日本書紀 巻第十九 天国排開広庭天皇 三十
・使者を派遣し合う
・百済、丈六の仏像を造り、祈る
六年春三月、
百済に使いとして、
膳臣巴提便(かしわでのおみはし)を
遣わしました。
夏五月、
百済は、
奈率其㥄(なそちごれう)、
奈率用奇多(なそちようがた)、
施德次酒(せとくししゅ)等を遣わして、
上表しました。
秋九月、
百済は、
中部護德菩提(ちうほうことくぼだい)等を
任那に使わしました。
呉の財を日本府の臣及び諸旱岐に
贈りましたが、
各々差が有りました。
この月、
百済が、
丈六(じょうろく)の仏像を造りました。
願文を製(つく)り、
「聞くところによりますと、
丈六の仏を造る功徳は、
はなはだ大きいといいます。
今、敬い造りました。
この功徳をもって、
願わくは、
天皇がすぐれた善い徳を獲られ、
天皇の用いる弥移居国(みやけのくに)が、
俱、
福祐(さいわい)をこうむりますように。
また、
願わくは、
天下の一切衆生(いっさいしゅじょう)が、
みな解脱(げだつ)をこうむりますように。
故に、
造りました」
といいました。
・丈六(じょうろく)
一丈六尺
・弥移居国(みやけのくに)
官家
・一切衆生(いっさいしゅじょう)
この世に生きているすべてのもの。生きとし生けるもの。特に人間に対していうことが多い。仏教語。「一切」はすべて、あらゆるの意。「衆生」は生きとし生けるもの。すべての生物。
・解脱(げだつ)
縛るものを離れて自由になる意。悩みや迷いなど煩悩 (ぼんのう) の束縛から解き放たれて、自由の境地に到達すること。悟ること。涅槃 (ねはん) 。
(感想)
欽明天皇6年春3月、
膳臣巴提便を使者として、
百済に派遣しました。
夏5月、
百済は、
奈率其㥄、奈率用奇多、施德次酒らを
派遣して、
上表しました。
秋9月、
百済は、
中部護德菩提らを任那に派遣しました。
呉の財物を
日本府の臣と諸旱岐に贈りましたが、
各々差が有りました。
この月、
百済が、
立てば丈六の仏像を造りました。
願文を製(つく)り、
「聞くところによりますと、
丈六の仏を造る功徳は、
甚だ大きいといいます。
今、敬い造りました。
この功徳をもって、
願わくは、
天皇がすぐれた善い徳を得られ、
天皇の用いる官家の国、百済、任那が、
天皇と共に、
福祐(さいわい)をこうむりますように。
また、
願わくは、
天下のこの世に生きているすべてのものが、
みな解脱(げだつ)できますように…
ゆえに、仏像を造りました」
といいました。
ますます、
仏教が世間に広がっているようです。
今後、
仏教は日本にとって
どのような存在になっていくのでしょうか?
明日に続きます。
読んで頂き
ありがとうございました。
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