菊理媛神
(くくりひめのかみ)
全国に広がる白山信仰の主祭神。
祀る神社の数の多さでは
十位に位置します。
「古事記」「日本書紀」の
本文には登場せず、
「日本書紀」の一書に一度だけ
登場する神です。
別名
白山比咩神(しらやまひめのかみ)
菊理媛命(くくりひめのみこと)
久久理姫命
神格
白山の神
農業神
「日本書紀」では
一書では、このように登場しています。
“このとき泉守道者が、申しました。
「伝言があります。『私はあなたと国を生みました。どうして更に生むことを求めましょうか。私はここ黄泉に留まります。あたなと共に行くことはできません』と」
この時、菊理媛神も伝えることがありました。
伊弉諾尊は、それを聞くと彼女を誉めました。そしてその場を去りました。“
このように両者の仲介役として
両者の言葉を聞き、
うまくとりなして
伊弉諾尊を無事に地上に帰らせたといいます。
このことから、
菊理媛神は、
神意を問う巫女の神だとされています。
そのほか
・菊理媛神は、
加賀(石川県)の霊峰白山を御神体とする
白山比咩神社の祭神で、
古来、人々から「いのちの親神」と
崇敬されてきた女神です。
・白山を信仰する人々は、
山の神のお告げを聞く
巫女の神である菊理媛神を祀っていました。
・菊理媛神を祭神とする
白山信仰の本拠地は、
石川県の白山比咩神社です。
ここから分霊された白山神社・白山社は
全国に二千七百十七社を数えます。
神徳
五穀豊穣
馬牛安産
縁結び
安産・育児
命名
生業繁栄
家内安全
防災
開運招福
交通安全
入試合格
祀る神社
白山比咩神社(石川県白山市)
全国各地の白山神社・白山社など
普通人気の高い神様というのは、
日本神話でも活躍している場合が
多いのですが、
菊理媛神は
「日本書紀」の一書の一場面に
ほんの少し登場するだけ。
しかも、菊理媛神が伊弉諾尊に
何を語ったのかも記されていない。
それなのに、
全国にこの神様を祀る神社が
二千七百十七社。
本当に謎の多い神様です。
日本の民俗信仰では、
山は祖先の霊が宿る
他界(山上他界)であるとされてきました。
菊理媛神はその本源として
山の神の神格を持っています。
仮説、
菊理媛神=山の神=祖先の魂の集合体?
そう考えると
菊理媛神は「いのち親神」と
崇拝されていたことに、
納得です。
山の神は、
春になると山から里へやってきて、
田に降り、田の神となり実りをもたらす。
そして秋の収穫が終わると、
山へ帰り山の神へと戻る。
人の人生と同じですね。
春(誕生)になると里へやってきて、
実り(様々な経験)をもたらし、
秋の収穫を終える。
そして、
冬(死)になると山へ帰って行く…
あーさて、
岩手県平泉にある、
中尊寺境内に
白山神社があります。
以前、
中尊寺に行った際
訪れました。
静寂な空間。
大きな杉の木の並木。
いい神社です。
中尊寺・金色堂を訪れた際には
是非。
オススメです。
本日はこれにて。
明日も神様シリーズ続きます。
読んで頂き
ありがとうございました。