旧石器時代・日本列島の遺跡について
日本における旧石器時代は、
後期については、
北海道から九州にかけて
5000か所を越える遺跡が
確認されています。
前期・中期についても、
数は少ないですが
いくつか確認されています。
しかしながら、
前期旧石器遺跡については
全て捏造であったことが判っています
(旧石器捏造事件)。
中期も多くが
前期旧石器時代を捏造した人物が
関与しているため否定的です。
捏造事件発覚以後に
新しく発見された遺跡については
議論があります。
石器を使い始めてから
250万年間におよぶ人類の歴史の中で、
日本列島の旧石器時代は
その最後の一部分です。
しかし、
今日まで発見された
数千箇所におよぶ遺跡の分析を
総合しますと、
後期旧石器時代初頭(3万年前)から
縄文時代が始まるまでの
おおよそ2万年間に
旧石器時代人が作った文化と
その歴史を詳細に
あとづけることができます。
出典・世界の歴史まっぷ
日本列島で旧人と新人が並存していた?
石器から読み解く。
・岩手県・金取遺跡
(かなとりいせき・3万~5万年前)
などから出土したハンドアックス、
円盤状石器、多面体石器などの
大型石器と削器や鋸歯状石器などを
使っていた人類は
汎世界的に分布する
ホモ・エレクトス(原人)や、
ホモ・ハイデルベルゲンシス(旧人)の
文化であるアシュール文化の
伝統を引き継いでいます。
極めて強い力で剥離された
大形石器や石器群全体がもつ違和感も
残した人々が
ホモ・サピエンスでは無かったことを
示唆しています。
・東京都・多摩蘭坂(たまらんざか)遺跡など、
とりわけ南関東地方の
立川ローム層下底部から出土した石器は、
前の文化が変容したもので
少なくとも2万7000年前までは
ホモ・ハイデルベルゲンシスが
生きていた可能性が高いと思われます。
・国府系文化の初期の段階は、
前期旧石器時代文化的な
様相をも持っています。
そうすると
ホモ・ハイデルベルゲンシスは
他の文化の模倣を繰り返しながら、
文化が消滅する1万5000年前ごろまで、
日本列島内で生き延びていた
可能性が高いと思われます。
・また新技術の石器文化が発生しました。
その分布から
後期旧石器時代初頭(3万年前以前)に
北方から流入したと考えられます。
彼らは環状ブロック群という
特異な遺跡を形成し、
形を変えながら
後期旧石器時代末頃(1万5000年前)まで
生き延びていたと考えられます。
初期のような原始的な大型石器をもたず、
華奢な小形石器を中心とする
石器文化を担った人々とは
初期にアジアに到着した
ホモ・サピエンスの可能性があります。
・新石刃技法をもつ茂呂系文化などを
担った人々は、
前回のグループよりやや遅れた
3万年前頃に北方から登場した
新たなホモ・サピエンスです。
東北地方から九州地方にいたるまで
日本列島の諸文化に強い影響を与えました。
・旧石器時代の日本列島では
ホモ・ハイデルベルゲンシスと
ホモ・サピエンス(新旧)とが
並存しながら、
後期旧石器時代末期まで
生き延びていたと考えられます。
しかし、彼らが縄文時代まで
生き延びることができたかどうかは
現段階ではわかりません。
・ホモ・サピエンスは
航海することができたと考えられます。
それでも、大陸から樺太、北海道、
さらに本州へと何度も海を渡って
移動してきた集団は
大陸の諸文化の中の
まったくの一握りだったと思われます。
現段階では二つの集団、
二つの異なる人類が結びついていた
という積極的な証拠は
石器からは見出せません。
参考)
旧石器時人の歴史 アフリカから日本列島へ 竹岡俊樹
・アシュール文化とは
アフリカ、ヨーロッパ、西アジアに広くみられる前期旧石器文化。従来、ヨーロッパではアブビル文化に続いて、アフリカではシェール文化に続いて現れるとされていましたが、今日では、握斧を特色とする前期旧石器文化を全てアシュール文化と呼びます。
日本旧石器文化の三大特徴
「環状ブロック群」は「陥穴(おとしあな)」「刃部磨製石斧(じんぶませいせきふ)」と並ぶ日本旧石器時代の3大特徴であり、世界史的に見ても例を見ない日本独自の旧石器文化のひとつとされ、日本の旧石器時代を考える上で欠かすことのできない遺跡です。
引用・酒々井町ホームページ
いかがだったでしょうか?
旧石器時代捏造事件は、
大変残念に思います。
日本は酸性の土壌が多いため
骨などが残りにくく
前中期の遺跡発見が難しい。
唯一残り易いのが、石器です。
しかし、前期旧石器時代の石器となると、
以前ご紹介した通り、
ほぼ、その辺の石ころ。
骨などと一緒に見つかれば
判定しやすいのですが、
日本の土壌では難しいでしょう。
捏造事件は、
今まで発見された、
日本の前期旧石器時代の遺跡を
否定する事態になりました。
もしかすると、
本物があるかもしれないのに、
残念です。
また、
出土した石器の特徴から、
日本列島にも旧人がいた可能性が高い。
まぁ、現代日本人の遺伝子を
調べてわかっていることですが。
現代人のDNAには
ネアンデルタールの遺伝子が、
1~2%残っている。
日本人は、
特に多いとの調査結果が出ています。
自分の妄想では、
力仕事は旧人たちが、
細かい作業は新人たちと、
得意分野で分担し。
共存し合い
仲良く暮らしていたのではないかと思います。
また、「環状ブロック群」
俄然興味が湧いてきましたよ。
竹岡氏は、北方から流入としていますが
環状ブロック群遺跡の分布をみますと、
関東周辺が多い。
そして、日本独自。
これは気になりますよ。
図書館が開館したら、
是非、調べてみたいし、
遺跡にも行ってみたい。
楽しみが増えました。
それでは、今日はこれにて。
明日は、岩宿遺跡に関するお話です。
読んで頂き
ありがとうございました。