「あるキング」伊坂 幸太郎
天才野球選手・山田王求の0才~23才の人生を描いた本。
いつもの伊坂さんの雰囲気や文体と違った小説でした。中盤までは凄く面白かったんだけれど、後半、そしてラストは、あまり・・・高揚感を得られないまま終わってしまった感じでした。 とはいえおもしろくないわけじゃなく、期待したほどは・・という印象でした。3つ★
そもそも南雲慎平太という選手・監督が素敵です。 地元ファンにとってはこれ以上の人はいない!って位の人なのに、突然運悪く死んじゃう。その日にこの両親の息子が産まれる。この両親が息子に野球を・・・と思う経緯とかも面白く、前半は非常にワクワクしながら読みました。
それにしても、この両親・・・。
★以下ネタバレです 白文字で書いています★
下着ドロの帽子すりかえの時に、やばいかな・・・と思っていたら、まさか息子に危害を加えたとはいえ、殺しちゃうとは・・・。しかも、数年して殺した男の骨が出て来た後、お父さんは自首する。ここがちょっと解らなかったりします。息子を立派な野球選手にすると決めているなら、両親が犯罪者になったら、その夢が上手く行きにくいことは想像がつくだろうに・・・。以上
それにしても、打たれるのを恐れて牽制されてしまい、結果試合で、なかなか打たせてくれない・・・ってのは、辛いなぁ・・・と思いました。イチローなんかは学生の頃、こういう感じだったりしたのかな?と、つい、この本を読みながら、イチローの事が頭をよぎりました。
思ったより短かったので、これの1.5倍の長さを読みたかったな。短かったとはいえ、脇役に印象に残る人も数人いて、好きだったのは、バッティングセンターのおじさん(ずっと見守って応援してくれたよね)、同級生の乃木(101~102pageは、結構ぐっと来ましたよ~「俺達が強くなったのは、おまえのおかげだよ」ってところ。
あと、ファンタジーっぽい部分も少しあって、3人の黒づくめの女性達が時々現れて、なにやら言葉を言うんです。他にも、そういったファンタジー風な部分がちょこちょこありました。
「あるキング」伊坂 幸太郎
(内容)
山田王求はプロ野球仙醍キングスの熱烈ファンの両親のもとで、生まれた時から野球選手になるべく育てられ、とてつもない才能と力が備わった凄い選手になった。王求の生まれる瞬間から、幼児期、少年期、青年期のそれぞれのストーリーが、王求の周囲の者によって語られる。『本とも』好評連載に大幅加筆を加えた
「モダンタイムス」「週末のフール」
「ラッシュライフ」「フィッシュストーリー」
ゴールデンスランバー
「グラスホッパー」「アヒルと鴨のコインロッカ―」「死神の精度」感想
「チルドレン」「重力ピエロ」感想
天才野球選手・山田王求の0才~23才の人生を描いた本。
いつもの伊坂さんの雰囲気や文体と違った小説でした。中盤までは凄く面白かったんだけれど、後半、そしてラストは、あまり・・・高揚感を得られないまま終わってしまった感じでした。 とはいえおもしろくないわけじゃなく、期待したほどは・・という印象でした。3つ★
そもそも南雲慎平太という選手・監督が素敵です。 地元ファンにとってはこれ以上の人はいない!って位の人なのに、突然運悪く死んじゃう。その日にこの両親の息子が産まれる。この両親が息子に野球を・・・と思う経緯とかも面白く、前半は非常にワクワクしながら読みました。
それにしても、この両親・・・。
★以下ネタバレです 白文字で書いています★
下着ドロの帽子すりかえの時に、やばいかな・・・と思っていたら、まさか息子に危害を加えたとはいえ、殺しちゃうとは・・・。しかも、数年して殺した男の骨が出て来た後、お父さんは自首する。ここがちょっと解らなかったりします。息子を立派な野球選手にすると決めているなら、両親が犯罪者になったら、その夢が上手く行きにくいことは想像がつくだろうに・・・。以上
それにしても、打たれるのを恐れて牽制されてしまい、結果試合で、なかなか打たせてくれない・・・ってのは、辛いなぁ・・・と思いました。イチローなんかは学生の頃、こういう感じだったりしたのかな?と、つい、この本を読みながら、イチローの事が頭をよぎりました。
思ったより短かったので、これの1.5倍の長さを読みたかったな。短かったとはいえ、脇役に印象に残る人も数人いて、好きだったのは、バッティングセンターのおじさん(ずっと見守って応援してくれたよね)、同級生の乃木(101~102pageは、結構ぐっと来ましたよ~「俺達が強くなったのは、おまえのおかげだよ」ってところ。
あと、ファンタジーっぽい部分も少しあって、3人の黒づくめの女性達が時々現れて、なにやら言葉を言うんです。他にも、そういったファンタジー風な部分がちょこちょこありました。
「あるキング」伊坂 幸太郎
(内容)
山田王求はプロ野球仙醍キングスの熱烈ファンの両親のもとで、生まれた時から野球選手になるべく育てられ、とてつもない才能と力が備わった凄い選手になった。王求の生まれる瞬間から、幼児期、少年期、青年期のそれぞれのストーリーが、王求の周囲の者によって語られる。『本とも』好評連載に大幅加筆を加えた
「モダンタイムス」「週末のフール」
「ラッシュライフ」「フィッシュストーリー」
ゴールデンスランバー
「グラスホッパー」「アヒルと鴨のコインロッカ―」「死神の精度」感想
「チルドレン」「重力ピエロ」感想
そうですね。ちょっと違った雰囲気でしたね。
悪くはなかったんですが、何か「これも良い!!」とまでは思わなかったです・・・。
とはいえ、色々なタイプの(新しい)事に挑戦する姿勢とかは、応援したくなります~。
また次回作も楽しみです。
今までとは違った感じのちょっと変わった作品でしたね。
面白かったような、そうでもないような、なんとも言えない感じでした。
あまりにも現実離れしすぎていたのと、ファンタジー的な部分がイマイチだったのかな。
>犯罪は息子の夢の邪魔になるって解ってる筈なのに、彼らの行動はどうも一貫性がなくて理解できませんでした~
そうそう。そうなんですよね~。
どうしてあんなことしちゃったんだろう・・・。
あの両親が、相手チームのコーチに、牽制しないでくれとお金を包んであげている・・というエピソードにはびっくりしました。
実際世界でも、こういう凄いバッターだと、牽制されまくりって事あるんでしょうかね・・(お金あげるは別問題として)
>三人の魔女の存在が一番きつかった・・何だか解らないファンタジー要素苦手で(汗)
この「あるキング」は珍しく映像化されない気がします。この3人の魔女部分が、特に映像化不可能な・・・(やたら浮いて見えるだろうな・・) まあ、映画化されすぎて、伊坂さんご本人も、もしかしたらウンザリしてるかもしれないし、ちょうど良いのかな。
ほんとですよね・・・。あの両親、行き過ぎというか・・・。あれじゃ子供がまともに育たない・・・。王求はせっかく野球の才能があったのに、幸せそうじゃなかったですね・・。才能があったというか・・、野球ばかりの人生にさせられた・・とも言えるのかな。
シェークスピアについては、私も知らなかったので、知っていれば反応出来たのかな・・と思ったりしました。
どうもこれ入り込めなかった作品です。
両親の愛情や期待はわかるのですが、犯罪は息子の夢の邪魔になるって解ってる筈なのに、彼らの行動はどうも一貫性がなくて理解できませんでした~
三人の魔女の存在が一番きつかった・・何だか解らないファンタジー要素苦手で(汗)
どんな目にあっても淡々と自分のやることだけをやる冷静な王求は魅力的で・・別な人生だったらどんな風だったのかちょっと見てみたい気がします。
シェイクスピアの作品を読んでいたら、3人の女たちの意味するところとか、もっとよく分かったんですかねぇ。ちょっと気になります。