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リートリンの覚書

即位礼正殿の儀・まとめ2 高御座・御帳台




高御座・御帳台


高御座は、古代より、
天皇の即位に御座として
用いられてきた調度品です。

高御座が即位に際して
設けられたことが
史料として見られる初例は、
「日本書紀」の雄略天皇の即位の記事です。

大化以前の皇位継承の場合、
まず群臣により“神器”の献上が行われ、

次に適地にタカミクラを設けて
即位の儀式を行い、
その地に新しい宮を
定めることが通例だったようです。

御帳台は、近代以降、皇后の御座として、
即位の儀式に用いられるように
なったものです。

現在の高御座と御帳台は
大正天皇即位に際して製作されたもので、
京都御所の紫宸殿(ししんでん)に
置かれています。

今回は平成度と同様に
皇居の宮殿において用いられました。


高御座(たかみくら)


総高6.48m 幅6.06m 奥行5.45m


高御座は、

「浜床」(はまゆか)と呼ばれる
黒塗りの台座、

その上に朱塗りの
高覧(こうらん)をめぐらせた
四角形の継壇(つぎだん)を
基壇としています。

「浜床」の側面には、
想像上の動物
「鳳凰」、「麒麟」が
描かれています。





上部は、
八角形の床板を2段に重ね、
8本の円柱が
八角形の蓋(きぬがさ・屋根)を
支えるつくりになっています。





蓋の頂上の露盤には大鳳(たいほう)1羽を、
蓋の各角の蕨手(わらびで)には
小鳳(しょうほう)8羽を、
大小合わせて9羽の鳳凰の像を載せています。

そして全体にわたって、
白玉(はくぎょく)を
嵌入した華形です。

蓋の上部には、大小合わせて28の
銀鍍金の鏡光(きょうこう)。

瓔珞、その他の
飾り金具で装飾されています。





内部には御椅子(ごいし)があり、
その左右に剣璽(けんじ)と
国璽(こくじ)及び御璽(ぎょじ)を
置く案(あん・小卓)があります。

天蓋からは、表が濃い紫色、
裏が緋色の絹織物の帳がかけられています。


御帳台(みちょうだい)


総高5.67m 幅5.30m 奥行4.77m


御帳台は、高御座の隣に置かれます。
御帳台の作りは、
高御座とほぼ同じですが、

蓋には鸞(らん)という
瑞鳥(ずいちょう)の像を飾り、

また高御座に比べると
少し小ぶりになっています。


鳳凰と鸞の違い


頂いた、パンフレットの説明を読み、
蓋の上の鳥の像に
違いがあるのを知りました。

パッと見、わかりませんよね。
正面の写真を見ても
同じに見える。

しかし、よくみると顔がちょっと違う。

もっと注意深く写真を見ると…

あっ、尾が違う!

という事で、後ろ姿のアップです。


尾がピンと鳳凰


尾がクルンと瑞鳥・鸞


続く


・嵌入(かんにゅう)
穴などに長い物がはまりこむこと。
はめこむこと。

・瓔珞(ようらく)
装身具または仏堂・仏壇の荘厳具のひとつ。

・鳳凰(ほうおう)
中国で、聖徳をそなえた天子の兆しとして現れるとされた、想像上の瑞鳥。
雄を「鳳(ほう)」、雌を「凰(おう)」と言う。

・麒麟(きりん)
麒麟は、中国神話に現れる伝説上の霊獣。獣類の長とされ、鳥類の長、鳳凰と比せられ、しばしば対に扱われる。

・鸞(らん)
中国の伝説の霊鳥。鸞は神霊の精が鳥と化したものとされている。「鸞」は雄の名、雌は「和」と呼ぶのが正しいとされる。鳳凰が歳を経ると鸞になるとも、君主が折り目正しいときに現れるともいる。

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