/2/16
映画は見に行けそうもないので、原作を先に読むことにしました。
42人を介護士が殺害というセンセーショナルなストーリーは、いやがおうにも2016年にあった「やまゆり事件」を連想してしまいますが、本作の方が前に発表されています。ただ、「やまゆり」の方は重度障害者で、こちらは要介護の老人で、かなり違っていますが。
★以下ネタバレ★
小説の方は、あっ!という部分がありました(映画では違うのかも)
鍵が変わっていた事に気がついて張り込みをしていた男性斯波宗典こそが大量殺人の犯人であり、団さんはスペアキーを作り、物取り目当てで不法侵入したのでした。2人は、もみあって結果的に斯波は団さんを殺してしまうのですが。
「彼」斯波が望んだのは、こういう事件によって世間に介護の現実や大変さ等を広く知ってもらい、問題提起になる事を望んだというオチでした。
うーん、「救ってあげた」という自己満足。確かに救われたかもしれないけど、でもそれでも彼が勝手に本人や家族の意向や承諾を得ないまま他人を殺して良いわけがないと思う・・・。
もし本人や家族が「死なせてほしい」と強く願っていて、でも方法が無くて絶望しているのを彼がよくよく知っていて・・という流れだったら、印象が凄く違っていたのだけれど。
本人が「殺して欲しい」と強く願い、家族もそれを認めるなら、やっぱり国の法律として安楽死や尊厳死を認める法案を一日も早く作るしかない!と常々思ってるんですけれどもね。
ブラックジャックのドクターキリコとか、遠藤周作さんの古い小説とか、ずっと昔から「死にたくても死ねない人」の悲哀は書かれているのに、他の国ではもう安楽死を認めている処も多いのに、未だ日本は・・・。
全然違うんですが安倍総理を殺した人。彼もやったことは許される事ではないけれど、彼がやったことで宗教関係の金銭的な問題、宗教二世や家族の大変さ、宗教団体と政治の関連とか色々な事が注目され、明るみに出たりと、大きい影響があったのも事実。この小説を読みながら、そのことが頭に浮かびました。以上
あと、たばこのニコチンを抽出して注射で・・って方法があるんですね・・。でも、ほんとに小説で描かれていたように、すぐに、あまり苦しまずにぱったり逝けるのかしら・・?
それと不審死でも解剖まで行くのは、ほんのわずかな数なのね。
また本作は老人介護施設の名簿が詐欺集団の手に渡って・・・という部分にも触れていました。
最近、老人の住む家に強盗に入る事件が頻発していて、ターゲットを選ぶ時に名簿を使っているらしい・・・とも報道されてます。
怖いのはお金や物を盗るだけではなく、暴力をふるったり殺したりして行くという処です。
これからの日本の将来、ほんとにどうなって行くのやら・・・。
「ロスト・ケア」 葉真中顕 2013/2/16
映画化されるにあたって原作を読んでいたなぁと思い出していました。
殺人は罪であることに変わりは有りませんが、それだけでは片づけられない問題に、読み終えても余韻の残る作品でした。
あれ?昨日コメントしたつもりが・・・してなかったようで、再コメ~~~
重なってたらゴメン。
この本さ・・・重いよね。
久坂部さんの「介護士K」を読んだ時、この本を思い出しちゃった。
介護士K未読でしたら読んで欲しい本です。
アベさんのね。確かに彼は、宗教のいろんな問題を浮き彫りにしてくれたよね。その辺は良いと思うんだけど・・・
それとアベさん殺害は別問題。アベさんを恨むのはお門違いだし、きちんと反省し罪を償って欲しいです。
コメント、重なってたら削除してね。
コメントありがとうございます。
だいぶ前の作品を映画化するのですね、最近よくTVで宣伝を見かけます。
重い内容ですが、政治家とか多くの人に見てもらいたいです。
あら、再度申し訳ないです。
「介護士K」は知らない本でした。さっそくリクエストしました
読んでみますね。楽しみ
そうそう、別問題っていうのその通り!
彼の生い立ち等は同情するけれども、矛先が・・・
介護士Kも面白そう。半面、自分が介護される側になる年齢に近づいているので、怖くもあります。ロストケアを読んだ10年前は、母の問題でしたが、現在は自分の問題として思うかも。
>安倍総理を殺した人。彼もやったことは許される事ではないけれど、彼がやったことで宗教関係の金銭的な問題、宗教二世や家族の大変さ、宗教団体と政治の関連とか色々な事が注目され、明るみに出たりと、大きい影響があったのも事実。
私も彼を最初から憎めないのよね。あまりに生前の安倍さんがやったことが酷すぎて嫌いだったから。それとこれとは違うと頭ではわかっても、どうしても感情が許してしまう方に傾いてしまいます。
コメントありがとうございます。
いやー、もう10年位前だもの、忘れてしまってもしょうがないですよ。
私なんて最近読んだのに全然覚えてないこと、ザラです。
そうなのよ、介護の問題は自分と親と両方で考えますよね。
先日フランスの大統領が安楽死についてフランスも認める方向に舵を取って発表されたみたい。他の国はどんどんそういう動きになってるのにな。
それと、安倍総理を殺した人
私もしずくさんと同じです、そういう風な複雑な思いを持っている国民は多いと思うわ。
てっきり団さん、と思ってました。
斯波さんも辛い経験があったのは分かるけど、そこまで?
そこまで追い詰められてしまったの?
正解はないのでしょうね。
>これからの日本の将来、ほんとにどうなって行くのやら
ですよね~。
マツケン、演技とても上手だからどんな風に演じているのか、興味深々です。
早くレンタルか配信始まらないかなー。
私もてっきり団さんだと思っていたので、びっくりでした。まあ、そこは読者をびっくりさせる最後のオチってことなのかなー
日本の将来、心配な事ばかり。
我らの子供たちが70代になる頃には、どうなっているのかな・・・。
家族はさ・・・本音が言えないよね^^;
そう思っててもさ、言えないよ。
安楽死・尊厳死、私も賛成です。
もの凄く難しい問題なんだけどさ、苦しいだけ&家族に迷惑かけてるのなら、私なら生きていたくないよ。
あぁ、やっぱ読書って良いな。
こーやって、ブロ友さんの感想も聞けて良いな。ってあらためて思った。
ありがと~~~♪
再読したのねー。
読み応えのある社会的な問題等(私はこういう処がこの本を読んで良かったと思った)と、ミステリー(果たして犯人は誰か?なぜそんなことをしたのか?)という2本仕立てになっているのよね。
安楽死とか尊厳死とか、全然日本で進まないよね・・・。海外では続々進んでいるのに(宗教的な問題もあるのにもかかわらず)
多分海外で安楽死を認めるのが普通になって、日本は遅れてる!って風に海外からの指摘や何かが入らないと日本は動かない気がする。