道尾秀介の2作品。龍神の雨と、向日葵の咲かない夏も、どちらも家庭環境が厳しい少年が主人公で、ちょっと仏教の生まれ変わり感などが含まれてて、通じる部分がありました。両方とも、ネタバレ無しで感想書くのは至難の技です・・・。
まずは、先に読んだ方の「龍神の雨」 (2009/05出版)から。
道尾さんの本は「鬼の跫音」の後、これが2冊目です。
血のつながらない綺麗で一生懸命な母親と暮らしている兄弟の辰也・圭介と、血のつながらない暴力父と暮らしている兄妹蓮・楓、この4人がからみあうサスペンスミステリー。
兄の辰也が義母に冷たく当たりまくるんだけど、その新しいお母さんが気の毒でならなかったわ・・・。
あと、半沢店長が現在の暮らしを「(今の穏やかな家庭の暮らしを)幸せだと思えるのって、やっぱり幸せじゃない時期があったからこそ」って言ったのは、もっともだって思いました。
★以下ネタバレです 白文字で書いています★
楓に脅迫状を渡したのは、てっきり辰也だと思いこんで読んでいたんですよ。だって、学校で楓が1人になったとたん、いきなり現れてぼそぼそ言ったり、じ~っと怖い目で凝視してきたり・・と、普通中学生の男の子が片思いしてる女子に取る態度かぁ?? だから、実は半沢店長が犯人とわかった時はびっくり!!しかも、義父は既に死んでいたのに(連のしかけたガスもれ殺人で死んでたんだね)半沢が楓に恩を売ろうと、殺してあげようか?などと言ったなんて、とんでもないヤツだな~。でも、義父の睦男も暴力をふるった時期があったとはいえ、最近は仕事に出ていたってことが死んでから解るわけなんだけど・・・。でもねぇ・・殺すほどではないかもしれないけど、暴力ふるって酷い父だった時期があったのは事実だし、改心しようと努力してた・・ってのが解らなかったんだし・・蓮君は妹思いの良い子だったので、可哀想だなあ・・・。そもそも、楓も兄に本当の事言わずに、義父に強姦されたって言って、店長の事隠したのがマズかったよなぁ・・。以上
ずっと引き込まれて面白く一気読みしましたし、全く想像がつかない展開やオチだったので、意外性もありました。でも、何か凄く好きとかやられた!って感まではなくて、普通に面白かったので3つ★~3つ★半
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次の日読んだのが「向日葵の咲かない夏」2005-11出版
これは!!凄かったですね。すっかりヤラれた・・って感じで、すっごく面白かったです。4つ☆半
★以下ネタバレです 白文字で書いています★まずは、おじいさんの幼い頃に母が足を折られていたことの思いこみ。実はそういう葬儀の方法だったと後から解ります・・・。この足を折りたい衝動ってのが、変態過ぎて凄いですね~。先生がエロ教師だったのは事実なのよね?先生は殺しはしてなかったけどS君にしてたことはホントなんですよね?!
最初この先生が犯人だ!と思いこんでいた私には、後半のどんどん解るどんでん返しにもう言葉もなく、呆然です。しかもミカはトカゲで、トコ婆さんは猫だったなんて 以上
凄く後味悪いとか、体質的に合わなかったというお声を先に聞いていたので、身構えて読んだのですが、私は幸運にも大丈夫でした。
次は「ラットマン」を読む予定です。
やっぱり、道尾さんが描く世界って、ほんの少しだけ乙一さんと静かな怖さ、不気味さみたいな処が共通する感じなのかな、私は道尾さんも乙一さん同様、好き確定しつつあります。
内容(「BOOK」データベースより)
明日から夏休みという終業式の日、小学校を休んだS君の家に寄った僕は、彼が家の中で首を吊っているのを発見する。慌てて学校に戻り、先生が警察と一緒に駆け付けてみると、なぜか死体は消えていた。「嘘じゃない。確かに見たんだ!」混乱する僕の前に、今度はS君の生まれ変わりと称するモノが現れ、訴えた。―僕は、殺されたんだ。半信半疑のまま、僕と妹・ミカはS君に言われるままに、真相を探る調査を開始した。
道尾秀介「鬼の跫音」
ほんと一気に読みたくなる小説でしたね。
兄弟の内、私は、弟君の方に感情移入して読んでました。
お兄ちゃんの恋愛部分については、ちょっと不可解というか、理解出来ない部分があったりします・・・
というわけで、すっかりだまされました。
子どもが主人公の切ないお話が得意なようですね。
思いこみといえば、「ゆれる」を思い出しちゃいました。
あれとは全然違った作品なんだけれどもね。
道尾さんの作品は、まだ映像化とかされてないみたいね。逆に不思議。映像化されそうなお話が結構多い気がするんだけれども・・・。
そういえば、沈まぬ太陽、見に行こうと思ってるんだけど、3時間半もあるんだとか!びっくり・・・
ずーっと雨が降ってて陰鬱な感じが出てましたねぇ。
辰也と圭介兄弟のエピソードがかなり面白かったな。
ビデオを見ながらいろんなことを思い出していくのが。
そして、思い込みって本当に怖いな~と思ったわ。
道尾氏はこれからも注目していくつもりです♪
ミチさんも数冊、道尾さんの本読まれていますよね~。
龍神は、ミチさん、どうかなあ・・・。この向日葵よりは救いがあるかもしれないけれど・・・。
乙一さんは、孤独って部分を描くのがすご~く上手いと思うんだ。どれが一番好きか?って言われたら困るんだけど、「暗いところで待ち合わせ」のオチと最後の方の展開以外の部分が私は今まで読んだ彼の小説で一番好きかもです。
でも、ミチさん、映画版をもうごらんになられているからなぁ~その後、本を読んでもきっとつまんないかも・・・
どれもなかなか面白いですよね~。
「竜神の雨」はもう少しで図書館の順番が回ってくるの。
これもまた楽しみ!
逆に、乙一は未経験なんだ~
まだこの2冊と鬼の~と3冊しか読んでいないのですが、エビノートさんは沢山道尾さんの本読んでいらっしゃいますよね~。
他の作品も、みんなこんな風に、びっくりする展開なのかな?
徐々に道尾作品読んでいこうと思っていまーす
そうなんですよね~乙一さん、最近全然(あんまり?)小説を書いてくださらないみたいで・・・。映画監督に今度なるとか、、なんとか・・
私も恒川さんも大好きです。恒川さんは出している本がまだ少ないので、全部読んじゃいました
花さんも向日葵を読んだ後、ずどーんと来ちゃったんですね・・・
龍神~、人気ありますよね。私も手元に回って来るまでに少々待ちました。
花さんの感想、楽しみにしています
やられた~感は、かなり凄かったです。
でも、確かに後味悪いですよね
龍神の雨は、向日葵~ほどには、びっくり度が低かったかな・・・と思いますが・・
juneさんの感想、楽しみにしています
道尾さんっていいですよね。内容紹介はとても難しい作家ですけど。
乙一さんもいい。最近は中々本を出してくれないけど。
他に恒川光太郎さんも好きです。隣にありそうな異界の雰囲気にやられてしまいます。
「龍神の雨」は、予約済み。早く読みたいです。
私はしばらく気持ちがどよよ~んと沈んでしまいました。
とはいえ、このすっかりやられた!という感覚には恐ろしくひかれてしまうようで、
道尾さんの作品は時々無性に読みたくなります。
「龍神の雨」はぜひ読みたいと思ってます。
面白くて全く想像のつかない展開とオチということで楽しみです。