日本書紀 巻第十九 天国排開広庭天皇 二十七
・百済王、語る
聖明王は語って、
「任那国と吾が百済とは、
古くより以来、
子弟になろうと約してきた。
今、
日本府の印岐彌(いきみ)
(任那に在る日本の臣の名です)は、
すでに新羅を討ち、
更に我をまさに伐とうとしている。
又、このんで
新羅の虛誕謾語(いつわり)を
聴きいれている。
印岐彌を任那に遣わしたのは、
もとよりその国を侵害するためではない。
(未詳です)
古往今来(むかしよりいまに)、
新羅は無道である。
ことをいつわり、
信に違い卓淳を滅ぼした。
股肱の国(ここうのくに)が、
こころよく思っていても、
返して悔やむことになる。
故に、
召し遣わすことに到り、
俱、
来て恩詔を承けて、
冀うのは、
任那の国を興し、
なお、
旧日の如く、
永く兄弟となろうと願う。
・股肱の国(ここうのくに)
ここう・自分の手足のように信頼している忠義な家来。腹心。
(感想)
聖明王は語って、
「任那国と我が百済とは、
古くより今日に至るまで、
子弟になろうと約束してきた。
今、
日本府の印岐彌は、
既に新羅を征伐して、
更に我を討伐しようとしている。
又、
好んで新羅の偽りを聴きいれている。
印岐彌を任那に派遣したのは、
もとよりその国を侵害するためではない。
昔より今に至るまで、
新羅は無道である。
言葉を偽り、
信頼に背き、
卓淳を滅ぼした。
股肱の国(ここうのくに)が、
新羅を快く思っていても、
逆に恩を仇で返して悔やむことになる。
故に、
諸氏を召集する使者を派遣した。
使者が到着したなら、
ともに来て、
恩詔を承け賜ろう。
冀うのは、
任那の国を再興し、
なお、
旧日のように、
永く兄弟となろうと願っている…
明日に続きます。
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