「まほろ駅前番外地」この表紙がとても良いですね~!
リンゴにタバコが、ささってる表紙の「まほろ駅前多田便利軒」と微妙に似ていて、ユニークだし、ちょっと洒落てて好きです。
「まほろ駅前多田便利軒」はかつて読んだ事があったのですが、もうすっかり忘れており・・・。 覚えているのは、キチンと仕事をこなす律儀な性格の多田と、だらだらしてばかりいる行天という、キャラづけだけ・・・。前回出て来た登場人物のこと、ほとんど覚えておらず・・・。ま、とにかく読んじゃえ!って読んでみました。結果的には、前のお話を忘れていても結構大丈夫な内容でした。「思い出の銀幕」と「岡夫人は観察する」の2つが私は面白かったです。 3つ☆
「光る石」
同じ会社の同僚同士の女子2人。由香里のエンゲージリングの下見に付き合ってくれた小夜は、その後、自分はそれよりも大きいサイズのリングを買ってもらって、これみよがしに指にはめて会社に来ている。それに腹を立てた由香里は、小夜のお家の掃除に行く予定の多田便利軒に、その指輪を隠して欲しいという依頼をする。
(個人的に、なんかあまり好きじゃない話でした)
「星良一の優雅な日常」
チンピラ?な星(前回のお話にも出て来てます)と、居候の女の子清海。清海が「ネコを飼いたい」と言い出し、喧嘩になる。
(これも、とりたてて・・・何も残らないお話でした)
「思い出の銀幕」
ぼけちゃっている曾根田のばあちゃんが、戦後間もない頃の自分のロマンス話を語って聞かせる。ばあちゃんは娘時代、「まほろばキネマ」の菊子と呼ばれる美女だった。戦争に行ったきり帰ってこない幼なじみの許嫁である啓介を待っていたところ、ある日、ヤクザに追われていた男を助けたことがきっかけで、この男を好きになってしまう。ばあちゃんはその男の名前を仮の名前として行天と呼ぶ。
そのうち、啓介が復員して来た!しかし菊子は行天の元に行ってしまう。啓介はそんな菊子を責めない。その後、啓介と行天も仲良くなり・・3人の不思議な関係が・・。(この話が私は良かったな~。行天の去り際が渋かった)
「岡夫人は観察する」
岡夫人というのは、「まほろ駅前多田便利軒」にも出て来た、横バスの間引き運転の調査を依頼してくる老人の妻である。この岡夫人は、昔学生時代の行天をよく見かけ、ある時は助けてもらった?事があったことをふと思い出すのであった。
(この老夫婦のやりとりが、リアルで良いというか、なんというか。結構好きな話でした)
「由良公は運が悪い」
両親と出かける予定だった土曜日、ふいに親が用事が出来てしまい、3000円を持って、まほろ駅前までバスに乗って出かけた小学生の由良(「まほろ駅前多田便利軒」にも出て来てた少年である)
いきなり、行天がバスの外から「ユラコー」と声をかけてきて、一緒に過ごすことになる。ユラコーの先生はどうやらテレクラで出会った女と待ち合わせしているらしい・・・
「逃げる男」
ある男性の遺品整理をして欲しいと依頼して来た女性は、「キッチンまほろ」の社長だった。多田はこの社長に少し心引かれるのだった^^
その男性の部屋には、色々な沢山のどうでも良い物や本などが、異様にキチンとコレクション?のように整然とまとめられていた・・・。
「なごり月」
「家庭と健康食品協会」という、無農薬野菜の栽培と販売をしているらしい団体が会員を募集している。依頼者はある男性。インフルエンザで寝込んでいる妻と娘の面倒を面倒見て欲しいと言う。娘が大泣きしだしたら、行天はパニックになってしまった・・・。
(もっと行天の過去を知りたいな・・・)
内容(「BOOK」データベースより)
第135回直木賞受賞作『まほろ駅前多田便利軒』での愉快な奴らが帰ってきた。多田・行天の物語とともに、星、曽根田のばあちゃん、由良、岡老人の細君が主人公となるスピンアウトストーリーを収録。 (出版 2009/10)
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で、読んだ2日後、図書館に行ったら偶然「多田便利軒」が本棚にあったので、また借りてきて読みました。
あ~~そうだったなぁ~と、やっと思い出しました。
以下、「まほろ駅前多田便利軒」の内容ネタバレしていますので、未読の方は注意です!
行天は幼い頃両親から虐待されていたらしい・・・。
行天と多田は高校の時の同級生だが、全然喋らない謎な行天(それでいてルックスが良いのもあり女子からは注目の的であった)が、やや面白くない存在と思っていた多田は、理科の実験の時に、わざと椅子を邪魔な場所にちょっと出しておいて、その椅子に行天が引っかかるかも・・・と思っていたら、それが本当になってしまい、行天の指の先がもげて、急いでくっつけたので、くっついてはいるけど・・という大惨事?になったことがあった。
行天には病院の美人のお医者さんの奥さんがいて、娘もいるが、全然会ってない。
多田は、かつて弁護士の女性と結婚していたが、奥さんが不倫していたことが解る。その後彼女が妊娠していたことが発覚。多田の子だと言うものの、産まれてみたらばDNA鑑定をしたいと彼女は言い出す・・・。多田はそれを拒否。しかし赤ちゃんは不幸にも風邪からなのか・・・急死してしまう。それ以後夫婦関係が破綻、離婚に至っている・・・。
星間商事株式会社社史編纂室
神去なあなあ日常
「光」
「悶絶スパイラル」「人生劇場」「仏果を得ず」感想
「きみはポラリス」感想 三浦しをん
「むかしのはなし」三浦しをん と「最後の恋」感想
「桃色トワイライト」「まほろ駅前多田便利軒」感想 三浦しをん
「秘密の花園」、「風が強く吹いてる」
行天の過去、ちょこちょこは語られていましたね。私は、あの奥さんが、学生時代の行天とよく偶然会っていたのを思い出した!ってエピソードも印象的でした。
そうですね。続編は絶対有る様な気がします。これで終わっちゃうのはもったいないです。
なにげに、映画とかドラマとかになりそうな小説の気もします。
いつか行天の過去の話を書いてくれないかなと期待しています。
それと、多田の恋も気になるところです。
こうしてみると、十分「続編」が期待出来るような気がしますね
>「ユニクロVSしまむら」とかいう本が売れてるって聞きました・・・
え~、そんな本があるんですね。面白そう~ 買うまでは行かないけどちょっと読んでみたいな。
>ゆるさばかりが目立つなあって思いました。
うん・・・。確かに。
このまた続編も作られるんだろうなあ・・・って感じで、特に「おおっ!」という部分が無かったです。
>最後だけ、子供をどなりつけてしまった自分のことを、どうなるか分からないとつぶやいた行天のあのシーン。
しいて言えば、あそこがちょっと印象に残ったくらいかな・・・。でも、もうちょっと色々なこと、知りたいんだけど・・・って思う小説でした。
>もし、今度続編が万が一書かれるならば、書かれない過去を、あるところは隠したまま、でも、チラリズム、みたいな感じがいいですねぇ。
うん、うん!!私もそういうの是非希望
なんか、ほんとに、全然キャラとか内容とか違うんですが、このお話を読んでいると、松田優作の「探偵物語」をチラチラ思い出すんです。あの軽い女子が登場して来たり、色々な人とちょこちょこかかわったりするところとか。
悲夢、どうでしたか・・?
私、こないだ初めて行って靴下買いました。
そういや、最近、「ユニクロVSしまむら」とかいう本が売れてるって聞きました・・・
私は、この話、前と比べると、ゆるさばかりが目立つなあって思いました。
こう、関係性が、揺らぐとこが少ないからつまんないです、ハイ。
私はもう、前は行天が刺されたから、今度は多田の指がふっとぶくらいのことはあると思って読んでいたのに。
最後だけ、子供をどなりつけてしまった自分のことを、どうなるか分からないとつぶやいた行天のあのシーン。
多田は距離感をもって、スルー、だけ、そこしか、こう、微妙で、もろい関係性の面白さが読み取れませんでしたわ。
サスペンスがなくても、こう、スリルとゆるさが共存していてほしいんで。
まあ、もし、今度続編が万が一書かれるならば、書かれない過去を、あるところは隠したまま、でも、チラリズム、みたいな感じがいいですねぇ。
あと、関係性がこう、下克上を繰り返す話が好きなんで、思い切ったことをしてほしいですねぇ。
今「悲夢」途中まで見ました、また今度お邪魔しますね。