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「妄想気分」小川洋子

2011-03-13 | 小説・漫画他

小川洋子さんって、ほんとうに良い人だなぁ~。人間として、女性として。出過ぎた処が無く、過度な野望や欲望も抱かず、慎ましく控えめで、それでいて寛容でいらっしゃる。

9歳の頃初めて書いた小説、ボタンとボタンホールちゃんの話や、「ぐりとぐら」に自分の作ったキャラクターを登場させる(猫が遊びに来るも・・・笑)など、小さい頃から彼女の作った物語は、ちゃんと面白いんですよね。今大人の私が聞いても。
それと自宅の本棚にあった「家庭の医学」の鮮やかに着色された内臓、千倍に拡大された黄色ブドウ球菌などに、惹かれていつも見ていた事など、今の小川さんを形作ったであろう子供時代。

その他印象に残ったのは、
97頁。小中高時代、いつも女子のグループに属してなかった事、修学旅行の部屋割りに、自分の名前が書かれていなくて、1人少ない部屋にこっそり自分で名前を書き入れていたことなどが書かれています。イジメに遭ったとか排除されていたとかじゃなく。
悲壮感は漂って来ず、それどころか、ちょっとくすっとしてしまいそうなユーモアも感じさせられ、いかにも小川さんらしいな・・と感じさせられるのでした。とはいえ、今はこうやって書けるけれど、当時は辛い瞬間も一杯あったと思うわ・・・。
そんな小川さんですが、早稲田大学時代に入ってから以後は、友人にも恵まれた様です^^ 
12頁の武蔵小金井女子学生寮。
慎ましくも楽しい学生寮に住んでいた時の仲間とのエピソード、母親が送ってくれた荷物を開けると、どこにでも手に入るものが、隙間を逃さず細々とびっしり入っていた・・というのは、家の旦那も学生時代実家から送られて来たダンボールを開けるとそうなっていたのを思い出したりして・・。

一日に一件予定があるだけで精一杯で、それどころか明日の仕事が気になって前日から落ち着かないとか、古い建物がたまらなく好きとか、「クリクリのいた夏」、歯医者さんでカラフルな薬瓶を見て気を紛らわせる、カーテンを巻き付けお姫様ごっこ、化粧品の進化について行けないという処なども共感しまくりでした。以前彼女のエッセイ本で、電車の中でお化粧する娘についての、小川さんの優しい目線に驚いた事が思い出されました。
4つ☆

「妄想気分」小川 洋子 / 2011-01-26
1991年~2005年の間に、あちこちに掲載したエッセイや、今回新たにに書き下ろしたものをを追加して、一冊にまとめた本。

「原稿零枚日記」
「ホテル・アイリス」「まぶた」「やさしい訴え」
「カラーひよことコーヒー豆」
小川洋子の偏愛短篇箱
猫を抱いて象と泳ぐ
「偶然の祝福」「博士の本棚」感想
妊娠カレンダー、貴婦人Aの蘇生、寡黙な死骸 みだらな弔い
薬指の標本 5つ☆ +ブラフマンの埋葬
「おとぎ話の忘れ物」と、「凍りついた香り」、「海」
「ミーナの行進」「完璧な病室・冷めない紅茶」感想

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4 コメント

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真紅さん☆ (latifa)
2011-04-26 15:40:39
こんにちは、真紅さん
そっか、博士~くらいだったのね?
それじゃさ、「ミーナの行進」を是非読んでみて~~
雰囲気は違うけど「ちいさなお家」とちょこっと似た雰囲気もあるような。

ところで「ボクらの時代」
ああっ!それ、いつか早起きした時、偶然見たことある。中村勘太郎×藤原竜也×高橋大輔の回。(特別企画の番組なんだと思いこんでた・・。毎週こういう豪華な3人でやってるんだね?)今検索してみてビックリ!
それにしても、角界からの、すんごい豪華なゲストで成り立ってる番組だわ~~
見逃した多数のリスト見て、ショック・・・。見たい人達の組み合わせが一杯出てる~~~(T_T)いいなぁ~真紅さん、この番組ずっと見続けていたのね?
でも教えてくれて、ありがとう!!!!!
これから来週から毎週見ようっと。
しかも来週は、ぜったい見逃せない面々じゃありませんかっ
さっそく録画のセットしようっと。
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ボクらの時代 (真紅)
2011-04-25 09:47:18
latifaさん、こんにちは~。
小川洋子さんが本当にいい人、、うんうん、ホントそう思う!
私は小川さんの小説は『博士の~』くらいしか読んだことがないんだけど、latifaさんたくさん読んでらっしゃるよね。
ところで話は変わるんだけど、日曜朝の『ボクらの時代』って番組知ってる?
毎回違うゲストが鼎談する30分番組なんだけど(私は毎週録画して、ゲストによって観たり観なかったり)、来週は湊かなえさん、有川浩さん、万城目学さんなのよ~♪
楽しみじゃない? 是非是非、観てみてね~。
万城目さん観るの初めてかも~! あ、有川さんも!!
三人とも関西の方だから、関西弁トークも聴けるかもだよ♪
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こにさん☆ (latifa)
2011-03-14 09:23:04
こんにちは、こにさん
買って手元に置いておく程の本じゃないかと思いますが ほのぼのとしていて、とても後味の良い本でしたよ。図書館で借りられたらベストなんですが・・。
今までの小川作品についての余談みたいなのもついているので、幾つか小川さんの小説を読んだ事がある人なら、へ~!?あの時、こうだったんだ・・ってのも解りますよ。

そうそう、私も同じ事考えていました。
伊坂さん、大丈夫だっただろうか?と・・・。
多い被害を受けた東北地方・・、もし伊坂さんが無事ならば、何か自分に出来ないか?って模索していそうな予感・・・
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昨日 (こに)
2011-03-13 10:08:24
本屋さんで見たのですが未読の小説を読んでからにしようかな、と止めときました
latifaさんが紹介されていた伊坂さんのエッセイもあり、伊坂さんは仙台にお住まいのはずだけれど大丈夫だったのかしら、など思いました
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