リートリンの覚書

麁服と繒服 11 繒服(にぎたえ)が調進されるまで


繒服(にぎたえ)が調進されるまで


令和の大嘗祭のために作られた繒服が
調進されるまでの
一連の流れをみていきましょう

1・桑畑整備
桑畑の整備をします。
畝堀をし、養蚕に適した
「一瀬桑(いちのせぐわ)」
の桑苗を植えます。
その際、桑の根が長いので
かなり深く土を掘ります。

2・掃立祭り
孵化したばかりの蚕に餌を与える
「掃立祭(はきたてさい)」を行います。
蚕はウイルスに弱いので、
生の桑の葉を直に食べさせず、
粉末し、そこにトウモロコシなどの
タンパク質を加えた人工飼料を与えます。

3・拡座
蚕は5回眠って大きくなります。
1回眠るのを1令といいます。
2令まで人工飼料で育て、
それからは桑の葉を与えます。
餌やりは朝夕2回で、
桑の木1本で50頭ほどの
餌をまかなうことができます。

4・上蔟
5令で6日過ぎると体の中は糸だけとなり、
糸を吐き出し、繭を作ります。
個室がつくられている
蔟(まぶし)にはい上がり、
思い思い好きな部屋に納まり、
営繭(えいけん)します。

※ 蔟とは、蚕が糸を作りやすく仕掛けです。

5・収穫繭
飼育する蚕種は春嶺と鐘月です。
1個の繭から約1400mもの糸が取れます。
繭の状態を確かめ
製糸にむかないものを
取り除く選繭作業をします。

6・製糸祭
繭を温かいお湯に浸して柔らかくすると、
ほぐれた繭から7個ほど選んで
糸口を引っ張るように引き出して
1本の糸にしていきます。
繭から糸をとられた蚕は、
その短い一生を終えます。
    
7・糸揚げ作業
繭から取った糸繰機に巻いて糸を整えます。
機械化が進んだ現在において、
養蚕から繰糸、機織・製品作りまでを
一貫して人の手で行うところは、
全国で「まゆっこセンター」のほかに
数か所しか残っていません。

8・糸完成
糸が完成し、綛にして整理します。

※綛(かせ)とは、
X型やY型をした糸を巻き取る道具です。

9・出発式
令和元年10月2日に
稲橋八幡神社での出発式が執り行われました。

10・製織
令和の大嘗祭では、
製織は新潟県五泉市の
横正機業場が担いました。


感想

令和大嘗祭の生糸を調進したのは、
愛知県豊田市稲武地区にある
「まゆっこセンター」というところで、
作られました。

こちらのセンターでは、
養蚕技術を絶やすことなく
守り続けていらっしゃります。

毎年、伊勢神宮に献上もしています。
素晴らしいですね。

さて、
令和の大嘗祭の繒服、糸は稲武地区では、
どこで織られたのかな?
伝統てきには京都だけど…

気になり調べてみると、
製織は新潟県五泉市の横正機業場さんが
担っていました。

美しい白絹を
横正機業場さんが
織り上げていらっしゃります。

ありがたいことです。
日本の伝説を守ってください!
応援してます。

参考にさせて頂いた本、

「麁服(あらたえ)と繪服(にぎたえ)
天皇即位の秘儀 践祚大嘗祭と二つの布」

(著)中谷 比佐子・安間 信裕 
監修 門家 茂樹

には、繒服が調進されるまで詳しい工程
さらに写真が記載されていて
大変分かりやすいです。
(正直言いますと、自分の記事、
本からかなりパクっています。ごめんなさい🙇‍♂️)

さて、
繪服についてのシリーズは本日で終了です。

絹の歴史。
中々面白いかったです。
新しいことを学ぶことは、
マジ、楽しい😆

長生きして、
日々勉強していきたいです。

次回からは、
麁服について学んでいきたいと思っています。
ただ、資料が思いのほか少なく
難航しています😢

が、いい記事が
書けるよう頑張ります。

最後まで読んで頂き
ありがとうございました。

こぼれ話
…繒服の製織記事、
毎日新聞さんが取り上げていました。

“五穀豊穣や国民の安寧を天皇陛下が祈る。宗教色の強い「秘儀」。”

いや~、文章に棘がありますね。
わざわざ、
宗教色なんて書かなくてもいいのに、
ぶちこんでくるところが、
さすが毎日新聞さん。

今のままで大丈夫ですか?


参考にさせていただいた本

・シルクのはなし 
小林勝利 鳥山國士

・絹の文化誌 
篠原昭 嶋崎昭典 白倫 編著

・皇后さまとご養蚕 
扶桑社

・麁服(あらたえ)と繪服(にぎたえ)
天皇即位の秘儀 践祚大嘗祭と二つの布
(著)中谷 比佐子・安間 信裕 監修 門家 茂樹

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